発行日:2022年5月13日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.95

電子版


 
 

キャンプ座間 米軍ゴルフ場

4月に3件のボール飛び出し

ゴルフ場休止・返還へ向けた取組み強化を相模原市に要請

 キャンプ座間の米軍ゴルフ場からのゴルフボール飛び出しが止まりません。20年度に3件、21年度に2件だったものが、今年度は4月だけで3件を記録しました。
 大量のボール飛出しが問題となり、防球ネットのかさ上げなどを行ってから約10年になりますが、ネットの破損などに対する補修が十分に行われていなく、飛び出しが増加しているのでは。
 国・南関東防衛局は打球のシミュレーションを行い、その調査結果に基づきネットのかさ上げなどを米軍に要請しましたが、巨大な防球ネットは、それ自体が基地隣接住民にとっては脅威でもあります。
 歓迎しない会では、4月26日、下記要望を相模原市長あてに提出しました。安全対策の徹底はもちろんのこと、ネット補修が終了するまでのゴルフ場の営業休止求めました。
さらに、利用するゴルファーの大半が日本人である米軍ゴルフ場は廃止すべきであり、その跡地を返還させることが、真の問題解決と訴えました。


キャンプ座間からのゴルフボール飛び出しに係る
市民からの最近の届出状況
届出年月日  件数
2020年 9月14日 1件
2020年12月 1日 1件
2021年 3月22日 1件
2021年 6月14日 1件
2021年 8月25日 1件
2022年 4月 7日 1件
2022年 4月22日 2件
相模原市基地対策課集計 2022年4月26日


2022年4月26日
相模原市長 本村賢太郎 殿

キャンプ座間ゴルフコースからのゴルフボール飛び出し等についての要望書

キャンプ座間への米陸軍第一軍団の移駐を歓迎しない会 共同代表  金子豊貴男
共同代表  長瀬 未紗

 日頃からの基地問題の取り組みに敬意を表します。
 さて、昨日の相模原市基地対策課の発表によると、キャンプ座間の米軍ゴルフ場から相武台地区の、基地に隣接する民家に、4月13日と21日にゴルフボールが飛び出してきたことが明らかになりました。 4月に入って3個目であり、民家の屋根瓦を破損するという重大事故でもあります。まさに異常事態、緊急な安全対策が求められる事故案件です。
 私たちは12年前、キャンプ座間のゴルフ場から1年間に280個ものボールが飛び出し、その後の市民や、市の取り組みによって、米軍側が、ゴルフコースのレイアウトを変更、国・南関東防衛施設局が防御ネットを40メートルにかさ上げするという工事によって、その後はボールの飛び出し事故が無くなったと安堵していました。
 ところが、ここ数年、年に数回ボールの飛び出し事故が起きています。議会でも多くの議員から、安全対策を求める声も上がっています。
 今回、市長として、国や米軍に「防止対策の徹底」という要請を速やかに行ったことは評価しますが、さらに安全対策を徹底するために、私たちは市長に、以下の要請を国や米軍に行ってもらうよう、求めるものです。

1 ゴルフ場の安全対策(ネットの補修など)が終了するまでの間、ゴルフ場を休止すること
  (昨年はコロナ対応で休止した期間があった。)
2 周辺住民に、ゴルフボールの飛び出しに対する対策を周知すること
3 市として求めている、米軍ゴルフ場部分の返還について、積極的な取り組みを行うこと
4 市の基地返還4事案の一つである、ゴルフ場周辺外周道路の返還について、積極的に取り組むこと
5 米軍ゴルフ場でプレーする日本人ゴルファーについて、ゴルフ場利用税の課税を進めること
6 米軍ゴルフ場でプレーするゴルファーに安全対策(使用可能なゴルフクラブの徹底、ロストボールの報告など)を徹底すること

以上


[報告]
2022.5.5
キャンプ座間フィールドワーク 2022(春)を開催

 春のキャンプ座間フィールドワークを5月5日に開催しました。ここ数年、連休中の開催で多くの方に参加いただいており、今回も晴天に恵まれ、総勢21人のツアーとなりました。
 今回のコースは、前ページにもあるようにゴルフ場からのボール飛出しが続いていることから、ゴルフ場を含む基地北側を半周するルートを歩くことにしました。難点は、全行程が約7kmに及び、午前中の2時間半で周りきれるかどうか、全員そろって歩けるかでした。

