発行日:2021年9月17日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.91

電子版


 
過去最大規模の「陸上自衛隊演習」が開始
南西地域の防衛を想定し、全国の全部隊(10万人)動員
キャンプ座間など神奈川県内の基地も

 陸上自衛隊は、9月15日から11月下旬までの予定で2021年度陸上自衛隊演習を開始しました。「南西地域の防衛を想定し、部隊の移動など作戦の準備段階の課題を検証する」ねらいとのことです。
 政府は、「中国の脅威」や「台湾有事」に備えて、南西諸島への自衛隊の配備を進めるとともに、日本版海兵隊ともいわれる陸自水陸機動団を増強しています。
 そして、これらの地域が実際に戦場となった場合には、「師団」「旅団」という大部隊の移動、食料・弾薬・燃料などの輸送が必要となります。今回の演習は、これらを想定して行われるもので、「課題を検証」するためといいますが、より実戦に備えた演習ということにほかなりません。
 しかも、想定していることは、日本が戦場になるということでもあります。私たちからは、より戦争への敷居を低くするためとしか見えません。(MN)

 *陸上自衛隊説明資料より

 [神奈川県における訓練予定]
1 全般  
 (1)期間:10月3日(日)~10月15日(金)
 (2)使用場所
   ○自衛隊施設:座間駐屯地、横須賀基地、船越基地
   ○在日米軍施設:横浜ノース・ドック

2 細部予定
区分 期間 場所 規模
 部隊展開・
 施設防護訓練
10月4日(月)
 ~8日(金)
座間駐屯地 ○人員:約70名
○車両:約30両
横浜ノース・ドック ○人員:約40名
○車両:約10両
10月3日(日)
 ~15日(金) 
横須賀基地 ○人員:約30名
○車両:約10両
 船越基地 ○人員:約200名
○車両:約40両 
3 その他
 座間駐屯地及び横浜ノース・ドックでは、訓練期間内の一部日中において、
 化学火工品(音・煙を発するもの)の使用を予定しております。


[報告]

第五次厚木基地爆音訴訟勝利、飛行差止め実現
8.28神奈川行動 (厚木基地フェンス前)


 毎年8月に、「基地撤去をめざす県央共闘会議」などの呼びかけで、厚木基地への抗議行動が取り組まれています。例年、集会とデモ行進による行動でしたが、今年は厚木基地のフェンス前に直接集まり、新型コロナ感染対策を取りながらの抗議行動となりました。
 参加者は、厚木基地北側の県道40号の両側に1列に間隔を取って並び、厚木基地に向けて横断幕、のぼり、「爆音止めろ」などのプラカードを掲げ、およそ1時間の抗議を行いました。
 「爆音訴訟勝利」をメインとしていますが、厚木基地でのCBRN訓練反対、辺野古新基地建設反対、馬毛島への基地新設反対などとともに、オスプレイの機体整備契約撤回もサブスローガンにしています。
 オスプレイについては、これまで自衛隊の木更津駐屯地で定期整備が行われてきましたが、今年から厚木基地隣接の「日本飛行機厚木工場」でも行われると発表されており、厚木基地でのオスプレイ飛行がこれまで以上に行われ、事故の危険性も高まります。撤回を求める声をもっと大きくしていかなければと思います。
 



 

 オスプレイに関しては、前々日の26日に、空母「カール・ビンソン」搭載のCMV22が2機、厚木に飛来しています。米海軍は、空母艦載の連絡機をCMV22に変更することを計画しているとのことで、今後、横須賀配備の空母「ロナルド・レーガン」にオスプレイが配備されれば、厚木基地へ日常的に飛来することが考えられます。
 ちょうどこの日は、カール・ビンソンが横須賀に入港する日でもあり、横須賀から参加した新倉さんより、現地の状況などの報告もなされました。
 最後に「行動宣言」を採択し、全員でシュプレヒコールを行ってこの日の行動を終えました。(MN)
 

 


[報告]

相模総合補給廠
爆発火災倉庫の修繕工事について相模原市へ申入れ

 2015年8月に、在日米陸軍施設である相模総合補給廠で爆発火災事故が発生したことは、まだ記憶に新しい。今般、火災元となった可燃物倉庫の修繕工事の落札が確認されたが、この倉庫が修繕後にどのように用いられるのかなど、看過できるものではありません。
 そこで、「歓迎しない会」と「相模補給廠監視団」は、8月27日、連名にて相模原市に対して申入れを行いました。
 火災事故の経緯や具体的な要求については、次の申し入れ書を参照ください。

2021年8月27日

相模原市長 本村賢太郎 殿

相模補給廠監視団(代表 沢田政司)
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を歓迎しない会
(共同代表 金子豊貴男/長瀬未紗)

相模総合補給廠163-11倉庫の修繕工事について(申し入れ)

