発行日:2025年3月7日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.112

電子版


[報告]

2025/2/10

厚木基地・キャンプ座間・相模総合補給廠の

爆音被害解消を! 相模原市に要請

 相模原・座間地域では、厚木基地での航空機離発着や低空飛行訓練による爆音被害に加え、キャンプ座間及び相模総合補給廠での米軍ヘリの飛行訓練による騒音や部品落下・墜落による危険にもさらされています。
 一昨年の11月には米空軍オスプレイが鹿児島県屋久島沖に墜落、昨年4月には海上自衛隊の哨戒ヘリ2機が訓練中に衝突し墜落、10月には陸自のオスプレイが訓練中に地面と接触するなど軍用航空機による重大事故が続いています。厚木基地に米海軍・海兵隊オスプレイが飛来したり、横田基地の米空軍オスプレイが訓練飛行したりして相模原・座間地域で目撃されることも頻繁にあります。昨年、神奈川県内でも米軍ヘリの不時着が2度起きるなど、身近でも事故は増大しています。
 このような状況下で、特に3月、4月は卒業式・入学式などの学校行事が予定されるため、爆音による中断や妨害を受けないよう、厚木基地爆音防止期成同盟(厚木爆同)が主体となって毎年、基地周辺市に対して要請を行っており、今年も座間及び相模原の両市に対しては2月10日に行いました。
 相模原市に対する要請は、厚木爆同とともに第五次厚木基地爆音訴訟団相模原支部、相模補給廠監視団、歓迎しない会も連名で行い、厚木基地離発着の航空機にとどまらず、キャンプ座間や相模総合補給廠での米軍ヘリによる被害解消についても要請しています。
 当日、相模原市からは大川亜沙奈副市長、農上勝也教育委員会学校教育部長、佐々木純司基地対策担当部長らが面談に応じ、「要請書*」及び「申し入れ**」を手交した後、質疑が交わされました。「申し入れ」に対しては、副市長から「騒音被害の解消、この時期の飛行自粛についてはこれまでも国や米軍に要請を行っており、継続して要請していく」などの回答が口頭でありました。「要請書」に対しては後日、書面回答を得ています。
(編)

*「要請書」は厚木基地爆音防止期成同盟が提出
**「申し入れ」は4団体の連名で提出。申し入れ項目を以下に掲載




「要望書」と「申入れ」を大川副市長(左)に手渡し


2025年2月10日

相模原市長 本村賢太郎様
相模原市教育長 鈴木英之様

厚木基地爆音防止期成同盟 相模原支部長 山村 充夫
第5次厚木基地爆音訴訟原告団 相模原支部長 金子豊貴男
キャンプ座間への米第1軍団の移駐を歓迎しない会 共同代表 金子豊貴男
相模補給廠監視団 代表 沢田 政司

厚木基地、キャンプ座間、相模総合補給廠の爆音被害解消についての申し入れ

1 爆音被害を解消するため、関係機関への働きかけを、積極的に行うこと。
 特に厚木基地、キャンプ座間の米軍ヘリコプター騒音、横田基地の米空軍機による相模原市内での訓練や市内上空通過による騒音被害について、米軍各軍司令部への申し入れを行うこと。厚木基地の自衛隊機の飛行についても、海上自衛隊に飛行自粛を強く働きかけること。
2 小・中学校等の卒業式や入学式などの学校教育に支障を及ぼす事態を無くすため、この時期の飛行自粛について国・防衛省や自衛隊、米軍各軍司令部へ強く働きかけること。
3 爆音対策として、市当局も努力されている「NHK受信料の助成措置」の実現について、引き続き積極的に働きかけを強めること。
4 騒音記録計の増設、飛行高度測定器の導入などを含め、飛行実態の調査と対策を執ること。
5 厚木基地の騒音被害に伴う住宅防音工事の進捗状況は相模原市内においては逆転現象が起きており、かつ逆転現象下の住宅防音工事は全く手が付けられていません。騒音のひどい地域の住宅防音工事を放置したままの防衛省の対応は許せません。市として、この件の国への働きかけを強く求めます。
6 相模総合補給廠でのヘリコプターの訓練を行わぬよう、米軍に強く求めること。


[報告]

2025/2/5

座間市基地返還等市民連絡協議会
厚木基地を視察

長瀬未紗

 会長の佐藤みと市長をはじめ、市自治会連合会や地域団体、市議会議員等で構成されている座間市基地返還等市民連絡協議会では、毎年近隣の基地の視察を行っている。2月5日、米海軍厚木航空施設(以下厚木基地または基地と呼ぶ)で行われた視察の様子を報告する。

