発行日:2024年3月8日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.106

電子版


 
キャンプ座間への「土地規制法」適用について
座間市議会(3月定例会)で質疑

安海のぞみ

 昨年末、国はキャンプ座間と座間駐屯地を『重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律』(以下土地規制法と表記)に基づき、指揮中枢・司令部を指定の事由として特別注視区域の候補とした。同等の事由で相模総合補給廠も候補となっている。
 これにより内閣府は関係地方公共団体に区域図(案)を送付し区域の実情を把握するため意見聴取の協力を求め、座間市も回答を終えたとのことから、この土地規制法の今後の運用とこれが市並びに市民に及ぼす影響を一般質問のテーマに取り上げた。
 国への回答の中味は、「指定区域内の地理的情報と開発行為の現況等の情報提供、法の運用にあたっては住民の不利益にならぬこと、市民が不安に陥ること無きよう理解が得られる説明を国の責任において行うこと、市民に不利益が生ずるようであれば制度の見直し、を求める意見」とのことで、市としては国の専管事項であり今後とも調査や市民への周知には協力をする立場、土地等規制法が市民に及ぼす特段の影響は無いものと考えるとの答弁であった。
 市の答弁はおよそ予想通りのものではあったが、不利益あらば見直しをの意見表明は重要かつ評価に値すると感じている。
 重要施設指定となる基地等への「機能阻害行為」と称される行為(重要施設の施設機能及び国境離島等の離島機能を阻害する土地等の利用の防止に関する基本方針に例示有るが、公道や公園等での集会やウォッチングが該当するかどうかは含みを匂わす)を抑制し規制することにつながるやも知れないこの法律の今後の運用は、私達の活動にも直結しており、多くの市民にその影響を及ぼすかもしれない。
 内閣府がちらつかせる土地規制法に臆すること無く、これまで同様に日々の運動を継続し声をあげ続けるとの思いをより強くしている。日常活動の中で何がしか異変を感じられましたら、どんな小さな事であっても当会までご一報いただきたい。この法律の運用をより注視し、問い質していかなければならない。
 5月の本会恒例のキャンプ座間フィールドワークでは、これが機能阻害行為に類するのかどうかを味わいながら基地ウォッチングをしてみようではありませんか。
 (歓迎しない会事務局、座間市議会議員)


 
[報告]
2024.2.26
爆音被害の解消について相模原市に申入れ

 厚木基地での航空機離発着や低空飛行訓練による爆音被害が解消されない状況のなか、卒業式・入学式など春の学校行事に際して爆音による中断や妨害を受けないよう、厚木基地爆音防止期成同盟(厚木爆同)が主体となって毎年、基地周辺市に対して要請を行っています。今年もその時期となり、相模原市に対しては2月26日に要請を行いました。
 相模原市に対する要請行動は、厚木爆同とともに第五次厚木基地爆音訴訟団相模原支部、相模補給廠監視団、歓迎しない会も同席しました。厚木爆同の要請書は、航空機の飛行自粛、航空機事故の防止などを国や米軍に強く働きかけること、重要土地調査法に基づく「注視区域」や「特別注視区域」指定に反対することなどを求めています。歓迎しない会を含む4団体は、相模原市内での米軍ヘリの低空飛行訓練などにも言及した申入れを行いました。
 相模原市側は大川亜沙奈副市長が出席し、要請書と申入れ書を受け取り、短い時間ではありましたが質疑に応じました。口頭での市側の回答は「これまでも国や米軍に要請を行っている、引き続き適切に対処する」とのことでしたが、結果を注視する必要があります。 (編)




要請書を大川副市長(左)に手渡し

 2024年2月26日

相模原市長 本村賢太郎様
相模原市教育長 渡邉志津代様

厚木基地爆音防止期成同盟 相模原支部長 山村 充夫
第5次厚木基地爆音訴訟原告団 相模原支部長  金子豊貴男
キャンプ座間への米第1軍団の移駐を歓迎しない会 共同代表 金子豊貴男
相模補給廠監視団 代表 沢田 政司

厚木基地、キャンプ座間、相模総合補給廠の爆音被害解消についての申し入れ

 昨年11月29日、米軍オスプレイが屋久島沖に墜落、乗員8名が死亡するという、大きな事故が起きてしまいました。横田基地を離陸し、相模原市上空を通過、飛行、岩国基地で給油、沖縄・嘉手納基地に向かう途中で墜落するという事故でした。一歩間違えれば住民を巻き込んだかもしれない、極めて深刻な事態、事故です。
また、昨年後半は公表されただけでも米軍機や自衛隊機の部品落下事故が相次いでいます。
 私たち、相模原市の地域住民は、厚木基地の米軍や自衛隊機の爆音に悩まされ、生活の様々な面で被害を受けております。キャンプ座間や横田基地のヘリによる旋回訓練や夜間にまで及ぶ訓練などで、市民は日頃から騒音、墜落の危険に怯える厳しい状況にあります。
 3月上旬から4月上旬にかけては、小・中学校等の卒業式や入学式の時期であり、大切な学校行事が爆音によって一時中断する事態や、式典の進行に支障を及ぼすことは避けなければなりません。このような住民の被害や苦痛と不安、そして子供たちの大切な学校教育に支障を与える爆音被害を無くすため、次のことを申し入れます。貴職の一層のご努力を要請いたします。