 今から6年前、2015年8月24日未明、相模総合補給廠の南部に建つ可燃物倉庫1棟(163-11倉庫)が爆発火災を起こしました。基地と隣接する県営上矢部住宅はわずか300メートルの距離に所在していました。大きな火炎とともに、ボンベの蓋が倉庫から200メートルの所にまで飛び散りました。
 相模原市消防局は、爆発火災の発生直後に車両13台、要員51名を出動させました。ところが、出動を要請した米軍当局は倉庫内にどのような危険物、可燃物が保管されているかを把握していなかったため、現場近くで数時間の待機を余儀なくされました。
 鎮火後、消防局要員も5名加わって、合同現場検証が行われましたが、その後の原因究明作業に加われませんでした。消火活動の主力を担った当事者がその作業に加われなかったのは、6年が経った今でも合点がいきません。
 同日、相模原市は加山市長(当時)名で米軍当局に対し、次のように要請、抗議しました。
 「市街地に位置する補給廠で、このような事態が発生したことは、多くの市民にこのうえない不安を与えるとともに、安全・安心な市民生活を脅かすものである。今回の火災については、幸いにして周辺住民に被害が及ぶことはなかったが、ひとつ間違えば大災害となるような極めて遺憾な事態である。市としては、強く抗議するとともに、早急に原因を究明・公表し、このような事態が二度と生じないよう、万全の対策を講じることを強く要請する」と。
                           ***
 事故から1年2ヶ月後の2016年11月、調査結果が相模原市に示され、最も可能性の高い事故原因を次のこととしました。「酸素ボンベの1つにガスケットの欠陥又はバルブの機能不全があり、そこから漏れ出した酸素がバルブを振動させ、何らかの拍子に発生した火花が蓄積されていた塵等の可燃物に引火し、燃え広がったものと思われる。さらに発生した火災による熱で付近の酸素ボンベが加熱され、次々に破裂したものと考えられる」と。
 その後、2018年6月に米陸軍当局は相模原市と同消防局の職員を招き、新たな酸素ボンベ保管庫を披露しました。その際、米軍側から次のような説明があったとのことです。「・保管倉庫は、酸素ボンベの保管用に整備したもので、鉄骨造平屋建33㎡。酸素は医療用に備蓄する。・酸素の保管量については大幅に見直し、従前より90%削減した。また、ボンベの小型化を図り、直径約12センチ×長さ約53センチのサイズで約800本を保管。・適正管理を行えるよう、ボンベ一本ごとに管理番号を付している。・今後、保管量等に大きな変更があった際には、市に情報提供を行う」(平成30年6月25日付け相模原市渉外課発表「結果概要」)。
                           ***
 去る7月16日、その爆発火災を起こした163-11倉庫の修繕工事が落札されました。落札業者は「三菱重工エンジニアリング株式会社」、落札額は2億8500万円とのことです。修繕工事としては高額で、大がかりの修繕であることが推察されます。
 まだ工事は着工されていない模様ですが、「ひとつ間違えば大災害となるような極めて遺憾な事態」を引き起こした倉庫が復元されるとなれば、とても無関心ではいられません。また、一端は縮減した酸素ボンベなどの保管物が増えるのではとの危惧もあります。
 つきましては、以下のことについて申し入れます。

記 

① 163―11倉庫の修繕工事落札の件について、早急に事実確認をして下さい。
② 修繕工事の後、同倉庫にどのような物資、資材が保管されるのか、事実照会して下さい。
③ 163―11倉庫を含め、この一角は可燃物(危険物)倉庫が7棟あります。どのような防火・防災対策がとられるのか、確かめて下さい。
④ 修繕工事にあたり、相模原市が立ち入って現場を見る機会を求めて下さい。



キャンプ座間ゴルフ場でまたボール飛び出し(8/20

 相模原市の発表によると、8月25日午後、防衛省南関東防衛局座間防衛事務所から、「キャンプ座間ゴルフ場において8月20日にロストボールの申告があった」との報告を受け、直ちに、市職員と座間防衛事務所職員とでゴルフ場周辺の確認を行い、ゴルフコースに隣接する住宅からゴルフボール1個が確認されたとのこと。
 キャンプ座間ゴルフ場からのゴルフボール飛び出しは、毎回のように報告していますが、一向に止まりません。しかも、今回はゴルフ場側からロストボールを申告してきたということですから、飛び出しを認めているということになります。にもかかわらず米軍は対策をしようと考えないのでしょうか。
 歓迎しない会では、ゴルフ場の営業停止、返還を求めています。


米軍からの情報提供について

金子豊貴男

 在日米陸軍司令部から課題・報告があると相模原市長あてに情報提供があります。
 この情報提供資料は相模原市議会議員と、記者クラブに提供されます。担当は基地対策課です。
 米陸軍のコロナ感染関係の報告は現状、週一回、毎週水曜日に発表されます。相模原市に提供されるのは、相模原市内の基地関係の情報です。したがって、在日米軍の発表するものとは数字が違うことがあります。陸軍でいえば、沖縄や広島、横浜ノースドックなどのデータは相模原市には伝えられません。
 最近の米軍から提供された、新型コロナウィルス感染者のデータなどを以下に報告します。

9月15日発表 8日から15日までのコロナ感染の状況

○ 9月8日から9月15日にかけて、在日米陸軍関係者15名が、新型コロナウイルス感染症の検査の結果、陽性と確認された。
○ 1名は、日本到着時に日本の当局者による検査を受けた。
○ 2名は、日本到着後、行動制限下にあったが、在日米陸軍が課している新型コロナウイルス感染症行動制限措置の一環として検査を受けた。
○ 1名は、新型コロナウイルス感染症の症状を訴えたため、直ちに医療関係者の検査を受けた。
○ 9名は、以前陽性が判明した者の濃厚接触者と確認されたため、検査を受けるまで隔離されていた。
○ 2名は、在日米陸軍が課している新型コロナウイルス感染症旅行前措置の一環として、検査を受けた。
○ 15名全員は、新型コロナウイルス感染症陽性者としての隔離措置の下に移行し、当該隔離措置は、医療関係者が許可するまで続けられる。迅速な接触者追跡及び隔離を実施したため、地域社会に対するリスクに影響はない。
○ 在日米陸軍は、兵士・職員、日本人職員、家族と地域社会の皆様を守るため、新型コロナウイルス感染症の流行を防ぐ追加的公衆衛生保護措置を採り対応している。