発行日:2016年7月5日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.60
電子版
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[報告]
春のフィールドワーク実施
5月5日(木・祝)
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陸自中央即応集団司令部庁舎を望む
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座間公園の“ざまりん”遊具
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毎年恒例となったフィールドワークを5月5日に実施しました。参加者は15人、初めて参加の方もいて、座間市に住んでいても実際基地を見て歩く機会がないと知らない事が多いと、百聞は一見にしかず、を実感されたようでした。
今回のコースは、相武台前駅を出発して、大坂台公園➜返還地➜正面ゲート前➜座間公園➜旧新磯高校脇の公園➜相模原隧道までで私(岩本)を含む5人は時間切れで帰路に。
今回のフィールドワークでの変化は、返還地に建設されていた病院が完成し、4月から営業を開始していたことでしょう。立派な看板が建っていました。そう言えば小田急線の電車内の電光掲示板でオープン前に、看護士募集のお知らせが流れているのを見ました。
座間公園の遊具が新しく更新されたばかりで、“ざまりん”の遊具も設置されていました。
旧新磯高校脇の公園から見える駐車場には、相変わらず、何台もの大型バスが駐まっていました。
市道新戸相武台線の工事は、予定では2015年度中に終わる予定でしたが、まだ工事中で車は通れません。隧道の上を渡る基地内の橋(?)が3カ所あり、その付け替えもしなければならないので完成が遅れているとの市の説明。
これまで、フィールドワークは何度も実施していますが、訪れるたびに新しい発見があります。これからも監視を続けていくことで、実際の基地の動きを見ていきたいと思います。
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返還地に開業した病院
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キャンプ座間内部の駐車場
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市道新戸相武台線の工事中トンネル |
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[報告]
5/13~15
“歓迎しない会”沖縄ツアー
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沖縄で、復帰44年に当たる5月、毎年行われている平和行進があり、同時に韓国の市民グループも参加する「東アジア米軍基地 環境・平和 国際シンポジウム
2016」が開催されました。歓迎しない会でも事務局メンバーを中心に6人のツアーを組み、シンポジウム参加と在沖米軍基地の視察を兼ねて沖縄を訪問しました。以下にツアーの概要報告と、別稿にて国際シンポジウムの内容を紹介します。
<ツアー1日目(5/13)> 高江・辺野古
羽田に7時集合、7:50発のフライトに搭乗し、那覇に10:30着。レンタカー1台に6人全員が乗り、まずは高江を目指すことに。
沖縄自動車道(高速)を名護まで行き、国道58号を名護市北側から大宜味村を経由して、高江現地には14時過ぎに到着。途中で昼食休憩を約1時間。
N-4ゲート前でいったん下車、その後、北部訓練場メインゲート前を通過して、N-1ゲート前テントへ。現地の方から、“ヘリパッドいらない住民の会”の資料を受け取り、説明を受けた。中でも「訓練のオスプレイが、テントを目印にして飛んでくる」との話は、実際を想像すると、恐怖感を覚えた。この後、辺野古へも行く予定だったので、あまり長くは滞在できず、1時間弱で高江を離れることに。
辺野古は16時で撤収とのことで急いだが間に合わず。しばらく浜のテント周辺を見てから、キャンプシュワブ・ゲート前へ移動。ゲート前のテントに残っている人たちと話をしたり、写真を撮ったりして、本日の行動を終了。宿泊する那覇までは一般道を走り、途中の米軍基地を見ながら、最終日の予定を検討。長い一日でした。
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高江 N1 工事用ゲート前
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辺野古 キャンプシュワブ・ゲート前
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<ツアー2日目(5/14)> 国際シンポ参加
県立博物館3F・講堂で開催された、「東アジア米軍基地 環境・平和 国際シンポジウム 2016」に参加。10時から16時まで、途中1時間のランチタイムを挟み、韓国、沖縄、神奈川、京都からの発表・報告を聴講しました。
平和行進が行われていることもあり、全体の参加者はやや少ない感じでしたが、韓国から35名も参加し、内容もすばらしいものでした。また、参院選立候補予定の伊波洋一さん、辺野古で闘っている佐々木弘文さんなどからの挨拶もありました。
特に、韓国の米軍基地問題については、普段、聞く機会がないため、あらためて厳しい状況であることが分かりました。本当に、米軍は世界中どこでもやりたい放題だということが実感できる報告でした。
