キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を   
発行日:20111月9

歓迎しない会ニュース No.28


年頭ご挨拶

会員のみなさまへ

共同代表 牧嶋とよ子


 昨年は、ゴルフボールの飛び出しに対する緊急抗議活集会をはじめ、花火大会における爆音現地調査を実施し、ヘリ騒音を含めこれら迷惑施設として存在するキャンプ座間の実態をより多くの人に伝えたいとキャンプ座間盆踊り大会が行われた8月7日、相武台前駅において恒例の街宣活動を行いました。また、これまで歓迎しない会が取り組んできた活動の記録を取り入れ、=基地めぐりのためのリーフレット=を作成し、カンパ活動にも積極的に取り組み、基地を新たな側面から捉えてみようと実施した基地周辺の遺跡を知る学習会や、自然や歴史を体感するフィールドワークには、多くの会員の方々にご参加いただきました。

 昨年12月4日に行われた第7回総会では、今年度の活動方針に対し、会員より新たな運動への具体的取り組みとして国へのはがきアクションやニュース発行の拡充など貴重な提案をいただきましたので今後、事務局会議のなかで議論を進めて行きたいと思います。

 キャンプ座間は、安全対策を施しても今も止まらないゴルフボールの飛び出し問題や2012年の自衛隊中央即応集団司令部設置が進められると同時に座間市におけるキャンプ座間の跡地利用構想もその具体的なものとして自衛隊家族宿舎建設が急ピッチで進められて行きます。しかし、今回の総会の記念講演でお呼びした東京新聞編集委員の半田滋さんのお話では、キャンプ座間に来ない事になった米陸軍第1軍団に対し、中央即応集団司令部だけが移駐してくる理由はないと。あらためて国に対し、多額な税の投入による司令部設置にかかわる官舎や宿舎建設の妥当性を問い正していく必要があります。さらに日米同盟強化を掲げる民主党政権への牽制と、今後も県内はもとより全国の仲間と連帯し、粘り強く基地強化・恒久化に反対の声をあげていきますので会員の皆様のご協力をよろしくお願い致します。


歓迎しない会第7回総会を開催
記念講演で基地関連の最新情勢も学習


歓迎しない会の第7回総会を12月4日(土)、おださがプラザにて開催しました。記念講演目当ての方も含め、約30名が参加しました。総会議事では、この1年間の活動総括と会計報告、来期の方針及び事務局体制を事務局より提起し、議論いただきました。
 質疑のなかでは、運動を進めるための提案や事務局に対する要望などが出され、活発な議論となりました。事務局ではこれらのご意見に応えるように、今期も精一杯活動していく覚悟です。よろしくお願いします。
 総会の後半は記念講演として東京新聞編集委員の半田滋さんをお呼びしました。キャンプ座間では陸自中央即応集団司令部の移駐の動きが具体化しており、その最新情勢の学習ということで企画しました。

<第7回総会記念講演報告>

「米軍再編の真実」 〜日米一体化の果てにあるもの〜

約1時間の講演では、2006年の「米軍再編」ロードマップの内容から、中央即応集団司令部の移駐問題まで、トータルに話していただきました。キャンプ座間に直接関連する講演内容を以下に紹介します。

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 中央即応集団司令部は2006年12月に自衛隊法が改正され、海外派遣が自衛隊の本来任務に格上げされた。2007年3月に朝霞駐屯地に中央即応集団司令部が、2008年3月宇都宮に直轄部隊である中央即応連隊が発足した。司令部と部隊が別の場所となったため、移動するためにヘリの飛行が増えている。座間に移駐しても同じことが予想できる。

 キャンプ座間では建物の建設が進められようとしている。米陸軍第1軍団が来ないにも関わらず、陸自の中央即応集団司令部だけが来る。米第1軍団前方司令部は、少将がトップで、有事の際の日本防衛が主任務。実戦部隊をもたない司令部である。中央即応集団司令部は、陸将がトップで、海外派遣が主任務。米軍と対応がとれていなく、座間に移駐する理由がなくなっている。

