発行日:2017年1月10日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.63

電子版


2017 年頭のごあいさつ
歓迎しない会 共同代表 金子豊貴男


 歓迎しない会会員のみなさん、そして共に反基地運動を闘っている仲間の皆さん、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
 昨年末、第13回の総会を開きましたが、キャンプ座間との闘いも13年になること、その中で、いろいろな出来事がありましたが、私たちの活動は着実に成果を上げてきたことも確認したいと思います。
 米軍ゴルフ場のボール飛出し事故に伴う活動では、集会を開いたり、署名を集めたり、様々な活動を展開する事により、結果として、ゴルフコースの変更を勝ち取り、無駄なゴルフ場の問題提起もできました。
 第1軍団司令部の米本国からキャンプ座間への移駐も、第1軍団前方司令部の兼務発令にとどまる移駐にとどめる事ができました。米軍再編で陸自中央即応集団司令部の移駐が合意され、キャンプ座間に新しい陸上自衛隊の司令部用の隊舎、庁舎ができましたが、この春からは朝霞駐屯地に発足する陸上総隊司令部に移ることになり、当初からだいぶ規模を縮小して、人数合わせの駐屯地になるようです。駐屯地から分屯地への格下げも考えられるようになりました。
 しかし、この間取り組んでいる、キャンプ座間のキャスナ―飛行場を利用した、ヘリコプターの訓練は益々激しいものになっています。騒音被害だけでなく、墜落の恐れを訴える市民の声もたくさん寄せられるようになりました。厚木基地所属の米海軍ヘリコプターや、横田基地所属の米空軍ヘリコプターがキャンプ座間に来て離発着訓練を行う異常な事態を止めさせなければなりません。新しい年、2017年はヘリコプター問題に全力を挙げていきましょう。全国の闘う仲間と連帯して。





[報告]

歓迎しない会 第13回総会と特別報告 2016.12.3


 歓迎しない会は、年度総会を毎年12月に開催しています。第13回となった今回は、前年と同じ相模大野(小田急線)駅前の“ユニコムプラザさがみはら”を会場に、前半を総会、後半を講演会として開催しました。約20人の方に参加いただき、活発な議論が交わされ、終了後には懇親会も行いました。

 総会は、昨年1年間の活動報告と、今年の活動方針を主な議題としました。特に、近年激しさを増しているキャンプ座間周辺でのヘリコプター飛行による騒音に対する取り組みについて様々な意見がありました。
 キャンプ座間には米陸軍管轄のヘリポートがあり、米陸軍ヘリが5機配備されています。しかし近年、厚木基地配備の米海軍ヘリ、及び横田基地配備の米空軍ヘリが飛来し、離着陸訓練を行っています。これら米海軍ヘリ、米空軍ヘリの訓練に伴う騒音がひどくなっており、地域住民からの苦情も増えています。歓迎しない会でも取り組んではきましたが、まだまだ基地周辺住民の声を集約するところまでには至っていません。一層の取り組みが求められていること、及び具体的な方針を提起する必要があることを確認しました。
 キャンプ座間では、在日米陸軍司令部に加え、2007年12月に米陸軍第1軍団前方司令部の移駐があり、2013年3月に陸上自衛隊中央即応集団(CRF)司令部の移駐がありました。日米軍事一体化の動きが、ここキャンプ座間でも進められてきたといってよいでしょう。ここ数年は、そのための自衛隊庁舎の建設をはじめ、様々な工事に多額の税金が注ぎ込まれました。
 ところが、2017年度に陸上自衛隊に陸上総隊という司令部組織が創設されることになり、中央即応集団(CRF)という組織は解体されることが決まっています。キャンプ座間のCRF司令部も廃止され、陸上総隊司令部の一部機能を担当する「日米共同部」が新設されるようです。歓迎しない会の活動は、当初から日米軍事再編反対を掲げて行ってきましたが、引き続き、自衛隊も含めた基地機能の強化に反対し、そのための監視・情宣の活動を継続していくことを確認しました。
 総会の最後に、事務局メンバーの選任を行いました。今回はほとんどの方が留任となりましたが、これまで会計を担当されてこられた牧嶋さんが退任の意志を表明され、後任候補も調整がつかないため、当面、空席としました。事務局メンバーを含め参加者全員で引き続き課題に取り組むことを確認し、総会議事を終えました。

