発行日:2024年7月12日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.108
電子版
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[報告]
座間市議会 基地政策特別委員会及び要請行動
長瀬未紗
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座間市の基地政策特別委員会は年4回の議会会期中に1日開催されます。委員は各会派及び会派に属さない議員から1~2名出ており、今期は私も委員となっています。6月18日に開催された本委員会では、前回3月18日の本委員会以降の基地政策に関わる事項について、市より報告を受けました。今回の主なトピックスとしては①オスプレイの運行再開②重要施設周辺及び国境離島における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(重要土地規制法)の特別注視区域の指定についてでした。
①のオスプレイ運行再開に関しては、3月8日に全世界で運行停止措置を解除したのち、たった5日後の13日に日本での運行再開が明らかにされました。防衛省が運行再開について「説明をした」とする自治体が防衛省ホームページに掲載されており、座間市も該当自治体として一覧に載っています。これについて委員会で市に確認したところ、事故原因の詳細については「説明がない」ということでした。県内他市においても同じ状況であり、神奈川県基地関係県市連絡協議会でも3月26日付けで抗議を行っていますが、引き続き、不安に思う市民へ丁寧な説明を尽くすよう米軍及び防衛省に要望することを求めました。
②の重要土地規制法は、基地や原発などの施設周辺の200平方メートル以上の土地等の売買等をする場合に届け出が必要となる法律で、2022年9月に施行されましたが、具体的な内容は示されていませんでした。今回、キャンプ座間から半径1キロが「特別注視区域」に指定され、その範囲について初めて明らかになりました。栗原中央にある水道施設もライフラインとして本体と一体と見なされるとのことで、座間市の広範囲にわたって特別注視区域の指定を受けることとなりました。土地等の売買に市民にとって不都合のないよう、国に引き続き求めていきます。
基地政策特別委員会では、毎年7月に要請行動を行っています。今回も議論を経てようやくまとまった「基地に関する要望書」を、7月3日南関東防衛局に提出してきました。キャンプ座間に関する要望項目の1つ、有機フッ素化合物(総称:PFAS)に関しては、すでにPFASの一種であるPFOSを含まない泡消火剤に交換していると聞いていましたが、今回新たに「2024年9月までに、PFASを含まない非フッ素の泡消火剤及び泡消火設備に交換する」と回答がありました。ということは、PFOSではない、他の種類のPFASを使用しているということか?質問をぶつけましたが、「現状はわからない」ということでした。どのような物質が使われているか把握をしていないということですが、全国で問題になっている中、国は責任をもって現状を調べ、明らかにすべきと考えます。
引き続き、基地政策特別委員会では市の基地政策について市民の目線から質疑を行っていきます。次回、座間市の基地政策特別委員会は8月21日です。議会事務局で手続きの上、傍聴が可能です。またニュース等で報告します。
(座間市議会議員、歓迎しない会共同代表)
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相模原市内米軍基地の主な状況について
相模原市議会 基地対策特別委員会(7/5)の資料から
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7月5日に、相模市議会基地対策特別委員会が開催され、市内米軍基地の主な状況が資料として提示されました。ここでは、歓迎しない会としてこれまでに問題としてきた項目のうち、「ゴルフボールの飛び出し」及び「重要土地等調査法に基づく注視区域等の指定について」を紹介したい。
キャンプ座間ゴルフコースからのボール飛び出しについては、「参考資料2」で一覧表が示されているが、2022年度が6件、2023年度が5件確認されている。今年度も4月に1件が記録されている。歓迎しない会ニュースNo.103でも昨年8月の米軍の対策について報告したが、件数だけでみると、状況が改善されたとは考えられない。この問題については引き続き監視が必要であるが、「米軍人及び軍属のためのレクリエーション施設」ともいえない状況で営業を続ける必要があるのか、改めて問いたい。
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1 市内米軍基地の主な状況について (1)キャンプ座間 (ウ)ゴルフボールの飛び出し
キャンプ座間ゴルフ場は、(略)米軍人及び軍属のためのレクリエーション施設であり、広さは約52haで、18ホールを備えている。ゴルフコース東側沿いの基地内道路を挟んで、中学校、公園、ふれあい広場等の施設及び民家が密集する地域に隣接している。