現在、中央即応集団司令部の下に、特殊作戦軍、空挺団、ヘリ部隊、化学防護部隊などがある。しかし、今度の防衛大綱では、各自衛隊を束ねる総隊という組織を作ろうとしている。5年あるいは10年後には、陸自は陸上総隊が各部隊を束ねることになり、中央即応集団司令部が直接指揮するのは中央即応連帯だけとなる。規模が縮小されるため司令部組織も小さくなることが予想される。それにも関わらず、キャンプ座間に司令部庁舎や家族住宅をつくって移駐しようとしているが、完成してもがら空きという状況もあり得る。国は無駄とわかっていても進める。地元は交付金などでいったん経済的な見返りが得られるが、長期的にみればそれも削減される。

米軍再編による基地の移転は、地元の意向をまったく聞かずに決めておいて、再編交付金で言うことを聞かせようとしている。金目当てで受け入れる自治体も多いので、国はそのやり方を変えようとしない。
 基地問題は、地元での地道な活動も必要だが、もっと根源的な議論を巻き起こすことが必要と思う。現在の民主党政権下では非常に困難ではあるが、政府に私たちの声を届かせるような運動をしていくしかない。

(松本)



座間市

跡地利用構想の決定から見えるもの

陸自中央即応集団の移駐、家族宿舎建設受け入れは、
市是である基地の恒久化解消には全く逆行するもの!


 『米陸軍キャンプ座間の一部返還をめぐり、座間市が国から返還地を借り、誘致する病院にまた貸しすることが可能になった。市の要望を受けた財務省が「新成長戦略における国有財産の有効活用」の対象施設に病院を追加したからだ。病院が適用となれば全国で初のケースになる。』 (2010/12/22.朝日新聞より)

 返還候補地が示され30年ぶりに開かれた跡地利用に関する市長の諮問機関、基地返還促進委員会の答申が出されてわずか1ヶ月でこの様な形になった事をどう受け止めたら良いのでしょう。かつて存在していた総合病院が5院から2院に減ったという点から病院に対する市民要望の高い事は確かではありますが、そこに応えんが為に基地対策を利用した様な今回の決定、又その過程での非公開性に大きな疑問を感じます。12月21日に開かれた基地返還促進等市民連絡協議会役員会で遠藤市長は「市の負担軽減を国も考えてくれた。財務省の素早い対応で病院誘致に活路が開けた。」と述べ、国に対する謝意を表するとともに病院誘致への意気込みを示しました。市民ニーズが高いからと言って、病床不足解消と基地問題をリンクさせた様な市並びに市長の動きには憤りすら覚えました。

 市議会においても12月20日定例議会最終日に保守系最大会派より「救急病院の誘致の実現を求める決議」が議員提出議案として出されました。通常この様な場合は質疑・討論は省略されますが、この案件にはある議員から質疑が出され、それに対する答弁を議案提出者代表議員が行うことになりました。「自衛隊宿舎を前提に導き出された利用構想であり、それが真に市民にとっての利益と言えるのか。市是である基地の整理・縮小・返還の視点からどう考えるのか。」等の指摘に対し「宿舎は税収、災害時対応等のあらゆる角度からみて市にとって大変有益。病院は市民の強い要望であり全く異論の余地なし。現状ではbestの結論。市是に対してもフェンスを少しでも奥に(基地側)に移動する事は大きな前進であり評価に値する。」との答弁でした。採決の結果、賛成15(政和会、公明党、市政クラブ、無所属)・反対4(市民連合、神奈川ネット)・退席3(共産党)で残念ながら可決となってしまいましたが、議員同志が本会議において基地問題について議論を交わすことの出来た意義は大きいと考えます。

 陸自中央即応集団の移駐、家族宿舎建設受け入れは、市是である基地の恒久化解消には全く逆行するものであり、フェンスが数十メートル移動したとてそれにどれほどの価値のあることでしょう。キャンプ座間の面積は5.4ha縮小しても、その中で起こっている事は基地機能の更なる強化に他なりません。12月17日、閣議決定された防衛大綱、即ち、基盤的防衛力から動的防衛力への移行がキャンプ座間においては先行して実施されるのです。これらを本当に歓迎すべきこととして受け入れてしまって良いのでしょうか。病院という返還地利用構想に目を暗まされる事なく、基地問題の本質をしっかりと捉え続けてゆかなければなりません。

