発行日:2020年 5月 8日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.83
電子版
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新型コロナウイルス
キャンプ座間でも集団感染
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キャンプ座間の米陸軍でも、米軍人家族1人と日本人従業員5人が新型コロナウイルスに感染していたことが、4月21日に明らかになりました。本村相模原市長が、米陸軍キャンプ座間基地管理本部のトーマス・マテルスキー司令官と電話会談を行った際に伝えられたとのことです。
日本人従業員は5人とも基地内の消防隊の所属とのことですが、感染経路やその後の経過については、報道がありません。
在日米軍基地での新型コロナウイルス感染は、横須賀基地、嘉手納基地、佐世保基地などでも確認されています。在日米軍司令部(横田基地)は、4月15日に、日本全土の米軍基地に対して公衆衛生上の非常事態宣言を発出しています。
一方で、米国防総省は、新型コロナウイルスの米軍内における基地別や部隊別の感染者数、詳細を非公開とすることを3月30日に発表しています。これに関しては、グアムに寄港中の原子力空母セオドア・ルーズベルトの艦内で感染が拡大し、艦長が乗組員の下船と隔離を海軍の上層部に訴えた文書がメディアで報じられ、その艦長は「情報漏洩」として解任されています。
したがって、在日米軍基地での新型コロナウイルス感染情報は、これまで以上に私たちには伝わってこないのではないかと危惧されます。
毎年5月には、横須賀基地で定期メンテナンスを終えた原子力空母ロナルド・レーガンが出港しますが、今年もその時期となっています。米メディアは、レーガンの乗員16人が感染していると報じており、もしそうだとしたら、とても出港どころではないはずです。5月5日には、試験航海として出港していますが、今のところ艦載機についての動きは確認されていません。艦載機は空母出港に合わせて、離着陸訓練(FCLP)を行い、実際に空母に着艦するテストを受ける必要があり、艦載機なしで空母が航海に出ることはないからです。
おそらく、米軍の機能を維持するため、今後も感染情報を隠蔽しながら、各部隊、艦船の運用を続けるのだと考えられ、在日米軍基地の動向にも注意が必要です。
我が国の防衛省も、感染対策としての災害出動は行うものの、「本来の業務」としての中東派遣や、イージス・アショア導入、辺野古への新基地建設を何が何でも進めようとしています。政府が新型コロナ対策を本気で行うなら、防衛省の予算を削って回せばよいのに、その気はまったくなしです。
米軍も自衛隊も、国民が新型コロナウイルスで苦しんでいても、軍事上の政策や作戦が優先との対応はあり得ないのではないでしょうか。
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[報告]
2020.5.6
キャンプ座間ウォッチング
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歓迎しない会では、毎年、春と秋にフィールドワークとして、キャンプ座間の周囲を歩いて回る企画を行っていますが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での実施は難しいと判断し、今年の春のフィールドワークは中止としました。
しかし、監視行動は必要と考え、事務局メンバーによるキャンプ座間ウォッチングを5月6日に行い、基地及び周辺に変化がないかを車で見て回りました。以下、回った順に紹介します。
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座間消防署脇の工事車両出入り口の看板
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第2ゲートの様子
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① 大坂台公園
いつも、最初に基地を見る場所ですが、今回は工事中で立ち入ることができませんでした。工事現場入口の看板には「(仮称)キャンプ座間返還地公園整備工事」と書かれ、「6月2日まで」となっていました。
② ゲート前
正面(第1)ゲート前では、車を一時停止させて、様子を見ただけですが、特に変化は感じられませんでした。違いと言えば、正面ゲート向かいの第2ゲートが開門されていました。朝の混雑時以外は閉ざされていると思っていましたが、昨年春のフィールドワークのときも開門されていましたので、この時期の特例なのでしょうか。
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基地内の旗。中央の星条旗の下に見かけない旗が
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暫定利用を控え,新たに車両用の表示器が設置されていた
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③座間公園
座間公園からは在日米陸軍司令部などの建物を見ることができます。それとともに、掲げられている3本の旗が確認できますが、今回、中央の星条旗の下に見かけない旗が掲げられていることに気が付きました。写真を撮って拡大してみると、どうやら中央に人の顔らしき図柄がありますが、それ以上のことは分からず。公園に居合わせた人に聞いてみても、しばらく前から掲げられているということぐらいしかわかりません。後で調べようということに。
④ 相模原市道新戸相武台線の拡幅工事
車で移動のため、今回は道路を歩きませんでしたが、新戸側の入り口を見ました。
