発行日:2025年1月1日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.111
電子版
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2025 年頭のごあいさつ
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昨年は歓迎しない会の活動にご協力いただきありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。
コロナ禍がほぼ終息し、新たな取り組みが行われています。米軍や自衛隊の動きも活発になってきています。
昨年12月14日に開いた、「キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を歓迎しない会」第21回総会は、久しぶりに多くの方の参加があり、活発な質疑も行われ、有意義な総会になりました。これもひとえに、地道に20年も活動を続けてきたことが評価されたものと感謝しています。
表面的にみると米軍キャンプ座間の動きは静かなもので、ヘリの飛行は相変わらずですが、動きはほとんど見られません。米軍も、自衛隊も動きはあまり目立たなく、日米合同訓練などが行われているくらいでしょうか。
しかし、このことは米軍や自衛隊がおとなしくなったということではなく、次の動きを計画していると見えます。米軍も今後、バイデンからトランプへの大統領の交代を受けて、次の体制を準備していると考えられます。在日米軍司令部が、横田から港区のアメリカ大使館あるいは山王ホテルに移る案も浮上しています。その為の動きがキャンプ座間、陸自の部隊にも、動きが出てくると思います。注意深く見ていかなければなりません。
一方で米軍が抱える課題、ゴルフ場のボール飛び出し事故の対応、自分たちの飲料水も含む、座間市の地下水汚染、PFASの汚染対応も課題です。日本はPFASの基準を50ナノグラムに設定していますが、米本国はすでに4ナノグラムに下げています。座間市の地下水を汚染から守るにはハードルが高いといえます。キャンプ座間に駐留する自衛隊員や軍人軍属の飲料水も同じことが言えます。この点もしっかり押さえたうえで、新年の活動を進めなければなりません。
新しい年を迎え、キャンプ座間の基地強化を許さないこと、市民の安全安心な暮らしを脅かさないことを、一層、声をあげていく必要があります。皆さまと課題を共有するためのフィールドワークなどを本年も行っていく予定です。ぜひ積極的なご参加をお待ちしています。課題解決に向け、ともに頑張りましょう。
共同代表 金子豊貴男、長瀬未紗
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[報告]
2024/12/14
歓迎しない会 第21回総会 & 交流会
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「歓迎しない会」の第21回総会を12月14日、小田急相模原駅文化交流プラザ「おださがプラザ」多目的ホールにて開催しました。
総会議事と併せて終了後に参加者の交流会も行いました。
総会議事は、24年度の活動報告、会計報告をおこない、続いて25年度の活動方針を事務局より提起し、了承を頂きました。事務局メンバーは全員留任となります。引き続きよろしくお願いします。
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総会の様子
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<昨年の動向と活動について>
歓迎しない会では、キャンプ座間の在日米陸軍及び陸上自衛隊の動向チェックを行っていますが、単に基地の監視だけではなく、米軍や自衛隊の戦略の推移、それに伴う部隊編成の変化にも注目しています。24年度は在日米陸軍に大きな変化が見られました。
一つは、第10支援群隷下の「第35戦闘維持支援大隊」が活動を停止、「第765輸送ターミナル大隊」として再編成されました。23年、横浜ノースドックに新編された揚陸艇部隊である「第5輸送中隊」が、765輸送ターミナル大隊隷下となり、「陸上自衛隊との統合性と相互運用性を向上させるという新たな役割を担う」とされました。
もう一つは、在日米陸軍の指揮系統が変わりました。これまでキャンプ座間の米軍のトップは、「在日米陸軍/第1軍団(前方)」でしたが、更新された在日米陸軍の“コマンド・ストラクチャー(指揮系統)”では、「第1軍団(前方)」が外れ、「在日米陸軍」となりました。また在日米陸軍の下に「米太平洋陸軍(前方)」が配置されました。