(採択された決議文)

「救急病院の誘致の実現を求める決議」

本市における救急医療に携わる病院は、平成17年度には5病院存在したが、現在では2病院となっており、二次救急医療体制の維持に支障を来している。また、急病の市民が市外へ搬送される割合も74%に上っていることなどから、救急病院に対する市民ニーズは非常に高く、安心・安全な市民生活の実現に向け、安定的な医療体制の構築は急務と言える。
 こうした中、座間市基地返還促進委員会により、キャンプ座間チャペル・ヒル返還跡地の利用計画について、本年11月9日に病院の誘致に全力で取り組むよう求める答申がなされた。これを尊重し、市が12月13日に返還跡地利用構想を策定し、救急病院の誘致の実現を目指す姿勢を高く評価する。
 よって本市議会は、切望される救急病院の誘致について本市として全力で取り組むことを求めるものである。以上決議する。

さて、真の「安心・安全な市民生活の実現」とは何なのでしょうか。基地機能の強化でないことは明白です。

(安海)



ゴルフボール飛び出し問題

またしても!ゴルフボール飛び出し!
民家の窓ガラスを直撃!

――米軍・国・市に対する申入れ報告――


 12月9日、キャンプ座間ゴルフ場からボールが飛び出し、民家の2階の窓ガラスを直撃。幸い住人は外出中で、人身事故には至りませんでしたが、そのスピードはかなりのもので窓ガラスには直径20センチほどの大きな穴がに開き、衝撃の大きさを物語っていました。歓迎しない会は、神奈川平和運動センターと共に、米軍、国・南関東防衛局、相模原市長に対し、ゴルフ場の閉鎖と原因究明を求める申入書を提出しました。以下に申入れ内容報告します。


  <米軍宛申入書>

2010年12月18日

  在日米陸軍・第1軍団前方司令部 司令官 ハリソン少将殿

 第1軍団の移駐を歓迎しない会   
 共同代表 金子豊貴男、牧嶋とよ子
神奈川平和運動センター
 代表 宇野 峰雪 

キャンプ座間ゴルフ場からのボール飛び出し事故についての申し入れ

またキャンプ座間ゴルフ場からのボール飛び出し事故が発生した。今回の事故は米軍の取った安全対策、レイアウト変更が役に立たないことを証明した。昨年来の安全対策が役に立たないことが見事に証明されてしまった。私たちは、貴職に対しゴルフボールの飛び出しについて再三抗議してきたが、ゴルフボールの飛び出しは止まっていない。これまで米軍のとってきた安全対策では無理であることが明らかである。

改めて、ゴルフボール飛び出しが続く現状と、それを放置している貴職の対応に対し、抗議すると共に、ゴルフ場の営業の即刻停止を求める。そして、今回の事故の原因究明を求めるものである。

また、ゴルフ場を利用する日本人のプレーを即刻辞めさせ、本来の米軍人のためのゴルフ場に戻したうえ、安全策を整え、さらにゴルフ場部分の返還の道すじを立てるべきである。新司令官にこの点強く求めるものである。市民の安全が脅かされるような米軍ゴルフ場は即刻閉鎖することを強く求める。

以上


 <日本政府宛申入書>

2010年12月18日

 防衛省南関東防衛局長 殿

 第1軍団の移駐を歓迎しない会   
  共同代表 金子豊貴男、牧嶋とよ子
神奈川平和運動センター
代表 宇野 峰雪

キャンプ座間ゴルフ場からのボール飛び出し事故についての申し入れ 

 またキャンプ座間ゴルフ場からのボール飛び出し事故が発生した。今回の事故は米軍の取った安全対策、レイアウト変更が役に立たないことを証明した。昨年来の安全対策が役に立たないことが見事に証明されてしまった。私たちは、貴職に対しゴルフボールの飛び出しについて再三抗議してきたが、ゴルフボールの飛び出しは止まっていない。これまで米軍のとってきた安全対策では無理であることが明らかである。したがって貴職に対し、以下の対応を求めるものである。

1 改めて、ゴルフボール飛び出しが続く現状と、それを放置している貴職の対応に対し、抗議すると共に、米軍ゴルフ場の営業の即刻停止を米軍に求めるよう要請するよう対処されたい。

