発行日:2021年1月1日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.87

電子版


 

2021 年頭のごあいさつ

 会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。

 昨年は歓迎しない会の活動にご理解ご協力いただきありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、世界では新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、在日米軍基地でも例外ではなく、多くの感染者が出ています。これまでも基地・施設ごとの感染者に関する情報提供や米軍基地を通じて入国する人員へのPCR検査実施など、日本側からの要請に応じる形で米軍側は対応してきましたが、沖縄では、先日も定期異動に伴う海外からの移入者による感染拡大があり、周辺住民や基地内で働く人々の不安要素となっています。今後も予断を許さない状況であり、米軍の動きを注視していく必要があります。

 コロナ禍においても、歓迎しない会では、事務局を中心に春と秋に基地ウォッチングを実施しました。春は相模原市道新戸相武台線の拡幅工事の状況を確認し、秋は、ゴルフボール飛び出しの被害宅や、ヘリコプターの爆風被害宅にてお話を伺うことができました。現在もなおゴルフボールの飛び出しが度々起こっていること、また爆風の被害は1年以上経った今も解決されていないことなどをお聞きしました。また先日、相模総合補給廠において、米陸軍ヘリが物資を吊り下げて飛行訓練を繰り返すという事態がありました。基地の上だけでなく、市民のいる公園上空を飛んでいたことが分かっています。フィールドワークを継続的に行い、声を上げ続けていくことの必要性を確認しました。

 先日行われた総会において、参加された会員の方から、ニュースの定期発行の重要性についてご意見をいただきました。昨年はコロナ禍でもニュースを隔月発行してきましたが、今後も、基地に係る情報をたゆみなく発信していきたいと考えます。課題解決に向け、共に取り組んでいきましょう。

共同代表 長瀬未紗、金子豊貴男


[報告]
2020.12.5

歓迎しない会 第17回総会 & 上映会

 

 「歓迎しない会」第17回総会を12月5日に開催しました。内容は、ほぼ例年並みに、総会議事とDVD上映会とし、最後にDVDを見ての感想を述べあう「懇親会」を短時間行いました。会場は、座間市の市民交流プラザとして2019年12月にオープンした「プラっとざま」の多目的ラウンジで、歓迎しない会の利用は初めてでした。

 最初に総会議事として、20年度の経過報告、活動報告、会計報告、そして21年度の活動方針を事務局より提起し、承認を頂きました。改めてこの1年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染が拡大し、その影響が会の活動にも制約となりました。とくに、フィールドワーク(キャンプ座間)の「ウォッチング」への変更や、ピースフェスティバルなどのイベントの中止で、例年のような対外的な活動が十分にできませんでした。一方で、米軍ヘリによる騒音、強風被害、事故の危険性、また、10年ぶりに確認されたキャンプ座間からのゴルフボールの飛び出しなど、基地による事件・事故は続いており、一向に解決のめどが立っていません。これらについては、日常的な監視体制を継続するとともに、ニュース発行、マスコミへの発表、市長への要請などの活動を行いました。21年度も、これらの活動に引き続き取り組むことを提起しました。

 また、米軍の戦略に基づく基地機能の変更・強化、及び日米軍事一体化をさらに強固にしようとする日米両政府の動きなども注視しながら、これからも基地の動向の監視を継続します。

後半はDVD上映会

 上映したDVDは、「チーム緑ヶ丘1207 活動報告2020」。2017年12月7日に沖縄・宜野湾市の緑ヶ丘保育園に米軍機の部品が落下する事故があり、保育園の園長と保護者が声を上げるために「チーム緑ヶ丘1207」を立ち上げました。米軍が部品落下事故そのものを認めない中、事故の真相、原因、対策を求めて日本政府・行政に対する抗議・要請などの活動を続けていますが、政府や警察は及び腰の対応で、事故から3年が経過しましたが、うやむやのままです。

 今総会の開催日が、緑ヶ丘保育園への部品落下事故からほぼ3年経過した日であり、米軍機の騒音、事故被害といった同じ問題を抱える私たちの活動とも重なる活動の記録でもあることから、上映会として見ることにしました。
 内容は、緑ヶ丘保育園上空を飛行する米軍機の映像、事故から1年後と2年後に行われた政府交渉の映像、チームの皆さんのアピールなどですが、とくに政府交渉での防衛省、警察などのやる気のなさ、でたらめさがよく伝わってきました。

 DVDを見た後で、一人一人に感想を話していただきましたが、やはり米軍基地を抱える私たちとしては他人ごとではなく、共感をもって見ることになり、チーム緑ヶ丘1207を応援すると同時に、私たちの活動の重要さを改めて認識することになったのではと思います。(MN)





新事務局体制について
総会では、事務局体制の変更について、次のように提起し、了解をいただきました。
 共同代表   金子豊貴男、長瀬未紗(新任)
 事務局長   松本憲明
 事務局次長  安海のぞみ、山村充夫、松本貴裕(新任)
 会計      岩本香苗
 会計監査   加藤陽子
 
 

