返還地に造られたパークゴルフ場。この日は連休最終日で「無料開放デー」との張り紙があったが、プレーする人はいなかった。


発行日:2025年5月10日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.113

電子版


[報告]

2025/5/6

キャンプ座間フィールドワーク 2025年春

 最近は5月の連休中に開催することが恒例のようになっていますが、今年も春のキャンプ座間フィールドワークを、連休最終日の5月6日に設定しました。ハイキングとして参加される方もいて昨年春は20名近く集まりましたが、今年はあいにくの雨となってしまいました。それでも集合時間の9時半には10名を超す方が集まりましたので、予定通りに決行としました。とはいっても、雨を気にしながらの進行となってしまいましたが。
 コースは、大坂台公園⇒正面ゲート⇒座間公園⇒基地横断道路(トンネル)⇒相武台前駅 と短めの周遊としました。
 まず大坂台公園に上り、基地内米軍住宅や自衛隊官舎を望みながらパークゴルフ場の脇を下って座間消防署前に移動。雨天のため、フィールドワーク参加者以外は公園内に誰もいない状況でした。この日、パークゴルフ場は「無料開放デー」とのことでしたが、さすがにプレーする人の姿は確認できませんでした。
 正面ゲート前では、あいかわらず警備が「写真を撮るな」、「カメラを向けるな」と言ってきましたが、私たちは、ゲートの左右にある自衛隊と米軍の看板を撮ったり、看板を背に記念撮影をしたりと、いつも通りの対応。ちなみにこの日は正面南側のゲートも開いていました。やはり、米軍は「休日」ではないということか。
 さらに県道51号を西に歩き、「相模原隧道」を抜けて座間公園に上り、基地内を見渡せる場所まで移動。まず、いつものように掲揚ポールの旗を確認。雨で風も強くないので旗はポールにへばりついた状態。画にならないのは残念ですが、一応、写真は撮っておきました。








在日米陸軍司令部に掲げられた旗。
左から、日の丸、星条旗、「国連」旗の三種

 座間公園からフェンス沿いに北へ向かって歩きながら、基地内を観察。特に変化はなく、さらに自衛隊の施設エリアへ。この辺りは公園からも外れ、舗装もされていないので足元を気にしながら進み、最終的にはフェンスから離れて、一般道へ出ます。さらに基地に沿って歩くと基地横断道路のトンネル入り口へ到達。今回はこの辺りが最後の視察場所です。
 ここから見ることができる大きな建物が自衛隊の庁舎です。これまでは、主に陸上総隊司令部日米共同部と米陸軍第1軍団(前方)が共同使用していましたが、第1軍団(前方)が表向き廃止された今、どうなっているかが気になるところです。
 そこで、庁舎の入り口に掲げられている看板がどうなっているか写真を撮って確認したところ、「第一軍団(前方)」と書かれた看板はそのまま存在しました。これをどう説明すればよいか分かりませんが、表向きと実態はずれがあるということでしょうか?
この後は横断道路を相武台前駅方向へひたすら歩き、駅の近くに到達したところでこの日のフィールドワークを終えました。昨年秋のフィールドワークも雨でしたので、次回は晴天に恵まれたいところです。参加できなかった方も次回に期待してください。(編)



陸上自衛隊の庁舎


 
庁舎の入り口の左右に看板があり、この写真は入口左側の米軍の看板。
「第一軍団(前方)」、「米海兵隊連絡室」の二種が掲げられている。
入口右側には「日米共同部」など自衛隊のものが掲げられている。


<関連新聞記事の紹介>

 キャンプ座間フィールドワークでも目にする在日米軍司令部に掲げられている3種の旗。中央の星条旗の下には、もう一つ黒い旗が掲げられていることについては「歓迎しない会ニュース」でも紹介しました。 ”POW/MIA flag”(戦争捕虜/行方不明者の旗)と呼ばれています。

  *「キャンプ座間に掲げられていた“なぞの”旗の正体は!」No.83(2020年5月8日)参照
    https://kangei-shinaikai.sakura.ne.jp/news/news83/news_No83.html

 今年はベトナム戦争終結50年ということで、関連した報道を多く目にしますが、その中でこの旗に触れた記事がありました。興味深い記事でしたので一部を紹介したいと思います。

◇           ◇           ◇          ◇

「米国は善」ベトナム戦争で壊れた 終結50年、長年研究の米教授に聞く 
 ベトナム戦争が終結して50年。ベトナム戦争は米国社会にどのような影響を与えたのか。長年このテーマに取り組んできた米マサチューセッツ大アマースト校のクリスティアン・アッピー教授に聞いた。(聞き手・中井大助)
――戦争捕虜(POW)や行方不明者(MIA)に敬意を示す黒い旗を米国でよく見ます。
 これも、ベトナム戦争の「神話」に由来します。ベトナムが長年にわたり米国人捕虜を捕らえ続けたという神話です。その証拠はありませんが、一部の政治家やハリウッド映画がそう訴え続け、一時は米国民の過半数が信じ、戦争の正当化にもつながりました。
 黒い旗は今も、全ての米政府の建物に掲げられ、被害者としての米国民を象徴しています。
   (朝日新聞 5月4日)
   https://digital.asahi.com/articles/DA3S16207231.html?iref=pc_ss_date_article

 

キャンプ座間・相模総合補給廠
米軍ヘリの騒音が大幅に増加 2024年度
相模原市測定データで明らかに

 キャンプ座間には在日米陸軍航空大隊という部隊があり、5機のUH-60Lブラックホークヘリを運用している。キャンプ座間内のキャスナー飛行場をヘリポートとして用い、米軍基地間の飛行や基地周辺での訓練飛行を日常的に行っている。キャンプ座間による基地被害の一つとしてヘリの騒音が継続していることから、歓迎しない会でも飛行監視・抗議行動を続けている。
 相模原市内では、厚木基地に離着陸する航空機、キャンプ座間と相模総合補給廠でのヘリによる騒音被害が顕著であるため、特に騒音がひどいとされる市内数か所に騒音記録計を設置して常時測定を行い、月ごとのデータとして公表している。また、測定とは別に、市に寄せられた苦情件数についても同様に公表している。
 ここでは米軍ヘリの騒音について取り上げるので、キャンプ座間近くの勝坂コミュニティセンターと相模総合補給廠に近い相模原駅自動車駐車場の屋上に設置された騒音計のデータに注目する。データは年度ごとに集計されるので、2024年度(24年4月~25年3月)の結果が公表されたところである。
 年度途中のデータも見てはいたが、改めて昨年度の騒音のひどさには驚いた。騒音測定回数と苦情件数がともに2023年度と比較して大幅に増大しているのだ。勝坂CCは23年度が2525件、24年度が3940件で56%増、相模原駅は1557件に対し2504件で61%増とどちらも1.5倍以上の増え方である。過去5年間のデータで比較しても年合計はどちらも最高値となっている。
さらに苦情件数(年合計)でみても、2024年度は過去5年間で断トツの1位であり、騒音の回数が多いだけでなく、うるささの程度もひどくなっていると推測できる。
 今のところ、在日米軍・米陸軍の再編の現れなのか戦略的な変化があるのか要因は不明であるが、今後の測定データも含めて注視するとともに、具体的な被害状況の把握も行っていきたい。(編)


キャンプ座間近くでの騒音測定データ


 


5年間の月別騒音測定回数




 相模総合補給廠近くでの騒音測定データ