また、夜には、平和交流懇親会が那覇市内ホテルの宴会場で開催されました。韓国からの代表団も含めたシンポジウム参加者に加え、山城博治さん、辺野古で闘っているミュージシャンの磯ひとしさんなども加わり、歌や踊りで交流を深めることができました。
<ツアー3日目(5/15)> 基地巡り・県民大会
平和行進の最終日で、“5・15平和とくらしを守る県民大会”が那覇市内の新都心公園で12時からあり、それに参加しました。平和行進参加者からの報告と連帯の挨拶、そして沖縄での闘いの報告とともに、韓国代表団のアピールもあり、熱い陽射しのなか、全国の、そして神奈川からの平和行進参加者とも、復帰44周年を考える場を共有しました。
県民大会までの午前中は、嘉手納基地をメインに普天間基地も含めて基地めぐりを行いました。嘉手納基地は在日米軍基地の中でも最も広い面積とのことですが、この日は日曜日で、飛行機の離発着はほとんどなく、静かで、ただ広いという感じでした。“道の駅かでな”からは基地の滑走路が見渡せる展望台があり、また、基地に関する模型やパネルの展示、ビデオ上映まであり、嘉手納基地博物館でもありました。
その後、有名な宜野湾の嘉数公園に移動、展望台に登り普天間基地を観察。オスプレイが整列して駐機しているのがよく見えました。
県民大会終了後、帰りのフライトまで、かなりの時間があったので、南部の平和祈念公園を訪れようということになり、昼食後、車で移動。平和の礎、摩文仁の丘を見て回ってから、平和祈念資料館へ。これで、全日程を終了しました。普段、このような機会が得られないので、あわただしくはありましたが、充実したツアーになったと思います。
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“道の駅・かでな”より嘉手納基地を望む
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5.15 平和とくらしを守る県民大会
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[報告]
東アジア米軍基地 環境・平和 国際シンポジウム2016
「海を越えて手をつなごう ~武力で平和はつくれない~
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5月14日、那覇市の県立博物館内の講堂で開催された、“東アジア米軍基地 環境・平和 国際シンポジウム 2016”に参加しました。このシンポジウムは、韓国、沖縄、「本土」の米軍基地の問題を、毎回異なるテーマで提起し、討論するもので、今年で第9回目となります。今回は、「海を越えて手をつなごう -武力で平和はつくれない」というテーマを掲げ、沖縄での開催でした。以下、シンポジウムの内容について報告します。
シンポジウムは、全体を①~④に分け、それぞれの発表区分で2人~3人からの発表を聞く形式で進行されました。
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国際シンポジウム会場
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<発表①>「戦争法制・戦争の現実的危機」
佐藤学沖縄国際大学教授、“開かれた軍隊をめざす市民連帯”のパク・ソクジンさんの二人が報告。佐藤学教授は、世界経済の限界がはっきり見えてきたといえる。そのような中で、ナショナリズム、領土問題を煽り、国民の目を外に逸らさせようとする政治が、世界中の多くの国で行われるようになっている。米国でもトランプ氏のような移民排斥の主張が強まっている。過去の戦争の歴史に学び、話し合いによって解決しなければならないと結びました。
パク・ソクジンさんは、第1に、朝鮮半島戦争危機の原因について、韓米同盟の持続的な対北封鎖、及び圧迫政策が招いた結果であることが否定できない。第2に、新たな戦争危機要素として、日米ガイドライン改定及び安保法制による日本の軍事力拡張と日韓軍事協力の強化がある。そして、日米韓三国軍事同盟体制構築を目指す米国が、日韓軍事協力を背後から推進させようとしていると指摘。最後に、韓国の市民社会陣営が、日韓軍事協力に対する直接的な反対闘争を持続的に展開してきたことにも触れました。
<発表②>基地問題の報告
神奈川からは、木元茂さんが「安保法制と自衛隊 神奈川の基地はどうなっていくのか」と題して、戦争法と米軍基地・自衛隊との関連、それに対する闘いを、分かりやすくまとめたビデオを上映しました。韓国からは、平澤平和センターのカン・ミさんが「韓国の米軍基地を取り巻く争点」を、トゥレバンのキム・テジョンさんが「米軍基地、基地村、女性、そしてトゥレバン」と題して報告した。
カン・ミさんは、昨年の駐韓米軍による炭疽菌の搬入問題をメインにして報告。韓米SOFA協定全面改訂、すべての生物兵器廃棄、実験室閉鎖、オバマ大統領謝罪、責任者処罰を求めて闘っていることが紹介されました。
キム・テジョンさんの報告は、駐韓米軍基地の周辺に、「基地村」と呼ばれる米軍相手の店が並ぶ場所が、朝鮮戦争後から現在まで存在し、そこで働く女性たちが、人権蹂躙され続けてきたという、非常に衝撃的な内容でした。女性たちの人権蹂躙が維持され続けたのは、韓国政府による徹底した管理政策があったためとのこと。学者、弁護士、関連女性団体と市民団体で、基地村女性人権連帯を構成し、生活支援のための法律と条令を作るために活動しており、2014年6月25日に基地村女性122人が、政府を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたことが紹介されました。
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「済州カンジョン海軍基地物語」の発表
