キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を 発行日:2014年5月30日
歓迎しない会ニュース No.47
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[報告] キャンプ座間
海軍ヘリ 飛行訓練監視行動
4/10 & 17
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これまでも、再三報告しているが、キャンプ座間ヘリポートを使用する厚木海軍所属ヘリの訓練が止まらない。ヘリポート近隣の騒音もひどさを増している。
歓迎しない会では、もっと実態を把握する必要があると考え、4月に2日間、監視行動をおこなった。以下は、その準備と報告です。
私たちはまず、ヘリの飛行訓練の実態把握にどのようなデータが必要かを考え、次のようにまとめてみた。
①飛行日時と飛行回数・頻度
これは、相模原市がヘリポートに近い勝坂コミュニティセンター屋上に騒音記録計を設置しているので、このデータを集計することで得られる。日別・時間帯別の騒音記録回数が表としてまとめられている。これまでもこのデータは利用してきた。これをグラフにしたものを下に示す。2014年3月の日別の騒音回数をまとめたもので、土日以外はほぼ毎日のように訓練が行われていることがわかる。
また、1日の中でも時間帯別のデータも重要だ。スペースの関係で実データを掲載できないが、夜間の時間帯別データを見ると、夜間も訓練が頻繁に行われていることがわかる。
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②飛行ルート
海軍ヘリの訓練パターンは、キャンプ座間のヘリポートから離陸し、基地外を旋回飛行して戻ってきて着陸し、またすぐに離陸して旋回飛行を繰り返している。この旋回飛行のルートを把握し、騒音がどの範囲まで広がっているのか、またどの地点でどの程度かを把握する。
また、1周に要する時間が求まれば、この飛行ルートの下での、騒音の頻度も把握できる。
③騒音レベル
相模原市が設置している騒音記録計でも騒音レベルは分かるが、ヘリの飛行ルートの直下ではないので、ヘリに近い場所での騒音レベルの測定も必要である。これは、実際に機材を準備して測定することにした。
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行動報告1(4月10日)
この日は午前10時から監視を行った。現地に到着するまでに、海軍ヘリが訓練を行っているとの情報を得ていたので、現地の集合場所(勝坂歴史公園)に到着するなり、騒音レベル測定、写真撮影、飛行ルート確認などを、参加者で手分けして開始した。機体はNAVY
610と書かれた厚木基地所属のMH60であった。このときのデータとしては、ヘリポート脇での騒音が86~90dB。また、1回の旋回が3~4分間隔であり、飛行ルートはキャンプ座間から西へ向かい、相模川上空に出て北上、旋回して北側からヘリポートに着陸を繰り返した。
10回以上旋回を繰り返すと、11時前にはここでの訓練を終え、海軍機はどこかへ飛び去ってしまった。その後、しばらくするとキャンプ座間所属の陸軍機ブラックホークが格納庫から出され、給油、エンジン始動を行い、午後1時前にはこれもどこかへ飛び去ってしまった。行動参加者はしばらく待機していたが、その後は静かな状態が続いたので、この日の監視を終えた。その後の記録によると、午後3時以降、海軍ヘリの訓練が行われたらしい。
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キャンプ座間ヘリポートに着陸しようとするMH60
北側の峰山霊園内から撮影(4/10)
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行動報告2(4月17日)
前回(4/10)は午前中だったので、この日は午後1時過ぎから監視を始めた。騒音計は準備できなかったので、写真と目視による確認を行った。この日も事前に、海軍機が訓練を行っているとの情報を得ていたが、現地に到着すると、海軍ヘリがホバリングを行っており、キャンプ座間ヘリポートの上で停止しているのを目撃した。離発着だけでなく、このような訓練もあるのだということを認識できた。これも近くで見るとかなりの威圧感だ。機体番号は621と判明。その後すぐに、旋回飛行訓練に移行した。
この時の記録では、旋回1回あたりが2~3分で前回のときよりも短いことが確認できた。旋回半径が短いことが考えられる。この時も10回程度旋回を繰り返した後、どこかへ飛び去り、訓練を終えた。
監視行動参加者は、相模原公園へ場所を移動したりして、しばらく待機したが、その後は陸軍ヘリが1機着陸しただけで、新たな展開がなかったので、この日の行動を終了した。
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キャンプ座間ヘリポートに着陸しようとするMH60
東側路上から撮影(4/17)
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2日間の監視行動を行い、海軍所属ヘリの飛行訓練の実態が、ほぼ確認できたと考えている。騒音記録計のデータと合わせて、騒音被害の実態をより正確に把握する必要があるとも感じている。
基地周辺住民に対する働きかけも含めて、次の対応を考えていきたい。
余談ですが、キャンプ座間は周辺に比べて小高い丘になっているので、ヘリが離発着するところの写真を近くで撮ることが難しい場所です。基地のフェンス脇で見ることのできる場所もありますが、逆に周辺が見えません。
基地からやや離れますが、北側約1.5kmの相模原麻溝公園内のグリーンタワーの展望室は、キャンプ座間ヘリポート全体を見ることができる場所の一つです。(松本)
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相模原麻溝公園のグリーンタワー展望室(地上38m)
から撮影したキャンプ座間ヘリポート(4/17)
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キャンプ座間配備のヘリ
UH60ブラックホーク
新機種に変更
自治体等地元説明はなし
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キャンプ座間のヘリの機種変更が行われたようだ。5月12日に横浜ノースドックに5機が陸揚げされた。以下は5月28日の記者発表資料から (金子豊貴男)
1 5月12日に横浜ノースドックに寄港した自動車運搬船グリーン・リッジが、5機の陸軍ヘリ・UH60ブラックホークを運んできた。UNITED STATES ARMY の文字がかろうじて読める。
さらに読みにくいが、機体番号も 96-26694, 96-26716, 96-26703 の3つが判明、さらにもう一機が 96-26702 らしいことも。機体番号からみて、UH-60Lだ。
2 今キャンプ座間で飛んでいる米陸軍のブラックホークは 85-24448, 85-24450 などUH-60A型だから、今回ノースドックに陸揚げされたブラックホークは10年以上製造(調達)が新しいことになる。またL型はエンジン出力が大きく、機外吊り下げ能力も大きくなっている。
3 常識的に考えれば、A型からL型への機体の更新と考えられる。もし、座間駐在のヘリが5機増えるとなると大きな問題だ。
4 グリーン・リッジは4月中旬までに西海岸の基地タコマとポート・ヒューニーメを回り、20日過ぎにパール・ハーバーに寄港した。その後5月8日に那覇軍港、10日にプサンに寄港した後12日にノースドックにやってきた。5機のUH60はタコマで積まれた可能性もあるが、10年ほど前はハワイの陸軍ヘリ部隊(2-25thAVN)に所属していた。パール・ハーバーで座間向けに積み込んだのではないだろうか。
5 キャンプ座間のヘリポートをつかって厚木基地の海軍ヘリが連日激しい訓練を行っている。3月、4月の訓練は酷い物で、住民の苦情も多く、市が勝坂コミニティーセンターに設置している騒音記録計も 1日100回も記録した日もある。
6 こうした、キャンプ座間のヘリ騒音に 多くの住民が異議を唱えている中で、米陸軍が無通告で機種変更を行うことは許せるものではない。
7 市としても、状況把握と騒音被害軽減に向けた取り組みを進めるよう強く求める。
8 最近の米軍ヘリコプターの訓練はキャンプ座間でも相模総合補給廠でも、基地の外、市街地で、市民の上空で訓練することが多くなり、本来の基地の使用協定・日米地位協定にも反するものである。
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UH-60L(横浜ノースドック)
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