キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を 発行日:2015年1月1日
歓迎しない会ニュース No.51
|
新年のごあいさつ
共同代表 金子豊貴男 安海のぞみ
事務局一同
|
多くのメディアが自公圧勝とか大勝と報じた衆院選、正確には現状維持であって沖縄4小選挙区での自民全敗(もっとも比例復活で生き残りという現選挙制度の大矛盾)や各野党の増減が大きく取り上げられはせず、大義も新たな信任も得られぬまま自公政治が再稼働されました。しかしオール沖縄の示した新基地NO!の民意は、外交・防衛は国の専管事項という刷り込みに力強く抗っていくことの希望の光となりました。
翻ってキャンプ座間、座間市域の返還予定地には着々と自衛隊家族宿舎の建設が行われています。中央即応集団(CRF)司令部の移駐に伴い、CRF近傍にその隊員住宅が必要との根拠は、中期防衛力整備計画における陸上総隊司令部の創設(=CRFの廃止?)によりもはや大義なきものと化している気配です。
相模原市域のキャスナ―飛行場では相変わらず、キャンプ座間所属の陸軍ヘリだけでなく、隣の厚木基地の海軍ヘリ、横田基地の空軍ヘリも訓練に来ています。
日米新ガイドラインの改定、それに続く法改正・・・これらの動きについても各地域の基地の在り様に大きく関与してくることでしょう。
私達も沖縄の人々にならいつながって、全国の基地所在地で、その存在に異を唱える多くの市民とともに運動を更に強めていく必要があります。現地で議論し声をあげ国政治を変えていく「重箱のスミをつつくような小さなことでもそれらを積み上げて!(第11回総会意見交換から)」そんな活動を今年も様々に展開していきます。
なお、会の名称は2年越しの議論を経まして、これまで通りの「歓迎しない会」を引き続き用いていくことと決定いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。
|

キャンプ座間で訓練する厚木基地の米海軍ヘリ |
11月も12月もたくさんの苦情が寄せられている
|
|
[報告]
歓迎しない会第11回総会と記念講演
|
歓迎しない会では、年度総会を毎年12月に開催しており、昨年も12月7日に第11回総会を開催しました。2004年11月に結成されてから11年目を迎えることになりました。結成当時に問題となった米陸軍第1軍団司令部の移駐は、実質的には行われなかったのですが、それと引き換えにかどうかはともかく、昨年3月の陸自中央即応集団(CRF)司令部の移駐など、基地機能の維持・強化は続いています。今後も、CRFに替わる陸上総隊司令部新設の計画などもあり、歓迎しない会の果たす役割は引き続き重要であると考えています。以下、第11回総会と記念講演の報告です。
会場は、東林間駅(小田急江ノ島線)近くの“くぬぎ台地域活動施設”で、例年通り前半を総会、後半を記念講演としました。
総会は、昨年1年間の活動報告と、今年の活動方針を主な議題としました。キャンプ座間では、2013年3月の陸上自衛隊中央即応集団(CRF)司令部移駐以降、目立った動きは見られないものの、活動報告では、一部返還予定地で続けられている造成工事に関わる問題や、米軍ヘリの訓練飛行による騒音・危険の増大に対する取組などが取り上げられました。
返還予定地には、自衛隊家族宿舎、座間市が誘致する病院、座間市消防庁舎の建設が計画されており、その造成工事が進められています。歓迎しない会では、計画自体と工事に伴う問題点など指摘し続けています。
キャンプ座間には米陸軍のヘリポートがあり、米陸軍ヘリが5機配備されていますが、これ以外に、厚木基地に配備されている米海軍のヘリが飛来し、訓練を行っています。ここ2,3年はこの米海軍のヘリ訓練に伴う騒音がひどくなっており、地域住民からの苦情も増えています。歓迎しない会でも、この問題を重視し、監視活動などの取り組みを強めています。
活動方針に関する討論でも、キャンプ座間のヘリ問題への取組を巡って活発な議論があり、継続して取り組んでいくことが確認されました。
最後に、事務局メンバー全員が留任し、引き続き課題に取り組むことを確認して前半の総会議事を終えました。
|

第11回総会
|
[記念講演] 新倉裕史さん
|
後半は、非核宣言運動ヨコスカなど横須賀を中心に反基地運動に取り組まれている新倉裕史さんを迎え、「オスプレイの飛行と地位協定」と題して講演していただき、その後、質疑などディスカッションをおこないました。
講演内容は、まず、2013年12月に三浦市で発生した米海軍艦載ヘリMH60-Sの墜落事故の話題から始まりました。この事故ではオートローテーションが機能したものの「Aクラス」事故だったとの事実から、オスプレイだったらもっと重大な事故となる可能性を指摘、さらにオスプレイの事故率に関する米軍の報告に作為があることも明らかにしました。
続いて、事故を起こしたヘリが「訓練飛行中だった」との新聞記事を問題としました。米軍基地外を飛行していたにも関わらず、基地間移動ではなく、訓練飛行であったことは、日米地位協定に違反する運用であり、許されない飛行であることを指摘、この問題はこれまでの地位協定をめぐる政府の説明からも確認できるとの説明がありました。
さらに、「オスプレイは航空特例法が適用され、航空法(安全飛行)による規制から除外される」との政府の説明は、地位協定のもとでのみ有効であり、今回の事故のように、日米地位協定に違反する飛行に関しては効力を有しないことになるとの指摘がありました。
これらの論拠から、オスプレイの飛行についても国内法の順守、具体的にはフライトプランの自治体への事前開示などを求めることができるとのことでした。今後もねばり強く、国内法順守を求める運動を行うことが必要と締めくくって講演を終えました。
講演後のディスカッションでは、オスプレイに限らず、キャンプ座間での米軍ヘリの飛行訓練も含めて、ねばり強く法令の順守を要求していくことが必要との確認をし、講演会を終えました。
|

新倉裕史さんによる記念講演
|
|
[資料]
キャンプ座間のヘリ騒音測定結果
2014年4月~12月
|
キャンプ座間のヘリ騒音問題でたびたび相模原市議会でもとりあげられ、相模原市は今年も厚木基地や横田基地に抗議に行っています。
相模原市は騒音の被害実態を把握するため、基地近くの勝坂コミニティーセンターに騒音記録計を設置し、市民の皆さんからの抗議や苦情電話も集計、米軍や国・防衛局への要請などに活用しています。
|
 |

キャンプ座間近くに設置されている騒音記録計
|
|
 |