ゴルフボールの飛び出しは、以前から度々発生しており、その都度防衛省南関東防衛局(以下「南関東防衛局」という。)及び米軍に対策を求めてきたが、平成20(2008)年5月には、飛び出したゴルフボールが児童の顔に当たり怪我を負わせる事故が発生したことを受け、米軍においては平成20年度から平成21年度にかけて使用するゴルフクラブの規制、コースレイアウトの変更、防球ネットの増設工事等を、南関東防衛局においては平成23年度から平成24年度にかけて防球ネットの嵩上げ工事を行った。また、令和4(2022)年8月から同年10月にかけて、米軍は、防球ネットの一部張替及び補修工事を実施している。
しかし、令和4年の米軍による防球ネットの一部張替及び補修工事後においても、ゴルフ場の近隣でゴルフボールが飛び出した又はその可能性があるとみられる事案が7件(本年6月末日現在)発生しており、防球ネットの嵩上げエ事以降の同事案は、計25件にのぼる。(略)
南関東防衛局及び米軍においては、令和3年6月から同年8月にかけて南関東防衛局が実施したゴルフボール弾道シミュレーション調査結果を踏まえ協議した結果、昨年8月、米軍は6番ホールにおいてゴルフティーの使用を禁止し、ボールが高く打ち上がらないようプレイヤーに対する禁止事項を設けるなどの対策を講じた。その後、5番ホールにおいて飛び出しが発生したため、5番ホールにおいても左利きプレイヤーのゴルフティーの使用を禁止した。
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次に「重要土地等調査法に基づく注視区域等の指定について」ですが、キャンプ座間の周囲が「特別注視区域」に指定されたことは、歓迎しない会ニュースでも伝えましたが、それが実際にどの範囲なのかが、参考資料9で示されました。
単純に基地のフェンスから1km以内の区域と想像していましたが、1ページ②の報告にもありますように、基地の外にあるキャンプ座間関連施設、具体的には地下水の取水施設や配水施設の周囲1kmも対象となっています。すなわち、「小島」のような施設の周囲も含まれるため座間市側の特別注視区域は、広くなっていることが確認できます。(編)
(資料提供 仁科なつみ議員)
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2 航空機騒音等の状況について (3)その他
(ウ)重要土地等調査法に基づく注視区域等の指定について
本年4月12日、内閣府において、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(令和3年法律第84号。以下「重要土地等調査法」という。)に基づき、安全保障上重要な施設等の機能を阻害する土地・建物の利用を防止するため、相模総合補給廠及び陸上装備研究所の敷地の周囲おおむね1,000メートルの区域が注視区域に、キャンプ座間及び座間駐屯地の敷地の周囲おおむね1,000メートルの区域が特別注視区域に指定された。・・(参考資料8,9)
重要土地等調査法に基づく注視区域等の指定に伴い、本年5月15日以降、これらの区域は、内閣府による土地・建物の利用状況に係る調査の対象区域となったほか、特別注視区域については、面積が200平方メートル以上の土地・建物の所有権移転等の契約を締結する場合に、内閣府へ事前の届出が義務付けられることとなった。
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参考資料9 特別注視区域 区域図

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<報道より>
「PFAS漏れ事故は『非公表』で」
アメリカの要求に日本政府は従い、国民に真実を隠した
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米軍横田基地(東京都福生市など)で昨年1月に発生した高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水の漏出事故について、日米両政府が非公表とする方針で合意していたことが、政府関係者への取材で分かった。日本政府は、米軍側から事故についての説明を受けた際、情報を外部に出さないよう求められ、これに従っていた。
政府関係者によると、日本政府は今年3月、日米合同委員会の下に設置されている「環境分科委員会」の会合で、事故の事実関係が記された資料を米軍側から提供された。資料は関係自治体に伝達する方向で調整していた。
◆報道で暴露されたことを問題視
ところがその後6月に開かれた分科委の会合で、日米の関係機関は事故を公表しない方針で合意した。米側は事故が報道で表沙汰になった経緯を問題視し、「不正に入手された情報に、公式に情報を出すのは間違っている」と理由を説明、日本政府側は受け入れたという。
米軍基地の環境汚染問題については、日米地位協定の環境補足協定(2015年締結)に基づき、日本政府と米側が、有害物質の漏えいなどの情報を相互に提供することに努めることを規定する。ただ、日本政府が米軍から得た情報を地元自治体に説明する義務は定められていない。
[2024/7/10 東京新聞電子版]より抜粋
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