発行日:2018年11月9日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.74
電子版
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相模総合補給廠に米軍ミサイル司令部が再編成駐留
第35基地管理大隊はキャンプ座間に移駐と正式発表
歓迎しない会共同代表・相模原市議会議員 金子ときお
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9月28日午後、防衛省南関東防衛局は相模原市と神奈川県に対し、10月16日から相模総合補給廠に「第38防空砲兵旅団司令部」が駐留する、と一方的に通告してきた。
さらに10月1日キャンプ座間の在日米陸軍基地管理本部司令官 フィリップ・K・ゲージ大佐が相模原市長を訪ね、38防空砲兵旅団司令部の移駐を米軍として正式に伝えに来た際、補給廠にあった、第35戦闘維持支援大隊は昨年10月からキャンプ座間に移駐したと伝えた。
今回の新たな旅団司令部の配置は相模原市や市民にとっては「寝耳に水」の暴挙。10月1日に「相模補給廠監視団」が「1.第38防空砲兵旅団司令部の駐留は基地の恒久化を一層進めるものであるから、駐留の中止、計画の撤回を求めて下さい。2.仮に表敬訪問などの打診があれば、計画の撤回を求める立場から、訪問を断って下さい。」との要望書を相模原市長宛てに提出した。
相模原市は10月4日、副市長が防衛省を訪ね、相模原市として「相模総合補給廠の機能強化をしないよう配慮することや、任務や運用など詳細について情報提供を要請した。
9月28日の相模原市へ防衛省からの報告は、何ら詳しい説明もなく、ただただ、「既存のミサイル防衛能力をより一層高める」もの、「既に配備されている下位の防空部隊を指揮する旅団司令部」としている。
すでに配備されている下位の防空部隊とは、青森県・車力と京都府・京ヶ岬に所在するXバンドレーダー基地を指しているのは明らかで、両基地とも北朝鮮のミサイルを迎撃する目的で運用されているもの。
10月16日が旅団司令部の移駐開始と通告されたため、同日は朝から、歓迎しない会も含め、監視団、爆同、県央共闘、神奈川平和運動センターの5団体で80名が集まり抗議集会と米軍宛ての申入れを行った。米軍宛ての申し入れ書では「1.第38防空砲兵旅団司令部の駐留は、朝鮮半島の非核化、戦争終結の動きに逆行するものであるから、米国政府および上級機関に計画の撤回を進言して下さい。2.第38防空砲兵旅団司令部の駐留は、貴職らが相模総合補給廠をさらに長期にわたって占有することになるから、駐留を中止して下さい。」と申入れた。(→米軍宛申入書)
そして、10月31日午前、キャンプ座間内で「第38防空砲兵旅団司令部」の再編成式典なるものが関係者を招待し、メディアにも公開して行われた。メディアの案内には質問を受けるということだったので、各社がたくさんの質問を出した再編成式展で相模原市長などは参加せず、渉外課長のみが参加した。
この時の記者会見で明らかになったのが、今回の旅団司令部は実質、今までハワイで指揮していた防空砲兵の任務を補給廠に持ってくること、2か所のXバンドレーダー基地・部隊だけでなく、グアムのサードミサイルの部隊も指揮するということ、補給廠が、他国との戦争開始の戦端を開くことが明らかになったこと、補給廠やキャンプ座間という基地が、いきなり最前線に躍り出て来た点、さらに、二つの基地の返還が遠のき、基地の恒久化が進むことです。今後、粘り強い運動が求められています。
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[資料]
グアムのミサイル防衛指揮も=青森、京都、沖縄の部隊運用-米軍相模原新司令部発足
在日米陸軍の弾道ミサイル防衛部隊を指揮する第38防空砲兵旅団司令部が、陸軍施設「相模総合補給廠」(相模原市)に発足した。編成式典が31日、キャンプ座間(神奈川県)で行われ、・・・・
司令部は、米陸軍の車力通信所(青森県つがる市)と経ケ岬通信所(京都府京丹後市)に配備されている弾道ミサイルを探知するXバンドレーダー部隊と、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の地対空誘導弾パトリオット「PAC3」部隊を指揮。グアムに展開している最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の部隊を指揮下に置く計画もある。・・・
新司令部の人員は115人で、半年から1年かけて段階的に配置する。在日米陸軍は「現時点で、日本に追加の装備は導入しない」としており、キャンプ座間に新たな部隊を収容する余裕がないため、相模総合補給廠に駐留することになったと説明・・・・
[時事通信2018年10月31日より]
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補給廠監視団、歓迎しない会など 相模総合補給廠前で抗議・申入れ
米陸軍第38防空砲兵旅団司令部が相模補給廠に新編され、10月16日から活動を開始するとの通告に対し、県央地区の反基地運動や市民運動グループは、当日朝、抗議と申し入れ行動を補給廠ゲート前で行いました。突然の司令部駐留に対し、とにかく反対の意志表示、抗議の声を挙げなければということで、多くの市民が駆けつけました。
新司令部の機能・実態については、まだ不明な点も多いのですが、相模総合補給廠に新たな基地機能が加わったことは明白であり、市民が求めている基地返還にも逆行するものであり、私たちは反対します。自衛隊のミサイル防衛も強化されている中での、米軍のミサイル防衛司令部の日本駐留には、現在の朝鮮半島の和平の動きに逆行するものでもあります。
補給廠ゲート前では、申入れ文書(前ページに掲載)を読み上げ、基地の受付担当者に手渡しました。
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相模総合補給廠のゲート前で抗議集会
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相模総合補給廠のゲートにて申入れ
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[報告]
キャンプ座間フィールドワーク
2018年秋