2 今回の事故の原因究明を求める。レイアウト変更の実態と当日の加害者の特定もキチンとすべきである。被害者に対する損害賠償の責任を果たす上でも当日の状況と加害者の特定、責任を明確にするよう求める。

3 ゴルフ場を利用する日本人の利用実態を明らかにし、現状把握できないなら、キチンと調査することを求める。日米地位協定により米軍人のために設置されている米軍キャンプ座間ゴルフ場内で、ゴルフ場利用税も払わない日本人のプレーが行われていること、それを調査もしない防衛省は怠慢である。

4 今回の事故は、小手先の対策、レイアウト変更やネットのかさ上げでは市民の安全が確保できないことが改めて明らかになった。米軍ゴルフ場の閉鎖と返還に向けた交渉を米軍側とただちに始めるべきである。また、日米合同委員会の議論の俎上に挙げるべきである。

以上



 <相模原市宛申入書>

2010年12月17日

 相模原市長 加山 俊夫 殿

第1軍団の移駐を歓迎しない会   
  共同代表 金子豊貴男、牧嶋とよ子
神奈川平和運動センター
代表 宇野 峰雪

キャンプ座間ゴルフ場からのボール飛び出し事故についての申し入れ 

またキャンプ座間ゴルフ場からのボール飛び出し事故が発生した。今回の事故は米軍の取った安全対策、レイアウト変更が役に立たないことを証明した。昨年来の安全対策が役に立たないことが見事に証明されてしまった。私たちは、貴職に対しゴルフボールの飛び出し事故が二度と起こらないよう、米軍や国に要請するよう、また安全策の確保など、再三要請してきたが、残念ながらまた事故が起きてしまった。ゴルフボールの飛び出しは止まっていない。これまで米軍のとってきた安全対策では無理であることが明らかである。したがって貴職に対し、以下の対応を求めるものである。

1 改めて、ゴルフボール飛び出しが続く現状と、それを放置している米軍や国・南関東防衛局の対応に対し、抗議すると共に、米軍ゴルフ場の営業の即刻停止を米軍に求めるよう要請するものである。

2 貴職の責任において米軍や国・南関東防衛局に、今回の事故の原因究明を求め、レイアウト変更の実態と当日の加害者の特定もキチンとすること。被害者に対する損害賠償の責任を果たす上でも当日の状況と加害者の特定、責任を明確にするよう働きかけを求めるものである。

3 ゴルフ場を利用する日本人の利用実態を明らかにし、現状把握できないなら、キチンと調査することを求める。日米地位協定により米軍人のために設置されている米軍キャンプ座間ゴルフ場内で、ゴルフ場利用税も払わない日本人のプレーが行われていること、それを調査もしない防衛省は怠慢である。防衛省がやらないならば市として独自の調査をすべきである。

4 今回の事故は、小手先の対策、レイアウト変更やネットのかさ上げでは市民の安全が確保できないことが改めて明らかになった。米軍ゴルフ場の閉鎖と返還に向けた交渉を米軍側とただちに始めるべきである。また、日米合同委員会の議論の俎上に挙げるよう働きかけを強めることを求めるものである。

以上


第1軍団前方司令部発足から3年
陸自中央即応集団司令部は来るな!

12/18座間行動報告


 米陸軍第1軍団前方司令部がキャンプ座間で発足してから3年が経過しました。12月18日(土)に、恒例となった抗議行動が、神奈川平和運動センター/基地撤去をめざす県央共闘会議/バスストップから基地ストップの会/歓迎しない会の主催で開催され、集会、デモ、基地への申入れと、今回は、キャンプ座間に対する人間の鎖行動も行われました。
 集会では、「この街から戦争に行くな! 第1軍団前方司令部はアメリカヘ帰れ! 中央即応集団司令部の移駐をやめさせるために、改めて米軍再編撤回の声を大きくあげていきましょう!」などと集会宣言を参加者一同で採択しました。
 以下に写真で行動の様子をお伝えします。


座間公園に人々が続々結集!


座間公園からデモに出発

キャンプ座間に対して“人間の鎖”で抗議を意志を示しました