発行日:2024年1月1日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.105
電子版
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2024年頭のごあいさつ
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昨年は歓迎しない会の活動にご協力いただきありがとうございました。本年もよろしくお願いいたします。
安保関連3文書の閣議決定から約1年が経ちました。政府は南西諸島の防衛力を強化し、米軍との一体化も加速しています。普天間飛行場の辺野古移設も沖縄県知事の承認がないままに推し進め、国は軟弱地盤改良工事について設計変更承認の代執行を行おうとしています。今こそ国は沖縄と向き合い基地負担軽減のための対話をするべきであり、国の姿勢は地方自治をないがしろにしていると言わざるを得ません。
11月には鹿児島県・屋久島沖で米空軍横田基地所属CV-22オスプレイが墜落しました。墜落後の住民不安が高まっている中にも関わらず、オスプレイが綾瀬、大和など基地周辺の上空を何度も通過する姿が確認されています。航空機からの部品落下も相次いでいます。キャンプ座間ではゴルフボールの飛び出し、キャスナーヘリポートを離発着するヘリコプターの騒音や低空飛行も続いており、基地周辺住民の安全は脅かされています。
歓迎しない会結成から20年が経ちました。軍事に依らない平和構築を目指して、私たちは活動を通し、キャンプ座間の基地強化を許さないこと、市民の安全安心な暮らしを脅かさないことを地域から一層の声をあげていきたいと考えます。今年度も、共に学ぶためのフィールドワーク等を企画していきます。ぜひ積極的なご参加をお待ちしています。
共同代表 金子豊貴男、長瀬未紗
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[報告]
2023.12.9
歓迎しない会 第20回総会 & 交流会
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「歓迎しない会」の第20回総会を12月9日、座間市の市民交流プラザ「プラっとざま」の多目的ラウンジにて開催しました。
例年、総会議事と併せて講演会、学習会などを行っていますが、今回は20回という節目でもありましたので、これまでの会の活動を振り返る交流会としました。
まず総会議事として、23年度の活動報告、会計報告をおこない、続いて24年度の活動方針を事務局より提起し、了承を頂きました。
この1年のキャンプ座間の動きとしては、目立ったものはなかったという印象です。歓迎しない会としては、米軍のヘリ騒音、基地内ゴルフ場からのゴルフボール飛び出しの問題に継続して取り組むとともに、フィールドワークによるキャンプ座間の監視を行いました。
一方で、米軍及び自衛隊の動きを見ますと、沖縄・九州を中心に、基地の新設、増強と部隊の配備・改編が活発化しています。
首都圏でも横浜ノースドックに米陸軍小型揚陸艇部隊が新編され、4月から配備が始まっています。すでに9月の日米共同訓練「オリエントシールド23」で、自衛隊との連携訓練が行われています。この小型揚陸艇部隊は、沖縄の海兵隊「第12海兵連隊」が「第12海兵沿岸連隊(MLR)」へ改編されたこととも関係しているといわれています。より機動力をもった海兵隊部隊の展開には、海上輸送力の増強も必要となるからです。
この揚陸艇部隊新編によって280名の隊員を収容するための居住施設が必要となるため、キャンプ座間をはじめ既存基地にそれら施設を確保、あるいは新設するとの情報があり、動向を注視しています。
有機フッ素化合物が基地外へ流出し、地下水や河川を汚染していることが全国的に問題となっています。神奈川県内でも横須賀基地、厚木基地からの流出、座間市内の河川や水道水に用いる地下水の汚染などが現実となっています。座間市では汚染の原因を調査していますが、今のところ明確な汚染源は確認できていません。キャンプ座間に近い場所での汚染でもあり、引き続きこの問題にも取り組みます。
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総会後の交流会の様子
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2006年3月の行動
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<交流会>
総会議事終了後は交流会とし、歓迎しない会の20年を振り返りながら自由に発言していただきました。
歓迎しない会の結成総会は2004年11月27日、相模原市の誠心第二幼稚園講堂にて行ったと記録にあります。当時、日米政府間で在日米軍再編の交渉が行われており、キャンプ座間には米陸軍第1軍団司令部を移駐させるとの米側の要求が明らかになっており、もしそれが実現すれば、キャンプ座間は大増強となり、地元としては到底受け入れられるものではなかったのです。現在のキャンプ座間は概ね2006年の日米ロードマップ合意で示されたものとなっています。(その後、さらに改編された部隊もあります。)
交流会では、結成時から関わっている金子共同代表から、当時の状況を資料の紹介とともに説明してもらい、また、結成時から最近までの写真(スライド)60数枚をみながら、その時々の会の取組を振り返りました。
