キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を   
発行日:20141月21

歓迎しない会ニュース No.45



新年のごあいさつ

事務局一同


 米軍普天間飛行場移設を最大の争点に行われた名護市長選は、移設反対の現職稲嶺市長が当選を果たしました。いくら基地交付金を積み上げられても、それが生活の豊かさには繋がらないと判断し、「辺野古に基地はつくらせない」という多くの名護市民が選択した結果です。このことは、基地を抱える私たちの活動にも大きな励みとなります。

 現在、キャンプ座間の座間市域における返還跡地は、H28年4月開業を目指す病院および、消防本部等の建設準備が進んでいます。また、昨年3月、キャンプ座間に移駐してきた自衛隊中央即応集団司令部が、12月17日に閣議決定された中期防衛力整備計画では、中央即応集団司令部を廃止し、陸上自衛隊を一元的に指揮・命令する陸上総隊の新設が浮上しています。変貌するキャンプ座間、基地機能強化は許されません。

 今年も基地のない座間、相模原をめざして活動していきましょう。

 [報告]

歓迎しない会第10回総会と記念講演

 昨年末の12月7日に第10回総会を開催しました。2004年11月に会が結成されてから10年目を迎えることになります。歓迎しない会の活動がこれまで継続できたのも、会員をはじめとする皆様のご理解、ご協力によるものと考えています。以下、総会と記念講演の報告です。

 総会の会場は、昨年、相模大野駅前にオープンしましたユニコムプラザさがみはら(ボーノ相模大野内)の部屋を使用し、例年通り前半を総会、後半を記念講演としました。
 総会では、昨年1年間の活動報告と、今年の活動方針を主な議題としました。活動報告では、3月に陸上自衛隊の中央即応集団司令部が朝霞から座間に移転してきたこと、4月には“日米軍事再編・基地強化と闘う全国連絡会”総会を開催したことなどの大きな動きがあったことと、近年、キャンプ座間のヘリポートを中心とした米軍ヘリの訓練飛行による騒音や危険の増大に対する取組が紹介されました。
 活動方針でも、キャンプ座間のヘリ問題への取組を巡って活発な議論があり、より積極的に取り組んでいくことが確認されました。さらにキャンプ座間の陸上自衛隊については、中央即応集団司令部が移ってきたところで、今度は陸上総隊司令部への改編という方針が出され(新中期防)、今後の動きに注意する必要があるとの指摘がありました。
 今総会では、「歓迎しない会」の名称変更についても提起されましたが、替わりの名称について参加者では決めかねることから、会員の皆様の意見も募ることとし、保留としました。

総会の様子

[記念講演]

 後半の記念講演は、ピースデポ代表の湯浅一郎さんをお迎えし、「米国防予算削減と在日米軍基地」~国防費は減れども、在日米軍は強化へ~と題して講演と質疑がありました。
まず、米国の財政赤字が深刻化し、「国防費」(軍事費)を10年間で1兆ドル削減する提案が出されるなどで、その影響が見え始めている。
 2014会計年度の基本予算(一般経費)は前年比で0.2%増だが、陸海空軍予算は7~8%削減されているとの報告がありました。
 そして、その軍事費削減が、米軍の世界戦略に影響し、さらに日本の負担増として現れるとの指摘がありました。
 具体的には、「同盟国軍と米軍の『相互運用』拡大」と「全政府的アプローチの強調と軍事の役割の低減」の二つの側面があるとのこと。
 このような米軍戦略の下、「軍事力の世界展開を維持」しながら「米軍再編」が行われており、在日米軍の再編も日本の負担増による維持・強化であること、日本の防衛政策も対米追随路線であることなどが指摘されました。
 最後に、米国の「全政府的アプローチに基づく軍事の役割の低減」は、「安全保障ジレンマの悪循環から抜け出すチャンス」でもあると指摘し、講演を締めくくりました。