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今年2回目となるキャンプ座間フィールドワークを10月6日(土)に行いました。いつも通り9時30分に小田急線相武台前駅改札に集合。そこからスタートし、➜大坂台公園➜正面ゲート前➜座間公園➜市道新戸・相武台トンネル入口➜新磯公園➜崖崩れ現場➜相武台前駅に戻るコース。参加はメンバーの愛犬さくらちゃんが加わり6人+1匹でした。8月相模原赴任の東京新聞の記者が初の参加でした。
今回は参加者の車2台でキャンプ座間を巡りました。座間公園からは、日の丸、国連旗、星条旗が並んで翻る光景がお馴染みですが、この日はなぜか旗はなし。ポール近くで大がかりな剪定作業をしている様子、そのせいか?真相は不明です。
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さくらちゃんも参加
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なぜか旗が見当たらない
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基地内の運動場などを見ながらフェンス沿いに北に移動すると、陸上自衛隊の駐屯地域が見えてきました。
今年4月からの陸上総隊編成により中央即応集団司令部が廃止され、陸上総隊司令部日米共同部が座間に配備されましたが、司令部の駐留要員が減った分、第4施設群第364施設中隊を移駐して「駐屯地」を維持した経緯があります。
2013年の陸自中央即応集団司令部の移駐に合わせて建設された自衛隊庁舎には、中央即応集団のエンブレムが取り付けられていたのですが、今は取り外されていることを確認。今はどのように使われているのか?
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中央即応集団解散、この庁舎はどうなっている?
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相模原市道新戸・相武台トンネルの拡幅工事はまだ続いていました。少なくとも今年度いっぱいは通行止めで車は通れないようです。周辺住民の不便が続きます。以前、工事にあたり米軍に支払う負担金が7年で6700万円との話がありましたが、工事期間が長びけばさらに増えるのでしょうか?
2014年10月の台風による崖崩れ現場は、いまだそのまま放置されていました。以前のフィールドワーク時に灰色のシートがかけられていた斜面は草木が茂ってシートは全く見えません。多数の黒いフレコンバッグが並んでいることで、その現場とわかります。
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トンネルは完成したのだが・・・・
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崖崩れ現場が消失?!
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基地の北端を回り、あとは車で以前ボール飛び出しのあったゴルフ場、防球ネット等を臨み、今回のフィールドワークを終了しました。
歓迎しない会では、キャンプ座間の実態を把握するためのフィールドワークは、重要な活動と考えています。そのため、毎年春と秋の2回、
このキャンプ座間フィールドワークを実施しています。メンバーが解説しながら歩きますので、初めてだけどキャンプ座間のことを知りたいという方にもおすすめです。(岩本)
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[報告]
ピースフェスティバル 2018
in 大和・綾瀬
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ピース・フェスティバル2018 in 大和・綾瀬が、10月14日(日)に大和駅東側プロムナードで開催されました。昨年は雨で中止となったので、今年こそはと期待していたのですが、なんと早朝から雨。しかし予定通り準備を始めて、フェスティバル開始時点には雨もすっかり止み、ステージの演奏、模擬店とも支障なく進行できました。
歓迎しない会も模擬店を出店。恒例の種子島産安納芋の販売をメインに、今回はコーヒーメーカーを持ち込んでのホットコーヒーの販売にも挑戦しました。一昨年までは焼き芋を作って売ることも試みていたのですが、なかなかうまくいかず、今回は断念。それでも、用意した安納芋は完売、コーヒーも好評でした。
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開会直後の会場
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歓迎しない会も模擬店を
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また、模擬店の出展だけでは、ピースフェスティバル参加の意味が不十分と思い、キャンプ座間フィールドワークなどで撮影した写真のパネル展示も行いました。A3サイズの紙に拡大してプリントした写真を十数枚用意し、実行委員会が準備したパネルに貼って、フェスティバル参加者や通行する人に見てもらいまいた。こちらも写真を大きくしたことで目立ったのか、多くの人に立ち止まって見ていただくことができました。
また、恒例ともなっている厚木基地の大型ジオラマを中心に、キャンプ座間・相模補給廠のジオラマ、オスプレイの模型などの展示、沖縄・辺野古の基地問題を伝える新聞(沖縄地元紙)の貼りだしなどもあり、会場全体はピースフェスティバルならではの雰囲気に包まれていました。
ステージの演奏も、例年出演のアーティストに加え、今年は李政美(イジョンミ)さんが久しぶりに出演、その歌声や歌詞とともに、すばらしいフェスティバルになったと思います。(M)
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写真をパネル展示
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ステージでは李政美さんも
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