1 爆音被害を解消するため、関係機関への働きかけを、これまで以上の取り組みを行うこと。特に厚木基地、キャンプ座間の米軍ヘリコプター騒音、横田基地の米空軍機による相模原市内での訓練や市内上空通過による騒音被害について、米軍各軍司令部への申し入れを行うこと。厚木基地の自衛隊機の飛行についても、海上自衛隊に飛行自粛を強く働きかけること。
2 小・中学校等の卒業式や入学式などの学校教育に支障を及ぼす事態を無くすため、この時期の飛行自粛について国・防衛省や自衛隊、米軍各軍司令部へ強く働きかけること。
3 爆音対策として、市当局も努力されている「NHK受信料の助成措置」の実現について、引き続き積極的に働きかけを強めること。
4 騒音記録計の増設、飛行高度測定器の導入などを含め、飛行実態の調査と対策を執ること。
5 現在は世界規模で飛行が停止している、横田基地や普天間基地のオスプレイの飛行再開を行わず、本市上空の飛行、訓練を行わないよう、国や米軍に強く申し入れること。
6 相模総合補給廠でのヘリコプターの訓練を行わぬよう、米軍に強く求めること。

以上

 

 

[報告]

2024.2.13

座間市基地返還等市民連絡協議会
相模原住宅地区と相模総合補給廠を視察

長瀬未紗

 市長、市自治会連合会や地域団体、市議会議員等のメンバーで構成されている座間市基地返還等市民連絡協議会では、毎年基地の視察を行っている。今年度は2月13日、14年ぶりに相模原住宅地区と相模総合補給廠への視察となった。

 まずは相模原住宅地区内にある学童センターへ。住宅地区内には小学校があり、同センターは放課後に子どもたちが通う場として使われている。広々として天井も高いロビーを囲むようにしていくつかの部屋や屋内体育室があり、子どもたちは好きな場所で過ごせる。日本の児童ホームではあまり聞かれない「一時預かり」も行われており、1時間単位で保護者は子どもを預けることができるという。利用料金は年収にもよるが、日本よりも桁違いに高いそうだ。
 ちなみに住宅地区内のアーン小学校と座間市内の小学校の交流は毎年行われており、今年度も2月に東原小学校の子どもたちが訪れている。
 学童センターを出てバスで住宅地区を回りながら、在日米陸軍管理本部の日本人スタッフから車窓から見える景色について説明があった。東京ドーム12.7個分の住宅地区内には162棟の住宅があるそうだが、小学校や学童センター、保育所、プール、ランニングトラック、映画館まであり、公園も11個ほどあるということで空間的にはかなりのびのびと生活できることが伺えた。日本ではこの住宅数に対しこれだけの充実した設備など、あり得るだろうか。
 また、水道みちと呼ばれる遊歩道が相模原住宅地区の影響で「分断されている」と説明があった。「分断」という言い方に、少なくともこのスタッフは、市民に不便を強いていると捉えているのではと感じた。




学童センターのアート教室

 続いて訪れた相模総合補給廠では野戦病院について主に説明を受けた。巨大倉庫の中には資機材が高く積まれており、248床4セット分置かれているとのことだった。1セットの病院で最大6部屋の手術室もあり、1部屋につき2人のオペが同時に可能だという。
 野戦病院はイランやアフガニスタンで実際に使われている。使用するときには、野戦病院コンテナを水や発電機など積んだ車とともに現地まで運び、約1週間をかけて1つの病院を建てるそうだ。規模にもよるが運用をするのには200人ほどのスタッフが必要とのこと。サッカー場3つ分のスペースがあれば1つの病院が展開できるという。「これを能登でも展開してくれていれば」と漏らす委員もいた。能登半島地震後、被災地の医療体制が逼迫しているという情報もあったためだろう。

 野戦病院の巨大倉庫見学後は、再び車窓ツアーとなった。補給廠の西側にある共同使用地に入ると、フェンスの向こう側には相模原市のレクリエーションゾーンとして整備されたグラウンドがあり、フェンスから数十メートル離れたこちら側には相模原市から寄贈されたという50本の桜の木があった。「市民から見えるところに」と市からの希望でこの位置に植えられたそうだが、遠くから眺めることはできても桜の下でのお花見はできそうもない。
 改めて、相模原市の一等地にこれだけの悠々とした空間があることを目の当たりにし、恐らくは相模原市も座間市と同様これだけの土地に見合った額の交付金は国からもらっていないことからも、市民が不便や不利益を被る状況を変えていく必要があることを感じた。
 (歓迎しない会共同代表、座間市議会議員)




野戦病院の手術室




野戦病院の資材を保管