発行日:2017年9月5日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.67

電子版


 
 [報告]

"This is a オスプレイ"上映会を開催(8/1)

相次ぐオスプレイの事故を警告するドキュメンタリー


 「歓迎しない会」では,キャンプ座間での米軍ヘリ飛行訓練に反対し,騒音や危険性について実態の暴露や抗議を行ってきています。同時に,米海兵隊の垂直離着陸機であるオスプレイについても,普天間基地に配備されようとした時から,その危険性を訴え,配備が強行されたのちも撤回を主張してきました。

 最近,リリースされたDVDドキュメンタリー「This is a オスプレイ」(藤本幸久・影山あさ子共同監督)は,オスプレイの危険性についての見解と,沖縄現地での被害状況などの映像を,1時間にまとめたものです。このDVDは上映権付で販売されているので,歓迎しない会で購入し,会員を含めより多くの人に見てもらうことを企画しました。ミニ上映会として,それほど人数が集まらなくても開催しようということで,第1回目を8月1日に,“おださがプラザ”(小田急相模原駅直結)で行いました。

 このドキュメンタリーの内容を詳しく紹介することは控えますが,頼和太郎さん(リムピース編集長),半田滋さん(東京新聞編集兼論説委員)など,歓迎しない会でもおなじみの人たちの解説,高江の住民の安次嶺さんの証言など,盛りだくさんです。オスプレイの事故が相次ぐ中,その危険性や飛行時の様子を映像で観ると,あらためて,そのひどさがよくわかります。

 当日は,上映開始時刻頃があいにくの大雨となってしまい,会場まで足を運ぶことに躊躇された方がいたのではと,やや気になっています。もし,見逃したので再度との要望がありましたら,歓迎しない会事務局までリクエストしてください。

 さて,そのオスプレイですが,12月に沖縄で墜落・大破したことは,まだ記憶に新しいのですが,この1か月ほどの間にも続けて大きな事故が発生しました。8月5日には,オーストラリア北東部の沖合で,普天間基地所属のオスプレイが着艦訓練中に墜落し,米海兵隊員3人が死亡する事故がありました。8月29日にも,1機が大分空港に緊急着陸,エンジンを交換しなければならないほどの故障でした。

 さらに悪質なのは,8月5日に事故があり,原因究明もされていないにもかかわらず,10日から北海道で行われていた日米共同軍事演習に,オスプレイを参加させたことです。事故直後は,小野寺防衛大臣も米軍に「自粛を要請する」といっていたのですが,米軍が「安全を確認した」と発表すると,そのまま,オスプレイの飛行を容認してしまいました。事故原因が分かっていないのに,「安全を確認」とは,まったくのデタラメとしか思えません。

 DVDの中でも「オスプレイは飛べば飛ぶほど事故率が上昇している」との指摘がありますが,その通りのことになっています。米軍は直ちに配備を撤回すべきですし,自衛隊も購入・配備を止めるべきです。


最近のオスプレイの重大事故
2015年5月 米ハワイ州オアフ島で着陸に失敗。2人死亡
2015年12月 米サンディエゴ沖で輸送揚陸艦への着艦に失敗
2016年12月 沖縄・名護市東海岸に墜落・大破。2人負傷
2017年8月 オーストラリア北東部沖で,着艦訓練中に墜落。3人死亡
2017年8月 大分空港へ緊急着陸。エンジン故障
 *同一機体が6月にも伊江島へ緊急着陸するなど,
  トラブルを抱えたまま運用していた。



 [報告]

