発行日:2023年11月10日
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を
歓迎しない会ニュース No.104
電子版
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[報告]
キャンプ座間の米軍管理棟改修工事等に
思いやり予算11億円
座間市議会基地政策特別委員会で質疑
安海のぞみ
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座間市議会の基地政策特別委員会において、日米合同委員会にて合意事案となっている米軍基地内管理棟改修工事および令和6年度概算要求(キャンプ座間に係る提供施設整備経費)について質疑した。
該当する管理棟は座間市域に存在する建造物で「既存施設は老朽化が著しいことから整備する」とある。この改修工事を含む概算要求は全4事業で総額約11億21百万円にも及ぶ。そしてこれらは全て国費、いわゆる『思いやり予算』である。
委員会では事業の詳細を尋ねるも南関東防衛局からの資料以上のことは知り得ていないとのことだが、管理棟改修工事他3事業に11億円超とは? 市当局には未だ情報提供はないそうであるが、キャンプ座間内に7階建ての宿泊施設予定との関連性も気になるところである。
基地政策特別委員会は3年間の休止を経ての再開で「政策」という名称には異議が残るものの、キャンプ座間のみならず県内の米軍基地に関する諸課題に市議会として向き合い議論する場としての重要性を再認識した。今後は当局提供資料を委員会に先立ち全議員に配信することも決定されており、事前の議員間討議も可能となると期待している。
歓迎しない会のメンバーともさらなる情報の共有をはかり、基地の再編・強化を許さず、その整理・縮小・返還を進める活動の 一助としていきたい。
(座間市議会議員、歓迎しない会事務局)
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キャンプ座間ゴルフコースからボール飛び出し事故 今年4回目
相模原市の発表資料によると、10月23日、プレイヤーが5番ホールにてティーショットを打った際、そのボールがネットを飛び越えた。翌10月24日に、市職員と南関東防衛局座間防衛事務所職員が付近の捜索を行い、キャンプ座間に隣接する市立相武台中学校の校庭敷地でゴルフボール1個を発見したとのこと。
米軍は、8月末に5,6番ホールの運用を変更する対策を行ったにもかかわらず、このようなボール飛び出しが続いている。改めて抗議するとともに、まずは原因の究明を求める。
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[報告]
2023.10.8
秋のキャンプ座間フィールドワークを実施
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毎年、春と秋に2回行っている恒例のキャンプ座間フィールドワーク、今年度の2回目(秋)を10月8日に実施しました。
キャンプ座間では、2016年に旧チャペル・ヒル住宅地区(約5.4ヘクタール)が米軍から日本政府に返還され、座間市によって整備が行われていましたが、2022年4月の「スカイグリーンパーク」開園をもって完了しています。また、2014年10月に発生したヘリポート西側のがけ崩れも2022年に復旧工事が完了しています。歓迎しない会はこれらの工事等の監視を続けてきたのですが、いったんは終了となりました。
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右手前がパークゴルフ場、右奥が自衛隊宿舎
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一方で、在日米陸軍という視点で考えますと、今後注目すべき重要な動きがあります。
一つは、横浜ノースドックへの米陸軍小型揚陸艇部隊の配備です。今年1月の「日米2+2」で発表されましたが、すでに4月には配備が始まり、来年にかけて要員を増やしていき、最終的には280人の部隊になるとのことです。「日米2+2」では、沖縄の第12海兵連隊を海兵沿岸連隊(MLR)に改編することも同時に発表されており、小型揚陸艇部隊もそれと関連していると考えられます。
280人の部隊が創設されるわけですから、これらの軍人等の居住施設を用意する必要があり、キャンプ座間を含め、近隣の米軍施設への受け入れが必要になるはずです。この部隊の受け入れ施設かどうかはわかりませんが、キャンプ座間に米軍が新たに宿泊施設の建設計画を進めていることが判明しており、その動向に注目しています。