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<発表④>戦争の脅威に立ち向かう取り組み
発表③では、沖縄と韓国からドキュメント映像が紹介されました。
発表④では、京都から「Xバンドレーダーと沖縄・辺野古新基地建設を許さない取り組み」、沖縄から「オール沖縄の辺野古阻止の取り組み」があり、続いて、海軍基地ができてしまってもあきらめずに闘っている「済州カンジョン海軍基地物語 あきらめなければ希望はある」と題した最後の発言で締めくくりました。
最後に「海を越え、平和の手をつなごう2016」のアピールを採択して、シンポジウムを終わりました。
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酷い! ヘリ訓練
5月末には 1日に100件超えも2日間
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昨年12月以来、横須賀基地で点検・修理を受けていた原子力空母ロナルド・レーガンが5月9日に試験航海にでて、13日に入港、「機関の不具合」で再点検を受け、硫黄島で行っていたFCLPなどの艦載機の訓練も再度やり直しになっていた。
この間、厚木基地での艦載機の激しい訓練に、抗議の声が沢山出ていたが、この厚木基地の訓練の陰で、キャンプ座間のキャスナ―飛行場で行う海軍のヘリ訓練が凄まじい状況にあることが見過ごされてきた。
6月に入手した、相模原市の騒音記録計のデータ、勝坂コミニティーセンター屋上の騒音記録を視ると、5月の硫黄島での艦載機のFCLP訓練に合わせ、艦載ヘリが、キャンプ座間で同様の訓練、つまり、ヘリコプターの離発着訓練・タッチ&ゴーを空母の出港前にしっかり行っていることが明らかになった。
以下艦載機のFCLPの通告とキャンプ座間の騒音記録を比較する
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キャンプ座間ヘリ騒音(2016年5月) |
日 |
件数 |
備考 |
2日(月) |
35 |
FCLP通告による硫黄島での訓練 |
3日(火) |
53 |
5月3日から13日 |
4日(水) |
62 |
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5日(木) |
41 |
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6日(金) |
3 |
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7日(土) |
1 |
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9日(月) |
11 |
原子力空母ロナルド・レーガン 試験航海に |
10日(火) |
20 |
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11日(水) |
58 |
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12日(木) |
11 |
空母 13日に入港 機関の修理発表 |
16日(月) |
65 |
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17日(火) |
5 |
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18日(水) |
95 |
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19日(木) |
31 |
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20日(金) |
2 |
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21日(土) |
1 |
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22日(日) |
2 |
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23日(月) |
49 |
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24日(火) |
61 |
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25日(水) |
123 |
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26日(木) |
60 |
FCLPの追加通告 27日から6月1日 |
31日(火) |
109 |
空母2回目の試験航海に
6月1日再入港 6月4日 本格出港 |

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4月下旬から5月上旬にかけて、艦載機の固定翼機の訓練が厚木基地と硫黄島で激しく行われたが、回転翼機である艦載ヘリコプターはキャンプ座間で行っていることがはっきりした。キャンプ座間のヘリ訓練が硫黄島での訓練と同様のFCLPであるとすれば、事前に地元自治体への通告もしなければならない。
キャンプ座間での海軍へりの訓練、自治体の取り組みが問われている。
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