キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を   
発行日:201211月20

歓迎しない会ニュース No.38



 キャンプ座間◆近況報告

秋のフィールドワーク(10月14日)を行いました。

前の号でも報告しましたが、陸上自衛隊の中央即応集団司令部庁舎の工事が進んでいます。奥は同司令部隊舎の工事。背が伸びてきてます。

ゴルフ場では、新たな防球ネット(「安全対策施設」)の工事が開始されていました。これは、ボール飛び出しに抗議した運動の成果。

しかし、この米軍のゴルフ場のための工事代金は日本国民の血税によるものです。(写真)⇒「この工事は日本政府の予算による」と書かれています。

相変わらず、ゴルフ場利用者のほとんどが日本人という現実も再確認。ゴルフ場部分は即刻返還させるべきです。

キャンプ座間の北端付近から第7ゲート方向を望む。奥にゴルフ場の防球ネットが見えています。

今回のフィールドワークでは、キャンプ座間の北側をぐるっとまわりました。基地の北西部分のフェンス外は、森になっています。

キャンプ座間のすぐお隣にある、国登録有形文化財中村家住宅。全国的に珍しい幕末期の和洋折衷住宅です。基地監視の合間に一息。立ち寄ってみました。

市道新戸相武台道路を通って駅に向かう途中、記念撮影。歓迎しない会は、定期的にキャンプ座間の監視行動(フィールドワーク)行っています。次回は、是非あなたも参加して、いろんな発見をしてみて下さい!



ピースフェスティバル 2012 に参加しました!


10月27日、今年も、大和駅前でのピースフェスティバル2012 in大和・綾瀬に参加しました。馬毛島への艦載機訓練基地建設に反対する種子島の方々の支援を兼ねて、種子島の物産(安納芋、黒糖甘納豆など)の販売をしました。用意した80kgの安納芋は飛ぶように売れて完売でした。


歓迎しない会のテント





キャンプ座間の模型

オスプレイの模型


「馬毛島を軍事基地(FCLP)に断固反対する」

長野広美<馬毛島の自然を守る会>


 平成24年11月16日、野田総理は衆議院を解散し年末選挙選が始まる歴史的な一日となった。過去3年間の民主党政権は、野党時代には想像だにしていなかった様々な課題に右往左往した。その中でも防衛・外交においてはまさにリーダーシップ不在の失策の一つではないだろうか。

 馬毛島は種子島の12km西に浮かぶ無人島。戦後の入植団が農業や漁業で島を開発し、最大500人の人口を抱えたものの、昭和の経済成長時代を背景に過疎が進みついに昭和55年島は完全無人島となった。不動産バブルでこの周囲12キロ程の馬毛島を平和相互銀行の子会社が買収したものの、大型倒産したため平成7年に現在のタストンエアポート社(元馬毛島開発株式会社)が住友銀行から購入したもの。

 この島では平成11年に鹿児島県が採石事業を許可した時点から、無計画で一方的な環境破壊が進められ、地元の漁業協同組合との公害防止協定が締結されるものの有名無実のまま今日に至っている。その惨状は、赤茶けた裸地が広がる馬毛島が米軍空母艦載機の離発着訓練地の候補とされたことから全国にテレビ放映され、そのほとんどの無法な『開発』を野放しにしてきた鹿児島県の醜態も明らかとなりつつある。


 現在「馬毛島」問題とするところは2点に大別される。まず、違法な開発を繰り返し、土砂を大量に垂れ流している環境破壊問題があり、また一方で一方的に米軍空母艦載機の離発着訓練地の候補とされた基地化問題がある。

 タストン社は、馬毛島の土地を取得した際には40年間という長期の採石工事計画を示したものの、米国の国際航空貨物輸送会社へ誘致を働きかけたりと土地利用計画が全く定まらず、さらに事業採算が見込まれないまま南北に4000メートル、東西に2500メートルもの滑走路らしき土地造成工事を適正な行政許可手続きを経ずに行っている。

 このような無計画な工事によって、180ha以上の島の森林部分の大半が違法伐採され、大量の土砂が海に流れ込み、漁業への被害は甚大で、さらにニホンジカの亜種の一つであるマゲシカは森林伐採によって10年前に比べほぼ半減したため、環境省が今年8月に絶滅危惧種に指定し、環境破壊を警鐘している。

 現在市民グループ「馬毛島の自然を守る会」のメンバーと馬毛島で古くから漁をしてきた漁師ら有志で、公害等調整委員会へ原因裁定申請中である。一方鹿児島県には、平成11年に最初に採石工事を許可した時点から林地開発許可のあり方等について問題点を指摘し、また平成23年には副知事に対して具体的に漁業への悪影響を訴えたこともあり、ようやく工事実態把握のための現地確認調査を5月に県は実施したものの、不十分として再調査が11月15日行われた。しかし、タストン社の立ち入り拒否のために十分には行えていない。


 さて、馬毛島をFCLP訓練地の候補とした防衛省に対し、地元の不信感と怒りは高まるばかりである。馬毛島はそれまでも行政手続きが不透明なまま採石事業等の乱開発が続いてきた中で、平成19年頃より馬毛島への米軍基地移転報道がなされ、その都度地元自治体は「断固反対」の意向を防衛省にも伝えてきたが、防衛省は明言を避け、平成23年5月に突然の候補地宣言し、同年6月21日恒久的な施設候補として馬毛島を日米協議の合意文書に明記した。その後の7月2日小川防衛副大臣(当時)が西之表市を訪問して熊毛地域の首長らに説明した防衛省説明には不審な点が多く、そもそも米軍の訓練のあり方や、したがって騒音被害等の予測を日本の防衛省が行えるはずもない。

 防衛省は、東京国税局に検挙され有罪判決を受けた事業者との土地の買収交渉を行い、現在も水面下で進められているとも言われている。

 馬毛島での種子島の住民による漁の歴史はとても古く、今日でも漁師らは馬毛島を「宝の島」と呼ぶ。馬毛島の周辺では今でも、海藻類が豊富で固有種もしくは貴重種が発見されている。今一度、私たちは馬毛島を取り戻すべきだと日々感じている。