二つ目は、今年6月にウォーマス米陸軍長官が、従来のミサイル攻撃などに加えサイバーや宇宙、電子戦といった複合的な作戦能力を持つ「マルチドメイン・タスクフォース(MDTF=多領域部隊)」を日本に配備する考えを表明したことです。日本にMDTFを配備する場合は、沖縄の海兵隊がMLRに改編(11月)され、それを補完する部隊との位置づけです。このように見ますとノースドックへの小型揚陸艇部隊の配備と関連しているとも考えられます。
前置きが長くなってしまいましたが、このような観点から今回のフィールドワークは、基地の施設が集積している南側をやや丁寧に見ていこうとなり、相武台前駅→大坂台公園→キャンプ座間ゲート前→富士山公園→座間公園のコースとしました。
天候は曇りで昼近くに小雨が舞う程度で、暑さという面では問題なく、無事に周ることができました。特に大きく変わったというところはなかったのですが、基地の周辺も含めて、最近の状況を改めて確認することができたのではと思います。(編)
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在日米陸軍司令部の施設
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[報告]
2023.11.5
ピース・フェスティバルin大和・綾瀬
5年ぶりの開催 “歓迎しない会”も模擬店
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11月5日晴天の中、大和駅前で「ピースフェスティバル2023秋in大和・綾瀬」が盛大に行われました。ステージを中心に、平和の活動に取り組む団体の模擬店が並びました。
歓迎しない会はほぼ例年通り、種子島直送の安納芋、玉こんにゃく、コーヒー、お茶などの販売を行いま した。他にも沖縄物産、タイ料理、ポップコーンや水飴、リユース・リサイクル衣料品などの出店があり、子どもから大人まで楽しめる内容でした。
ステージ企画では、キッズのダンスパフォーマンスで盛り上がった後は沖縄のシンガー、ナーグシク・ヨシミツさん、フィリピン出身のプッチ&アリソンさん、ウクライナ出身のカテリーナさんと続き、平和をさけぶ魂の歌声に道行く人も足を止めて聞き入っていました。会場全体が平和への願いで一体となっているのを感じました。
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会場・ステージの様子
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ピースフェスティバルは一貫して「アジアに平和を、静かな夜を!」のメッセージを掲げてきました。今こそ、このような催しが必要な時であると考えます。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ武力衝突など世界では戦争が続いています。日本政府は防衛費増額を閣議決定し、南西諸島への新基地建設やミサイル購入をすすめています。しかし武力で平和がつくれないのは、世界情勢を見ても明らかです。
平和を願う市民一人ひとりがつながり、地域から声を大きくしていくことが大切であると考えます。ピースフェスティバルは平和について改めて考え、来場者の想いを一つにしてくれる大切な機会です。今後も活動を続けていきます。
(長瀬未紗、歓迎しない会共同代表)
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歓迎しない会の模擬店
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座間市がPFAS重点調査結果を発表
鳩川(平和橋周辺)流入排水路の5地点で暫定目標値を超過
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座間市内の地下水や河川から暫定目標値を超えたPFAS(有機フッ素化合物)が検出されている問題で、市は今年9月、重点調査として、鳩川平和橋付近の流入排水路から上流のキャンプ座間までの雨水枡10箇所の検査を行いました。
調査結果は10月に市のホームページ上に公表され、半数の5箇所で国の定めた1リットルあたり50ナノグラム(50ng/L)を超過したことが明らかになりました。最も高濃度の地点は座間市座間1丁目付近で130ng/Lを検出した一方、キャンプ座間に直結する2箇所の枡ではそれぞれ33及び36ng/L、暫定目標値を下回りました。
市は、専門家の意見を聴いた上で、キャンプ座間との因果関係は認められない、また、これ以上の詳細な調査は難しいと結論づけました。しかし隣接する座間公園付近の枡では80ng/Lを超える値が検出されていることからも、キャンプ座間との因果関係の疑念は拭えません。市は、上流は水量が少ないため濃度が高くなる傾向があると言いますが、汚染の特定に向けた調査の継続を求めます。(長瀬未紗)
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