キャンプ座間の強化・恒久化反対、基地返還に向け
相模原市議会で質問

ゴルフボール飛び出しと米軍ヘリによる住宅事故への対応

 12月議会でキャンプ座間の返還を求める運動と市内米軍基地でのヘリコプターによる訓練、基地の強化、恒久化に反対する立場から一般質問を行いました。以下、本村市長とのやり取りなど、この1年のキャンプ座間の問題を報告します。(議会のやり取りなので、重複もありますがご理解ください。)

<金子質問>
(1)キャンプ座間米軍ゴルフ場の返還運動について

 キャンプ座間には基地西側、本市域内に広大な面積を占めるゴルフ場があります。市の返還要望が長らく継続的に出ている米軍の福利厚生施設です。
 最近また、ゴルフボールが飛び出して、注目を集めています。飛び込んだ(被害にあった)お宅を訪問して、話を伺いましたが、目の前の「ゴルフ場でプレーしている人はほとんど、8割は日本人ですよ。」と言われました。毎日、目の前でプレーするゴルファーを見ている方の話ですから、とても重たいものがあります。

(ア)米軍座間ゴルフ場の実態について
 質問ですが、キャンプ座間ゴルフ場について、現状を伺います。そして、どう運営されているのか、伺います。

(イ)違法にプレーする日本人プレーヤーの実態と市の対応について
 そして、日本人による米軍ゴルフ場の利用の問題点です。
 キャンプ座間ゴルフ場は米軍人、軍属のレクレーション施設であるにも関わらず、多くの日本人が利用している実態があります。
 ゴルフ場利用税を払っていないという脱法行為が公然と行われています。
 さらには日本人向けの有料会員制度「名誉会員制度」なるものが作られ、会員権が売られ、ホストの米軍人もなしに会員権を持っている日本人がホスト役になり、ゲストを3人までプレーするということが、HP情報として出ています。米軍人・軍属のための福利厚生施設を、ゴルフ場利用税を払わない日本人が利用していることについて、その実態と利用条件について、市の把握している情報、認識を伺います。

(ウ)最近連続して起きたゴルフボール飛び出し事故について
 次に、9月13日、午前11時30分ごろ、ゴルフ場から飛んできたゴルフボールがフェンスに隣接する民家の屋根に落ちてくるという事故がありました。
 この点は9月議会でのわが会派(市民民主クラブ)の仁科議員の質問で議論されています。11月末にも同じお宅にボールが飛び込んでいます。
 キャンプ座間のゴルフボールの飛びだし・飛び込みは2000年代に入るとひどくなり、2007年には1年間に140件近くもありました。私たちは市民団体として、抗議集会を開き、署名を集めるなど様々な運動を展開しました。当時の加山市長も動き、米軍が、ゴルフコースのレイアウトを変更、さらに防衛省が防球ネットの「かさ上げ」工事を行いました。この対策により、ボールの「飛びだし事故」が解決できたかに見えました。市の基地白書でも今回の白書ではボールの飛び出しは記述がなくなりました。問題が解決したように見えていました。
 ところが今回、9月13日と11月末の飛び出し事故です。市として把握している、ゴルフボールの飛び出し事故の経過、市の対応を伺います。

(2)キャンプ座間の米軍ヘリコプターに事故について

(ア) 昨年10月28日午後、滑走路への着陸時に低く進入しすぎ、キャンプ座間のヘリコプター、UH60Lブラックホークによる爆風で住宅内の家具・人形ケースが吹き飛び落下、割れたガラスが畳の上に散乱するという被害・事故が起きました。あれから一年がたちました。一年が経過しても、解決したとの話は出ていません。事件後の米軍の責任や謝罪、国による被害補償の状況について、伺います。


<本村市長回答 (要約)>

 キャンプ座間ゴルフ場は、在日米陸軍 基地管理本部の福利厚生部門が管理運営する、18ホールを備えた、広さ約52ヘクタールに及ぶ米軍人、軍属のためのレクリエーション施設である。一定の条件のもとで、日本人など基地関係者以外の利用も認められると伺っている。
 日本人の利用は、利用人数など、具体的な実態に関する情報は得られていない状況だが、ゴルフ会員と認められると、7名までの同伴者と利用することができるものと承知している。
 過去には、飛び出したボールにより、人身や物損事故も発生したことから、国・米軍に強く対策を要請した結果、平成24年までにコースの変更や防球ネットのかさ上げ等が行われた。
 しかし、その後においても、現在までに、ゴルフ場の近隣でボールが見つかる事案が9件あり、特に本年9月の件は、その状況から飛び出しが起きたものと認識している。
 このため、先月、市米軍基地返還促進等市民協議会とともに、国・米軍に対し、基地問題に関わる要請を行った際、飛び出し防止に向けた対策の徹底を改めて求めた。
 昨年10月のヘリコプターの低空飛行が原因とみられる住宅被害は、被害者と国との話し合いが進まないまま、発生から1年以上が経過していることから、先月の基地問題に関わる要請の際に、国・米軍に対し、早期解決に向けた取組を求めた。現在、南関東防衛局において調査を進めていると承知している。

 以下2問目の質疑などは紙面の都合で割愛しますが、市に「座間のゴルフ場の返還」に向けて、しっかり取り組むよう要望しました。
(金子豊貴男)