昨年7月に開催された日米2+2で、自衛隊に新たに設けられる「統合作戦司令部」に対応させるため、在日米軍を作戦指揮権のある「統合軍司令部」に格上げすることが合意されました。在日米陸軍の再編もこれに沿ったものではないかと考えられます。
質疑の中では、「これらの部隊再編によって在日米陸軍の実際の機能がどう変化したのか」、「第5輸送中隊は隊員280名と言われているが、すでに配置されているのか、どこに居住しているのか、実際の動きが見えない」等々の疑問もあり、継続して動向を見ていくことが確認されました。また、当会の名称の由来でもある米陸軍第1軍団が在日米陸軍の指揮系統から外れたことで、「名称を変更する必要があるのでは」との指摘もありました。
また、米軍や自衛隊の動向とは別に注意しておくべきこととして、キャンプ座間及び相模総合補給廠が重要土地等調査法に基づく「注視区域」に指定されたことが挙げられます。昨年5月15日以降、基地の周囲1km以内が内閣府による土地・建物の利用状況に係る調査の対象区域となりました。特にキャンプ座間は「特別注視区域」に指定され、面積が200㎡以上の土地・建物の所有権移転等の契約を締結する場合に、内閣府へ事前の届出が義務付けられることになりました。この法律によって、区域内の活動が規制されるのではとの懸念もありますが、今のところ基地監視活動への影響は出ていません。
米軍・自衛隊のオスプレイ及びヘリの事故が多発したことについても、意見が交わされました。
23年11月に米空軍オスプレイが鹿児島県・屋久島沖で墜落、搭乗員8人全員が死亡した事故を受け、米軍は全軍のオスプレイの飛行を中止、陸上自衛隊のオスプレイも飛行を見合わせました。米軍は昨年3月、事故原因を「特定の部品の不具合」と公表、「点検・整備で安全性が保てる」としてオスプレイの飛行を再開させました。
10月には、与那国駐屯地(沖縄県)で、「キーン・ソード25」に参加していた陸上自衛隊オスプレイが離陸時に機体の制御ができなくなり、損傷する事故が発生、オスプレイの飛行を停止しました。防衛省は11月13日、「操縦ミス」として片づけ、飛行を再開させました。
さらに米軍は12月6日、米国ニューメキシコ州で11月に発生した事故を受け、再びオスプレイの運用を一時停止しました。陸自オスプレイも飛行を停止、12月末までに米日とも再開しています。
また、ヘリの事故も多発。4月に海自の哨戒ヘリどうしが衝突し墜落、搭乗員8人が死亡しました。それ以外にも事故や不時着が相次ぎ、神奈川県内でも海老名と茅ヶ崎で米軍ヘリの不時着がありました。
事故多発の背景には、日米共同演習などの実戦に近い訓練が頻繁に行われるなど、運用上のリスクが高まっていること、またオスプレイに関しては、機体自体が問題を抱えているにもかかわらず、それを無視し、「安全確認を行って」飛行させるといった無理な運用が指摘されています。
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<活動方針>
総会議事の最後に事務局より25年度の活動方針を提起し、確認いただきました。
① キャンプ座間の米陸軍の強化に反対、基地の整理・縮小を求めます
② キャンプ座間の陸上自衛隊強化・日米軍事一体化に反対します
③ キャンプ座間の動きの把握、工事などの実態把握と対応を図ります
④ キャンプ座間のヘリ騒音、さまざまな被害を告発し、なくすための活動を進めます
など、これまでと同じ計9項目の方針を掲げ1年間の活動を行っていきます。
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<交流会>
総会議事終了後は交流会とし、総会で話せなかったこと、また出席された方が取り組んでいる活動などを自由に発言していただきました。
有機フッ素化合物(PFAS)汚染に関しては、相模原市や座間市での汚染実態が報道され、出席者の関心も高く、活発な発言が続きました。 最近の報道でも、米軍基地・自衛隊基地の内部や周辺での汚染が次々と判明しており、基地問題としても重要な課題となっています。
また、基地の存在自体が通行など、生活上の支障となっていることを訴える発言もあり、基地撤去を求める声をさらに高めていく必要があることも共有されました。 (編)
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交流会の様子
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事務局体制について
25年度の事務局については全員を留任とし、総会で了解をいただきました。引き続きよろしくお願いします。
共同代表 金子豊貴男、長瀬未紗
事務局長 松本憲明
事務局次長 安海のぞみ、山村充夫
会計 岩本香苗
会計監査 加藤陽子
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