湯浅一郎さんによる記念講演


相次ぐヘリコプター事故とキャンプ座間


2013年12月16日 三浦市三崎に墜落したMH60艦載ヘリ

ヘリコプター墜落、不時着と言い張る国・米軍

 12月5日に、母港・横須賀に入港した原子力空母ジョージワシントン、艦載機は12月1日から2日にかけて厚木基地に戻り、早くも7日から訓練飛行を始めた。そして艦載機のジェット戦闘機だけでなくヘリコプター部隊も戦闘機の訓練の合間にいろいろ飛んだようで、キャンプ座間の騒音記録でもその事が確認されている。
 12月16日午後3時、厚木基地の艦載ヘリMH60が三浦市三崎の海岸近くの埋め立て地に不時着した。不時着に失敗して墜落したと考えるのが妥当だ。オートローテーションで降りてきたMH60は、最終段階で機体の姿勢が崩れ、地面にたたきつけられ、メインローターを含む前部が横転、後部はねじ切れている。オートローテーションで降りてきてもこの墜落事故並みの機体破壊だ。もしこれがオートローテーションの効かないオスプレイだったら乗組員の命は助からない可能性が強い。また空き地に降りることも出来なかっただろう。厚木基地の艦載ヘリは、観音崎の灯台と横須賀基地ヘリポートを結ぶラインを反復して飛ぶ訓練を行っている。事故機も厚木基地から南西方向に飛び、相模湾上空から城ケ島、観音崎を経由して横須賀基地に向かうコースを飛行していた可能性がある。
 横須賀市南東部の市街地に近いところでミッション系が故障すれば、オートローテーションで降りる場所をさがすのもより困難になる。乗員に負傷者はいても死者が出ず、また地上に被害らしい被害がごく少なかったのは、全くの偶然であり、観音崎・横須賀基地往復の途中に故障した場合は、もっと大きな事故につながることが十分考えられる。
 この事故を起こした後も厚木基地では艦載機がわがもの顔で訓練、騒音をまき散らしていた。ヘリコプター墜落等なかったように。

米軍機から部品落下、車の窓ガラス割る

 そして、9日午後2時半ごろ、綾瀬市寺尾北2丁目で、F18スーパーホーネットの金属製のブレーキ部品が落下、路上に止まっていたワゴン車の窓ガラスが割れた。けが人はなかった。落下した部品は長さ約17センチ、幅約2センチ、厚さ約0・5センチ、重さ約170グラム。同基地によると、原子力空母GW艦載機のジェット戦闘攻撃機FA18Eスーパーホーネットのブレーキシステムの一部。同基地渉外部は「事故を起こし申し訳ない。原因を調査しており、安全が確認されるまで同型機は飛行停止とする」と述べている。
 部品落下現場は、相鉄かしわ台駅から東に約500メートルの住宅街。ワゴン車は、近くの住宅で防音工事をしていた設備会社のもので、車内は無人だった。部品は別の住宅の金属フェンスに当たった後、弾みでワゴン車の窓ガラスに当たり、直径5センチほどの穴を開けた。

墜落続くヘリコプター キャンプ座間での訓練止めろ

 米時間15日夜(日本時間16日昼)、米南部ジョージア州の陸軍飛行場でMH60ブラックホークヘリが着陸に失敗して地上に激突し、乗員1人が死亡、2人が負傷した。事故機は昨年8月に宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落した嘉手納基地所属のHH60救難ヘリと同型。米軍ヘリはこのほか今月に入りバージニア州と英国で墜落事故を起こしており、計6人が死亡。いずれの事故機も同型機が在沖米軍基地に配備されている。

キャンプ座間で訓練する厚木基地所属海軍ヘリコプター

 キャンプ座間でのヘリコプター訓練は止まっていません。いつ事故が起きてもおかしくない状況で、相模原南部の住民は墜落の恐怖と向き合わなければなりません。米軍は即刻キャンプ座間での訓練を止めるべきです。