第五次厚木基地爆音訴訟勝利!
米軍機の飛行差し止めを勝ち取る
9・2神奈川集会


 9月2日、大和公園で県央共闘など四団体主催による「第五次厚木基地爆音訴訟勝利、米軍機の飛行差し止めを勝ち取る9.2神奈川集会」が開かれ約300名が参加した。

 厚木基地の第四次爆音訴訟は昨年12月に最高裁の判決が下され、被害賠償は勝ち取ったものの、米軍機の飛行差し止めは却下、自衛隊機の夜間飛行の差し止めも東京高裁で認められたものが最高裁では敗訴となった。原告たちはそれに納得することなく、あくまで厚木基地航空機の飛行差し止めを求めて第五次訴訟を立ち上げ、8月4日に横浜地裁に提訴した。

 米空母艦載機部隊の岩国基地への移駐も8月9日から始まっているが、移駐したはずの艦載機E-2Dが8月17日には厚木基地へ戻り訓練飛行を行っている。これは厚木と岩国、二つの基地が米軍艦載機により使用されていることに他ならない。

 この集会は裁判勝利を掲げた反基地集会である。主催者あいさつとして、第五次厚木基地爆音訴訟団大波団長が8月4日に横浜地裁に提訴を行ったこと、厚木爆同石郷岡委員長から、爆音被害が米軍の勝手で行われていることは絶対に許せないこと、また、平和運動センター福田代表から、憲法9条に自衛隊を明記するという安倍政権の目論見の危険性について述べられた。

 おりしも前日の9月1日に米軍は突如として固定翼機全機種によるFCLP(連続離着陸訓練)を始めた。厚木基地では2012年5月22日から3日間行われて以来、5年ぶりのFCLPである。通常では硫黄島で行われるはずのFCLPが厚木基地のみで行われた。理由は台風のため硫黄島ではできず、緊急的に厚木基地を使用するというもの。米軍の全く自分勝手な理由でしかない。台風が過ぎてから行えば済む話である。このため厚木基地では米軍機のタッチアンドゴー訓練が日中絶え間なく行われ、基地周辺は爆音のるつぼとなった。

 集会参加者はこの後 “静かな空を返せ!”“訓練をやめろ!”などのシュプレヒコールを繰り返しながら厚木基地わきを通るデモ行進を行った。


集会後のデモ行進


厚木基地に向かってシュプレヒコール

 
厚木基地の空母艦載機 FA18E

 

問答無用?! 決定権は執行側に有り!
座間「46覚え書き」改悪、新「覚え書き」超スピード調印さる!


 7月10日、座間市基地返還促進等市民連絡協議会臨時総会において、これに先立ち行なわれた国と座間市の協議会にて新たな覚え書きの調印が既に成されたとの報告があった。これはキャンプ座間に駐屯する陸上自衛隊員の人数の制限等を定め、基地強化の歯止となってきた昭和46年の覚え書きからは180度方向を異にするもので、基地との共存共栄を謳うものへと変容している事は前号で述べた通りである。

 臨時総会の場ではもっと市民の声を広く聴き議論すべきであったのではないかとの指摘が、複数の委員から出されたにも関わらず「執行権は当局(市長部局)にある。」と聴く耳持たぬという態度、あくまでも報告事項であると質疑応答にもならないまま閉会となってしまった。

 思い返せば市長派議員の質問に答える形で覚え書きの見直しの必要性を市長が表明(2016年12月)→それを受け市長与党会派が見直しを求める意見書を提出し反対少数で採択(2017年3月)→議会からの意見書、ご要望も得てという形にして覚え書き見直し案を当局が作成(6月)→市民連絡協議会や議会での議論を一切経ること無しに調印(7月7日)、という流れは全くの茶番劇を観ている感がある。今回の見直しは国、防衛省から何ら求められた訳ではなく謂わば『自作自演の茶番劇』のような物である。座間市と一部の市議会議員によって作られたシナリオ通りに事が進められてしまったことを恥じて止まない。

 今、この国の進み方にも一部の人達のシナリオに乗せようとする力が大きく働いていると感じる。基地や武力、核による安全保障という幻想劇の出演者にさせられぬ覚悟、自らの信ずる役まわりを担っていかなければならないとの自覚がこれまで以上に必要だ。 (安海のぞみ)