2010年から工事が行われ、トンネルの拡幅は終わっているのですが、相武台側の掘割部分の拡幅が進まず、未使用のままでした。市民の要求で今年度から暫定使用することになったのですが、この時点ではまだ開通していませんでした。しかし、基地エリアへの入り口には、新たに表示器らしきものが設置されており、準備は行われていることが確認できました。
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米陸軍第1軍団(前方)指令部と陸上総隊司令部日米共同部が
共同使用する自衛隊庁舎
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スクールバスと書かれた大型バスがずらり駐車
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⑤ 新戸公園
新戸公園からは、自衛隊の庁舎、官舎が見えますが、大きな建物は、陸自の旧中央即応集団(CRF)司令部庁舎として作られたもので、現在は米陸軍第1軍団(前方)司令部と陸自の陸上総隊司令部日米共同部が共同使用しています。
この庁舎からさらに北側は、米軍用のモータープールとなっており、スクールバス、リムジンバスとして使われているバスが数多く駐車。この日も、白色のスクールバスがズラリと並んでいた。こんなに多数のバスが必要なのか、いつ見ても疑問に思うのだが。
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基地内居住者の飼犬用のドッグラン
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2014年に起きた崖崩れの現場
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⑥ ドッグ・ラン
キャンプ座間には立派なゴルフ場があることでも有名ですが、こんな施設も作られています。キャンプ内に居住する米軍人の飼犬用のドッグ・ランです。基地には軍用犬もいるのですが、この施設は普通の飼犬用のもの。いつものフィールドワークでは回りきれない場所ですが、今回は車での移動なので立ち寄ることができました。
⑦ がけ崩れ現場
最後に、2014年に起きた崖崩れ現場を見ました。応急措置のシートを被せたまま、いまだに本格工事を行っていません。現場は草木が生い茂り、フレコンバッグだけが目に。工事はいつなのか?
(事務局M)
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キャンプ座間ウォッチングに参加して
コロナ緊急事態宣言は5月末までの延長となり、中止の周知もままならず事務局有志による決行、三密を避け車三台での移動となりました。最初の目的地大阪台公園は返還地の全容が見渡せる事からはずすことの出来ないスポットなのですが、いきなりの立入り禁止!現在こちらは「キャンプ座間返還地公園」としての整備工事中で完成後はフットサル場になるとか。通常の歩きコース同様正面ゲート前から基地内の様子伺い、基地在住・在勤者にコロナ感染者が多数発生したにも関わらず警戒レベルの変更の兆し無く、逆に第2ゲートが解放状態という珍しい光景に遭遇する事ができました。次もお馴染みキャンプ座間に隣接する座間公園からのウォッチングで、ここでも誠に興味深い物体・旗を目撃する事となったのですがその詳細は別レポートにお委ねします。
突然の雨振りに見舞われましたが、座間公園内ではブランコで遊ぶ数組の親子連れさんや散歩を楽しむご近所さんから、その見慣れぬ物体に関する目撃情報をお聞きする事ができ、それは数ヶ月前から毎日見られるとのこと、益々もって興味津々ですがこの時点ではまだその物体の正体は解明出来ませんでした。
車移動のお陰で更にキャスナーヘリポート近隣でヘリの爆音、爆風被害に遭われておられる方のお宅まで足を伸ばし、しばしお話しをお聞きしながらヘリを待つも本日は一機も現れずじまいでした。しかしこの地帯でのヘリ被害はそればかりでは無く基地からの土砂流出、傾斜地崩れを過去3回も繰り返されながら改善されず、3回目の土砂崩れ現場は応急処理の痕跡に既に草木が生い茂るのを目のあたりにし、長年の置き去り感を深く認識しなければならないと思わされます。
今回は6名というコロナ対応時に相応しいフィールドではありましたが、お若い初参加者も迎え「基地の存在に注意を寄せることの大切さを痛感した」との感想もいただき、この行事が決して不要不急にあらずと参加者一同感じる事が出来ました。 (安海のぞみ)
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キャンプ座間に掲げられていた
“なぞの”旗の正体は!
ネットで調べてみたところ、下の図の旗でPOW/MIA flagというそうです。POWはprisoner of war(捕虜)、MIAはmissing
in action(戦闘中の行方不明者)を指す略語です。
2019年11月にNational POW/MIA Flag Actという法律が制定され、米政府の施設では毎日掲揚されるようになったようです。
旗の由来は、Wikipediaでは次のように書かれています。
捕虜・MIA旗は、“東南アジアにおけるアメリカ人捕虜・行方不明者の家族の全米連盟”のために作成され、そして、ベトナム戦争の捕虜・MIA問題に関連して、“東南アジアで捕虜・行方不明・不明(unaccounted)となっているアメリカ人の運命を可能な限り完全に解決し、家族と国家にとっての不確実性を終わらせるため、国家の関心及びコミットメントのシンボルとして"米国議会によって正式に認められた。
https://en.wikipedia.org/wiki/National_League_of_Families_POW/MIA_Flag より機械翻訳を利用して訳出

星条旗の下に掲げられていた旗のイメージ
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