発行日:2020年11月18日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.86

電子版


 

キャンプ座間からゴルフボール飛び出し
隣接の民家を直撃 相模原市は米軍に抗議

 相模原市は、9月24日の記者発表でキャンプ座間のゴルフ場からボールが飛び出し、隣家1階の雨どいに落ちてきたことを公表しました。もう10年も前のことになりますが、2009年、2010年にボール飛び出しが相次いだ時期には歓迎しない会でも2回の抗議集会を開き、危険なボール飛び出し再発防止の徹底を訴え、近隣住民とともに声をあげました。
 その後、防球ネットのかさ上げやゴルフコースの変更でボールの飛び出しは収まり、解決したものと思われていました。今年4月に市が発行した「相模原市と米軍基地」にはゴルフボール飛び出しに関する記述もなくなってしまっています。
 ところが、市の発表の直後にボールが飛び込んだ家の方に会ってお話を伺ったところ、今回以外にも、この10年の間に7回の飛び出しがあり、市に報告されていたことが判りました。
 その方は、基地反対を主張する方ではありませんが、もしボールが孫に当たることがあってはならないと、市に報告し市民としての不安を伝えていたそうです。ゴルフ場からは早朝から草刈り機の音が聞こえることもある、また、目の前にそびえる高い防球ネットが昨年の台風19号の際にはかなり揺れたそうで、もし倒れでもしたら、などボール飛び出し以外にも様々な不安があることを話してくださいました。
 10年前、ボールに当たってけがをしたのは子どもでした。子どもの安全を守り安心して暮らせる環境にするためにも、改めて再発防止の徹底を強く求めます。

 


ゴルフボールが飛び込んだ家の庭からは
基地内の防球ネットとゴルフ場がすぐそこに


 

2011年に変更されたゴルフコース


ゴルフボール飛び出し 10年前も大問題に
当時の「歓迎しない会ニュース」より

No.21(2009年5月10日)より


当時の緊急抗議集会の様子を伝える

No.21の全誌面(pdf)はこちら
 
 
No.26(2010年8月24日)より


当時の抗議集会開催を報じる

No,26の全誌面(pdf)はこちら


 

キャンプ座間のヘリ爆風事故 あれから1年
再び訓練激化 怒る住民

 

 昨年10月28日午後、 キャンプ座間のヘリポート、キャスナー飛行場に着陸した、ブラックホークヘリが着陸時、低く侵入して、基地手前の電商相模の住宅に爆風が吹きおろし、テーブルの上の茶器がテーブルクロスとともに吹き飛ばされ、飾り戸棚に置いていた人形ケースも吹き飛びガラスケースが割れ、飛び散るという事故が起きた。市や南関東防衛局も現地の被害状況を確認、警察へも届け出たが、相模原南警察は被害届を受け付けないという対応、結局南関東防衛局が損害賠償を受け付けるという経過をたどった。
 半年ほどはヘリの離着陸コースが変更されたり、訓練回数も減って、騒音被害も減少したかに見えた。しかし、最近は再び訓練・離発着が増え始め、8月、9月には相模原市の騒音記録計で1日の飛行回数が100件、さらには198件というすさまじい記録が残された。過去にない激しい訓練が行われるようになった。また、米軍からの謝罪もなく、国の損害賠償も音沙汰なし。被害を受けた電商相模の建物の屋上には24時間対応のビデオカメラを設置して、飛行実態を把握しているが、この映像でもヘリの低空からの侵入がたびたび記録されている。




離陸した米陸軍ヘリ、被害にあった住宅から撮影(2020年10月)

 



民家の屋根すれすれに飛ぶ米海軍へり(着陸時)

 

[報告]
2020.10.10

キャンプ座間ウォッチング
ゴルフボール飛び出しの現場確認など

 毎年春と秋に行っているキャンプ座間フィールドワーク。今回は10月10日に予定したのですが、台風の接近もあって悪天候のため、歩いて回るのは取りやめ。ただし、基地からのゴルフボール飛び出しが確認された後でもあり、どうしても見ておきたいところだけを、事務局メンバー他が車に分乗して回りました。そのため、今春と同様、「基地ウォッチング」としておきます。
 まず向かったのは、9月24日に相模原市が発表したゴルフボールの飛び出し現場。実際に飛び出しが確認されたのは13日とのことで、発生直後ではなかったのですが、現場がどのような場所か、キャンプ座間のゴルフコースがどのような状況か、などを改めて確認しておきたかったのです。
 まず、2006~09年当時に何度も飛び出しが確認された「相武台ふれあい広場」に到着。そこから、今回のボール直撃を受けた民家を経て、さらに北側へ向かって歩き、キャンプ座間のゴルフコース、防球ネットを観察しました。また、被害を受けた家の方も在宅で、直接お話を伺うこともできました。
 今回のゴルフボール飛び出しのニュースを耳にしたときに、この防球ネットを飛び越してくるボールがあるのかと疑問に思っていたのですが、住民の方の話を聞いたり、現場を観察したりした結果、ネットに隙間や穴があり、そこから抜けてくるらしいことがわかりました。確かにネットをよく見ると、継ぎが当たっていたり、穴が開いていたりしていますし、新旧のネットが重なっているところは、角度によっては隙間が空いたようになっています。
 また、住民の方は、防球ネットの重圧感、台風などの強風で倒れてくるのではないかとの危険性なども感じているとのことでした。やはり、防球ネット設置が本当の解決ではないことがわかりました。となると、基地撤去となるのですが、すぐには難しければ、ゴルフ場撤去しかないと思います。

 


相武台ふれあい広場からキャンプ座間ゴルフコースを望む

 


防球ネットをよく見ると隙間が空いている個所も

 次に向かったのは、昨年10月末に、米軍ヘリの危険な着陸飛行によるダウンバーストで家屋内の調度品が損壊するなどの被害を受けた、ヘリポート近くの民家。こちらでも、被害を受けた方から直接お話を聞くことができました。南関東防衛局に「損害賠償請求書」を提出し、米軍にも伝わっているはずにもかかわらず、事故から1年が経過しても進展が見られないと、怒りを交えての説明でした。
 事故後、監視カメラを設置してヘリの飛行を記録するようにし、歓迎しない会もその映像を提供いただき飛行状況を確認しています。事故直後は、やや高度が高めなったのでは、コースを変えたのではないかとの分析もしていたのですが、時間が経つとともに以前と同じ飛び方というケースが増えているようにも思えます。
 今回の基地ウォッチングは、主に2か所となりましたが、どちらも当事者のお話を聞くことができ、内容的には充実したものになったと思います。次回は、いつものフィールドワークが実現できることを期待したいです。その際はまたご案内しますので、ぜひご参加ください。