キャンプ座間ゴルフ場へ
 9時30分、集合場所の小田急線相武台前駅を出発。キャンプ座間のゴルフ場に沿って北上し、途中、金子共同代表の説明を受けながら「相武台ふれあい広場」へ。キャンプ座間ゴルフ場を初めて目にする方もいましたので、過去のボール飛び出しや被害の状況、住民による抗議行動、最近の飛出しの状況などを、現場に即して詳しく説明を聞くことができました。
 フェンス越しではありますが、ゴルフ場内は休日とあって、多くのゴルファーでにぎわっていました。



“相武台ふれあい広場”からゴルフ場を臨む


ゴルフ場内の様子

 ふれあい広場からさらに北へ歩くと、ボールの飛び出しが何件か確認されている地点に到達、高さ40mの防球ネットは、やはり威圧感が。
 基地隣接の住宅の方にもお話を伺うことができました。防球ネットについては、暴風などで倒壊する恐れなども感じているようです。
 さらに北へ少し進むと、相武台中学あたりで防球ネットは終わり、キャンプ座間の第7ゲート前に到着。この時点で11時を過ぎており、全行程を12時までに終了させることは困難と判断、いったん解散し、残った参加者で継続することに。



ボール飛び出しが確認された付近にて


ネットにはところどころに破れが

 キャンプ座間ヘリポート・がけ崩れ現場も
 ここから先は崖になっており、基地内を見渡せないので、ただ黙々と歩くだけ。キャスナー飛行場(ヘリポート)の管制塔を見上げながら、キャンプ座間の北端に到着、近くの峰山霊園にて小休止。
 この後は、ヘリポートを反時計方向に回り、南に向かって歩くことになります。
 この日は、ヘリは飛んでおらず、エンジン音なども全く聞こえていませんでした。一応、斜面をフェンスまで登り、ヘリポートを覗いてみましたが、1機だけ駐機してはいるものの、全く動きはありません。
 斜面を下り、続いてがけ崩れ現場へ向います。といっても、現場は木や草に覆われており、うっかりすると見過ごしてしまいそうな状況で、かろうじてフレコンバッグが確認できる程度でした。復旧工事が始まっているとのことですが、それらしきものは全くみえませんでした。もちろん工事も休みなのでしょうが。
 あきらめて、帰路へ。といっても、ここから先、まだ距離はあります。キャンプ座間に沿って道路を南へ。途中、登録文化財となっている“旧中村家住宅”を見学し、基地内横断道路(市道新戸相武台)へ。
 この道路を歩き終わったところで本日のフィールドワークを終了、時刻は午後1時半でした。参加のみなさん、お疲れさまでした。(事務局MN)



がけ崩れ現場、言われなければわからない


基地内横断道路(トンネル)を歩く

 

座間市の「基地対策」がさらに後退!

“基地返還促進等市民連絡協議会”が
「促進協」でなくなった日

 座間市基地返還促進等市民連絡協議会の総会が3年ぶりにリアル参加で行われました。しかしながら上記の名称での開催は、今回が最後となってしまいました。
 昨年12月、自治会・各種団体・議員等の代表から成る役員会が再開されてから、この協議会の活動方針について3回にわたり議論を重ね、迎えた今回の総会でした。役員会では、会の名称を「基地の返還促進」から「基地政策」への変更、その目的には「基地との交流、親善を加筆」し、事業として「在日米軍人・軍属及びその家族等との交流、親善等に関すること」を加えたいと言った案が出されたそうですが、当然のことながら役員全体の合意には至りませんでした。そこでこれまでの促進協(本協議会の略称)の歴史や今回の議論を踏まえ、本会の会長である佐藤市長の案を総会で提案することで役員全員の賛成が得られ、総会開催に至りました。
 総会の場でも質疑応答が活発にされ佐藤市長は「さまざまなお考えの中からの最大公約数としての提案」とし、事務局からは「会の名称が変わっても活動内容を大きく変更する予定は無い」との見解が示されました。採決の結果、名称を「基地返還等市民連絡協議会」、目的に「基地に関する諸事項」を加えるといった改正案が賛成多数で可決されてしまいました。
 今回の改悪(私としては)は、『基地はもはや対策する存在に非ず』と基地対策特別委員会を基地政策特別委員会へと変更し、遂には特別委員会そのものも設置されなくなって今に至る座間市議会の変遷と一致すると感じます。座間市が今後基地、キャンプ座間とどう向き合っていくのか、少しも気を緩める事が出来ません。  (安海のぞみ)