 後半は、相模補給廠監視団の沢田政司さんに、「神奈川の基地、2016年の動き」と題して、キャンプ座間、相模総合補給廠をメインに神奈川の基地の動向について、スライドを映しながら、特別報告をしていただきました。
沢田さんは報告の中で、キャンプ座間・相模総合補給廠の米軍大規模施設の建て替えの問題も取り上げ、これを許せば基地機能の強化、恒久化につながるものであることを強調されました。新聞報道でも取り上げられ、基地周辺市では大きな問題となりましたが、地道な活動がなければこういった情報もわからないままです。補給廠監視団へのご支援もどうかよろしく。




[報告]

半田滋氏(東京新聞論説・編集委員)講演会


 12月6日、「原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議」主催による半田氏の講演集会(ユニコムプラザ)に参加しました。半田氏は、“安全保障関連法施行で変わる自衛隊-どうなる南スーダンPKO-”と題して、南スーダンの状況や駆けつけ警護の問題点について話されました。
 南スーダンは独立当時には紛争はなく、PKO参加5原則の一つ停戦の合意は不要であった。しかし、2013年には政府は“衝突”というが内戦状態、昨年11月閣議決定により新しく付与された「駆けつけ警護」「宿営地の共同防衛」、特に宿営地の共同防衛において武器使用の可能性が高まっている。PKOは既に停戦が破られても撤収せず武器使用せざる得ないときは紛争の当事者になれると変質していたなか、政府は正当防衛・緊急避難のための武器使用は憲法上問題ないとして決定した。
 第1次安倍内閣時代に教育基本法の改悪、国民投票法の制定、安保法制懇の設置をすすめ、第2次政権ではこの4年、防衛費を連続して増加、自衛隊を積極活用した安全保障施策への誘導をすすめている、安全保障、防衛計画大綱、中期防衛力整備計画を閣議決定で行い、改憲に突き進んでいる。
 では私たちは?半田氏は、安保法に対する裁判闘争、国政選挙で野党の結束、安保法反対運動の継続、真の平和国家を取り戻す息の長い戦いが必要であると結びました。

 講演の後、“歓迎しない会”と“バスストップから基地ストップの会”にアピールの時間がいただけ、歓迎しない会からは金子共同代表が最近のキャンプ座間の状況などを報告しました。
 市民は、各地域で連携して声を出し行動し続けていきましょう。歓迎しない会は足元のキャンプ座間の課題からあきらめずに問題提起をしていきます。


 [報告]

2016年秋のキャンプ座間フィールドワーク 2016.11.26

 
 2016年11月26日に歓迎しない会では恒例のキャンプ座間フィールドワークを実施しました。晴天に恵まれましたが、残念なことにいつも張り切って参加している女性の方々が今回は全員都合がつかず、男性7名のみの参加となりました。いつものように小田急線相武台前駅に集合し、スタートしました。今回は車を活用し、時間短縮した分フィールドワークをする個所を増やせました。
 大坂台公園では基地フェンスに出入り口があり、そこは陸上自衛隊座間駐屯地の家族宿舎への出入り口となっていました。ちょうど私服の隊員らしき人が出てきたので、話しかけ、ここは出入りできるのかと聞いたところ、隊員の方は親切にも、宿舎の人の近道となっているので、通ってもかまわない、ということでした。お言葉に甘えて通らせてもらいましたが、真新しい階段の道となっており、自衛隊家族宿舎の脇を通り、座間総合病院の前に出ました。自衛隊の隊舎と家族宿舎は中央集団司令部が朝霞から移駐してくるということで新設されたものの、中央集団司令部はまた朝霞に戻るということで、せっかく多額の税金を使って建てた隊舎・宿舎が無駄になってしまいました。それでも座間駐屯地の隊員や近隣の自衛隊隊員を迎え入れるということで宿舎も9割近く埋まっているそうです。
 私たちは立派な宿舎を後にして富士山公園の周辺をめぐり、造成中の消防署や米軍の建物を見ながら座間公園へ。そこからは日本、アメリカ、国連の3本の旗を見ることができました。アメリカの旗はなぜか半旗となっており、何があったのか、皆の話題となりました。
 続いて市道新戸相武台道路改良事業によるトンネル拡幅工事現場の進捗状況を観察し、その後勝坂のキャンプ座間フェンス下の崖崩れ現場を視察しました。相変わらず現場は防水シートで覆われているだけで、まだ復旧工事は行われていませんでした。予算措置はされているとの情報もありますが、早急に工事が行われないと周辺で再びがけ崩れのおそれがあります。崖崩れの原因はキャンプ座間のキャスナー飛行場の排水の悪さによるものと推定されていますが、民家に被害が出ないよう早急な工事が望まれています。



米軍返還地(?)に建設された自衛隊家族宿舎