 まずは基地内の司令部庁舎で、市長と司令官の挨拶の後、渉外部の職員さんから厚木基地についての説明を受けた。概要として、ディズニーランド10個分の507万㎡の敷地面積があり、滑走路は2.4㎞で110機の航空機が運用可能。26部隊が駐留するテナントとしての役割があり、各部隊への支援全般や生活・勤務する軍人や家族の生活支援、近隣との友好関係を築く役割も担っている。基地の半径16㎞以内だけでも600万人以上の人口があり、災害対応など近隣8自治体と災害時の連携をしており、災害時には救援物資支援のハブ的な基地ともなる。また地域交流として、小学生で構成された「NAF厚木太鼓キッズ」、綾瀬市の農産物を基地の中で販売するファーマーズマーケット、他にも大和市や座間市内で行われるさまざまなイベントでの交流活動も紹介された。また旧帝国海軍基地として建設されてからマッカーサー元帥の飛来、戦後の海軍基地転換や自衛隊との共同運用、1972年空母ミッドウェイが配備されたことにより艦載機支援の役割をもつようになったことなど、歴史についてのレクチャーもあった。しかし過去に起こった航空機事故については一切触れられなかった。

 説明を受けた後は施設の向かいにあった日本家屋へ。旧日本軍が道場として武道の練習に使っており、戦争中は特攻隊が出撃前にここで祈っていたという話もあった。現在は改修されて礼拝堂として使われている。正面のステージ壁面にはカーテンが3箇所かけられており、カーテンの奥にはそれぞれマリア像、十字架、十字架に架けられたイエス像があった。どの宗教・宗派でも使えるよう配慮されており、キリスト教以外の宗教は別の部屋でお祈りができるとのことだった。

 礼拝堂を出た後は渉外部の職員から説明を受けながら基地内をバスで巡った。ボーリング場や映画館、独身寮、野球場などを通り過ぎた。独身寮は住んでいる人が少なく、住宅地区も艦載機移駐により、以前より部屋が空いているとのことだった。車窓から公園が見えたが、カラフルな遊具エリアには大きな屋根がついており、日本の一般的な公園との差を感じざるを得なかった。
 居住エリアから東側へ。ゴルフ場の間の道路を通り抜け、軍事施設のエリアに入った。米軍のターミナルやブルーの屋根の古い格納庫をはじめ、戦前戦後に建てられ修復しながら使っているという施設も多くあった。道路の左右に米軍と海上自衛隊の施設が向かい合っているエリアもあり、訓練は常に一緒にやっているとのことだった。基地の北端、滑走路へ。海上自衛隊のP-1がちょうど着陸、と思ったらまた飛び立っていった。離発着の訓練のようだ。消火訓練も行われているという説明があった。視察の最後、全員で写真撮影をし、4月19日の日米親善春まつりもぜひ来て,と案内があった。

 今回の視察では、騒音問題や以前流出したPFASの問題等については一切触れず、ただ基地についての一般的な説明にとどまった印象だ。録音・写真撮影は禁止、スマホを出すことすら必要なとき以外はNGと事前に釘をさされ、なぜそこまで厳しくするのかと疑問をもつほどだ。本当の意味での交流をしていきたいなら課題となっている部分も含めて情報を出し、市民に開かれた基地であるべきではないか。4月19日には数万人の来場が見込まれるが、今後の周辺自治体との関係も含め、うわべだけの交流にならないことを願う。
(共同代表・座間市議会議員)





<ニュース報道より>

「日本の防衛費3%に」 米国防次官候補が表明
 在日米軍と自衛隊の指揮・統制深化も

 トランプ米大統領が国防総省ナンバー3の政策担当次官に指名したエルブリッジ・コルビー元国防副次官補は4日、日本は防衛費を国内総生産(GDP)比3%に増やすべきだと求めた。
 人事承認に向けた米上院軍事委員会の公聴会に臨んだコルビー氏が書面で証言した。トランプ政権が日本政府に対し「建設的だが圧力を伴う手法」で、防衛力増強に向けた政策変更を迫るべきだと訴えた。
 在日米軍と自衛隊の指揮・統制枠組みを向上させる日米の取り組みを「加速させ、深めるべきだ」とも主張。韓国軍が有事の際に在韓米軍の指揮下に入ることに触れ、この仕組みに「近づける必要がある」と説明した。 (神奈川新聞 2025年3月6日)



<ニュース報道より>

在日米陸軍・副司令官がNHKのインタビューに応じ、
司令部機能の再編について“より緊密な連携を期待”と回答

 アメリカは、日米の部隊の指揮・統制の向上のため自衛隊に「統合作戦司令部」が創設されるのにあわせて、在日アメリカ軍を再構成し「統合軍司令部」を設けてハワイのインド太平洋軍司令部が担ってきた作戦指揮の権限を持たせることを決めています。
 これについて、(在日米陸軍)ブッチャー副司令官は「連携や協力がさらに緊密になる機会となる」と述べて、意義を強調しました。 (NHK NEWS WEB 2025年1月21日)