(編)
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[事務局体制について]
24年度の事務局については1名を除いて留任とし、総会で了解をいただきました。引き続きよろしくお願いします。
共同代表 金子豊貴男、長瀬未紗
事務局長 松本憲明
事務局次長 安海のぞみ、山村充夫
会計 岩本香苗
会計監査 加藤陽子
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[報告]
2023.12.8
オスプレイ墜落事故について相模原市に緊急申入れ
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11月29日、横田基地所属の米空軍CV22オスプレイが岩国から嘉手納に向けて飛行中、鹿児島県屋久島付近で機体にトラブルが発生、制御不能となり海中に墜落し、8名の搭乗員全員が死亡というオスプレイとしては開発段階を除き最多の死者数の事故となった。
ちょうどこの事故が起きた頃、厚木基地には米海兵隊のオスプレイ4機が飛来、12月5日まで厚木基地を拠点に、周辺地域上空の飛行と厚木基地での離着陸を繰り返した。
12月6日には、第5次爆音訴訟団、厚木爆同、県央共闘などによる厚木基地抗議・申入れ行動が行われたが、米軍はこの日になってやっと、すべてのオスプレイの飛行を一時停止とした。
これらの経緯を踏まえ、相模補給廠監視団、歓迎しない会など4団体は12月8日、相模原市に対しCV22とMV22のどちらも上空を頻繁に飛行することによる危険性を指摘し、オスプレイの飛行禁止、撤去を国に求めるよう緊急申入れを行った。
申し入れ書は本村市長に直接手渡し、口頭でも内容を伝えた。(編)
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緊急申入れ書を本村相模原市長に手渡した
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12月12日、相模原市米軍基地返還促進等市民協議会が米軍や政府に要請行動。オスプレイについても要請した。
(神奈川新聞12月13日付)
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2023年12月8日
相模原市長 本村賢太郎様
第5次厚木基地爆音訴訟原告団相模原支部
支部長 金子豊貴男
厚木基地爆音防止期成同盟相模原支部
支部長 山村 充夫
相模補給廠監視団
代表 沢田 政司
キャンプ座間への米第1軍団の移駐を歓迎しない会
共同代表 金子豊貴男
共同代表 長瀬 未紗
緊急申入れ書
日々の精励に敬意を表します。
2023年11月29日、鹿児島県屋久島沖の海上に東京・横田基地に配備されている米空軍CV-22オスプレイが墜落する事故が発生しました。連日、相模原市北部地区上空を飛行しているものと同型の機体です。報道によれば、事故を起こしたオスプレイは米軍岩国基地(山口県)から、別のオスプレイ2機とともに米軍嘉手納基地(沖縄県)に向かう予定であったところ、午後2時45分頃、「火が出て爆発し海上に墜落した」とする目撃者の情報があり、午後3時25分頃に別の1機が鹿児島県屋久島空港に着陸したと伝えています。搭乗員8人のうち6の死亡が確認され、残る2人は行方不明のままです。
屋久島沖に空軍のオスプレイが墜落したころ、厚木基地にも海兵隊のオスプレイMV-22が4機飛来し、30日~12月5日まで厚木基地を拠点に、キャンプ富士などでの訓練を行いました。このMV-22オスプレイは相模原市南区上空を飛行しており、多くの目撃証言が寄せられています。
オスプレイの事故及び、相模原市内上空の飛行については平成27年(2015年)6月議会で横田基地へのオスプレイ配備反対の一環として、「横田基地へのオスプレイ配備に関する意見書」を可決し、政府に(議会として)提出しています。しかし、議会や市長、市民のオスプレイに対する懸念の声にも関わらず、米軍と日本政府はオスプレイの飛行を続け、今回の墜落、重大事故に至っています。今回の事故が海上でなく、本市の市街地上空で起きたら、取り返しのつかない大惨事となったのは必至であります。
私たちは市長に、市民の安全確保のため、オスプレイの飛行停止、危険除去を、国・防衛省、外務省へ働きかけ、米軍への要請を行っていただきたく、申し入れます。
また、全国の基地を抱える自治体等と連携し、日米地位協定の改正も努力していただきたく、相模原市の一層の前向きな対応を求めます。
記
1.墜落事故に至る経過について、東京・横田基地を離陸した日時、時刻、飛行経路の詳細を明らかにすること
2.相模原市内上空を飛行するオスプレイの飛行実態を調査し、飛行を発見、確認した際は、米軍や国、防衛省に抗議すること
3.発見、確認したオスプレイの飛行実態を、ホームページなどで市民に告知、報告すること
4.相模原上空での飛行を今後一切やめるよう、米軍、防衛省に求めること
5.全国の基地を抱える自治体等と連携し、オスプレイの日本国内での飛行を禁止するよう、米軍、国・防衛省に求めること
以上
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[報告]
2023.12.12
座間市議会 基地政策特別委員会
長瀬未紗
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12月12日に行われた基地政策特別委員会では、9月に行われた前回の委員会から今回までの間のキャンプ座間や米軍に関することが市の担当課より報告された。以下10項目が今回の内容である。
①住宅防音事業における個人情報の誤送信について
②厚木基地騒音対策協議会の要請について
③海上自衛隊厚木基地所属の航空機P-1の部品紛失について
④令和5年度第2回日米合同清掃について
⑤米軍オスプレイの事故について(情報提供)
⑥オスプレイ墜落事故について(緊急要請)
⑦日米交流事業2023-24 in キャンプ座間「SEED project」
⑧航空機騒音の状況
⑨苦情受付状況
⑩地域別苦情受付状況
11月のオスプレイ墜落事故については、防衛省南関東防衛局から市に送付された情報提供について詳細に示された。また、県と基地が所在する8市で構成される神奈川県基地関係県市連絡協議会が、国に対し、安全が確認されるまでのオスプレイの飛行停止や事故原因・再発防止策についての適宜情報提供等を求める要請を行ったことが報告された。しかし大和市・綾瀬市が独自に要請行動を行ったのに対し、座間市はオスプレイが飛んでいるにも関わらず独自の要請は行っていない。
航空機からの部品落下も相次いでいる。10月24日、厚木基地第51航空隊所属のP-1型哨戒機について、長さ1.5㎝、重さ1gのスクリュー(ねじ)が紛失していたと報告があった。また委員会には間に合わず報告は次回となる見込みだが、12月7日には米海軍の第5空母航空団第12海上戦闘ヘリ部隊(HSC-12)所属のMH-60Sヘリコプターから重さ約7kgのパネルが落下。また12月20日には、第51航空隊P-1型哨戒機の直径45㎜、長さ20㎜、重さ22gの部品が紛失とのことで、一歩間違えれば大惨事となる事態が起こっており、市民の不安は増すばかりである。
オスプレイの件も部品落下の件も、市民への適宜適切な情報提供を市として行うことが必要と考える。さらに市独自でも国や米軍に対し抗議活動を行うよう、委員会でも求めた。市からは、単独でもやるべきと考えた場合は要請していくと答弁があったが、市民の安全安心を守るためにも今後も訴えていきたい。
苦情受付回数について、市からは毎回報告されている。航空機の騒音に悩まされる市民は多いと感じるが、苦情電話をかけるまでに至らない方も多いのではないかと推察する。しかし、それでは市は「苦情はない」と判断してしまうので、騒音を感じたらぜひ市に通報していただきたい。市から県・国に報告される。通報は、市の総合受付に電話をかけ「航空機騒音で」と伝えれば担当課につないでもらえる。子どもたちからも恐怖・苦痛を感じているという声を度々聞く。子どもたちのためにも、穏やかなまちにしていくためにも、アクションを起こしていこう。
(歓迎しない会共同代表、座間市議会議員)
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墜落事故翌日も厚木基地で離着陸するMV22
(2023/11/30 爆音訴訟調査研究センター撮影)
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[新聞報道より] (2023.12.26)
土地利用規制法の規制対象区域として新たに184か所
キャンプ座間も特別注視区域に
土地利用規制法は2022年秋に施行され、防衛施設など安全保障上重要な施設の周辺や国境の離島を規制対象とするもの。自衛隊や米軍の基地、原子力発電所といった重要施設の周辺約1キロや、国境の離島を「注視区域」に指定。指定されれば政府は土地の利用状況を調べ、施設の機能を損ねる行為に罰則つきの命令などができる。さらに「特別注視区域」に指定されると、売買の際などに事前届け出が義務づけられる。
すでに399か所が規制対象区域として指定済みで、12月26日に土地等利用状況審議会に提示されたのは特別注視区域33カ所と注視区域151カ所。政府は今回で「おおむね網羅」したとしている。
この法律では、施設の機能を損なう行為に中止勧告や罰則つきの命令を出すことができるとされているが、何が機能を損なう行為かわからない。こうした規定が基地への抗議行動に影響を与える可能性も指摘されている。
神奈川県内の対象区域
【特別注視区域】
座間駐屯地、キャンプ座間(相模原市、座間市)、武山駐屯地、武山高射教育訓練場、横須賀海軍施設(横須賀市、三浦市)
【注視区域】
横浜駐屯地、横浜ノース・ドック(横浜市)、艦艇装備研究所川崎支所、鶴見貯油施設(横浜市、川崎市)、久里浜通信学校、艦艇装備研究所久里浜地区、株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、観音崎警備所(横須賀市)、逸見庁舎、長浦庁舎、横須賀警備隊庁舎、比与宇弾庫、比与宇施設、補給倉庫、艦船補給処、自衛隊横須賀病院、第2術科学校、支援船係留施設、田浦地区港湾施設、船越庁舎、吾妻倉庫地区、横須賀海軍施設、浦郷倉庫地区(横須賀市、逗子市)、秦野大山通信所(秦野市、伊勢原市)、厚木航空基地、厚木海軍飛行場(大和市、海老名市、綾瀬市)
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