発行日:2023年5月12日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.101

電子版



[報告]
2023.5.4

キャンプ座間フィールドワーク

 連休最中の5月4日に毎年恒例となっている春のフィールドワークを実施しました。今回は、相武台前駅→大坂台公園→キャンプ座間正面ゲート→座間公園→隧道入口→新戸公園→勝坂崖崩れ現場を歩きました。参加者は12人です。
 大坂台公園の展望台上から基地内を望んだ後、公園内を正面ゲート方面に進みました。私自身は久しぶりのフィールドワーク参加のため多目的広場やパークゴルフ場のあるスカイグリーンパークなどを見るのは初めてでした。これらは防衛省の補助事業(民生安定助成事業)として整備された施設です。パークゴルフ場は連休にも関わらず1組の家族が利用していただけで、まだまだ市民に知られていないようです。トイレや休憩所などもきれいに整備されていました。



パークゴルフ場

 正門ゲート前ではメンバーがカメラを向けると「写真は撮らないように!」と注意の声が飛んできます。基地警戒態勢ランクは「A」、最も低いレベルだそうです。ウクライナ情勢、台湾情勢など、あまり関係ないようですね。正面ゲートを過ぎて座間公園に上がり、キャンプ内を臨みました。人はあまり見えず静か、整備の車が芝のグラウンドに円を描いていました。
 振り向くと、座間・相模原両市で4年ぶりに通常開催となった大凧まつりが行われている相模川河川敷の方向に小さな凧が上がっているのがぼんやり見えました。ちなみに相模原は、災いに勝ち抜く頼もしい風が吹くことを祈念する「勝風」、座間は、コロナを吹き飛ばす風「華風」が今年の凧文字に選ばれたそうです。
 キャンプ座間を東西に横断する市道新戸相武台線新戸トンネルの新戸側の第3ゲート近くに陸自の隊舎と庁舎があり、近くまで行くと「第一軍団(前方)」の看板が見えるようですが、ゲートに通じる登り道路は立ち入り禁止となっています。



自衛隊庁舎、在日米陸軍も同居

 隧道から新戸公園にあがりました。以前からあったのでしょうか?隧道側のブロック塀の上のぐるぐる巻きの鉄条網が目に留まり、写真を撮りました。沖縄で見た覚えがあります。
 新戸公園を後にして、メンバーの車で2014年10月に台風18号で崖崩れのあったヘリポート下の現場に向かいました。現場には「種子吹付養生」の看板があり草に覆われていました。藪の中を登り、以前ヘリコプター騒音の測定をした場所の先の崖崩れ現場に到着すると、上部にコンクリートの壁が築かれ、草のダムのような格好になっていました。これで工事は終わったのでしょうか?
 上空でヘリコプターの音が聞こえましたが、この日はヘリコプターの姿は見えませんでした。
 フィールドワークはここで終了、キャンプ座間とその周辺を歩くと、毎回その変化を間近で見ることができます。次回は秋の予定です、ぜひご参加ください。(岩本香苗)

 



               フェンスの上に鉄条網が





     

「Jアラート」はまやかし
FPCON "A" 在日米軍は動かず

 今回のフィールドワークでどうしても確認したかったのは基地の正門に掲げられている警戒体制・FPCONの表示。この日もやっぱりFPCONは“A”だった。
 相模総合補給廠にも、キャンプ座間にも在日米軍基地の入り口には写真のようなFPCON(Force Protection Conditionの略・エフピーコンと読む)という警戒情報表示があるが、5月4日も“A”だった。
 4月13日朝、政府が「Jアラート」を発令、国民に避難を呼びかけ、北朝鮮のミサイルが飛んでくるからと北海道を中心に、地下か、建物の中に避難するように呼び掛けた。この日の朝は全てのテレビやラジオの番組が避難の連呼になった。実際は誤報か意図的のデマかは不明のままだが、マスコミも政府の発信に、デマに乗せられ、北朝鮮や中国の脅威をあおられ、防衛力強化を推進することになる。
 Jアラートが発令されて、在日米軍はどう動いたのか、どのように警戒態勢を敷いたのか、在日米陸軍は、どういう体制にあるのか。とても興味があり、この日もゲート前の表示に注目した。結果は写真の通り、“A”。いつもと変りなく、全く変化はなかった。
 つまり日本政府が、いくらミサイルが飛んで来るとあおっても、「日本を守るべく駐留している在日米軍」は警戒体制すら変化なし。北朝鮮の脅威など米軍には通用しないことが明らかだ。今後も政府がJアラート等あおっても、米軍の警戒態勢を注目することが判断基準になることを改めて訴えたい。 (金子豊貴男、共同代表)


基地ゲート前には警戒態勢 (FPCON) の表示


キャンプ座間ゴルフ場のボール飛び出しが止まらない!
米軍に必要ない施設は廃止、返還を

3月にもボール飛び出し事故
約15年前にボール飛び出し事故が頻発し、大問題になったキャンプ座間の米軍ゴルフ場。その後コース変更や防球ネットのかさ上げで一旦は飛び出しが止まったと思われたのですが、数年前から再び飛び出し事故が確認されるようになり、2022年度だけでも、下記の3月を含め、5件が報告されています。
 頻度が少ないとはいえ、隣接地が住宅や学校であるため、人身事故の可能性も十分考えられます。危険を放置してのゴルフ場の営業は許されません。

ゴルフ場の営業を停止し、土地の返還を
 そもそも、米軍人用に提供されているはずの米軍基地内ゴルフ場ですが、キャンプ座間ゴルフ場の利用者は、ほとんどが日本人です。日本人の会員を募って収益を上げていることが判明しています。しかも、米軍基地内であるためゴルフ場利用税が免除されています。
 米軍人がほとんど利用しないのであれば、米軍にとって必要のない施設ですから、ゴルフ場は営業を停止し、土地を返還すべきです。そうすることで、ボール飛び出し事故は根絶でき、基地の一部返還も実現されます。(編)


キャンプ座間米軍ゴルフ場

2023年3月20日
相模原市発表資料より

キャンプ座間ゴルフコースからのボールの飛び出しについて

 キャンプ座間ゴルフコースからゴルフボールの飛び出しがあった旨、住民から通報があり、次のとおり対応しましたので、お知らせします。
1 発生日時
 令和5年3月17 日(金) 午後2 時10 分頃
2 発生状況
 ゴルフコース近隣の集合住宅1階の住入が自宅のベランダで大きな音がしたため確認したところ、ベランダ内に落ちているゴルフボール1 個を発見した。
 また、ベランダに設置したエアコンの室外機にへこみがあった。なお、負傷者はいない。
3 経過等
・3月17 日(金)、当該住人からの通報を受け、直ちに防衛省南関東防衛局座間防衛事務所職員と共に当該住宅を訪問、状況を確認し、ゴルフボールを回収した。
・その後、キャンプ座間ゴルフコースにおいてロストボールの申告があったことが確認され、発見されたボールの特徴と一致したことから、ゴルフコースからボールが飛び出したものと判断した。
・市として、飛び出しの原因究明と再発防止を求める申入れを在日米陸軍基地管理本部及び南関東防衛局に対して行った。


 横須賀の原子力空母、ジョージ・ワシントンに交代へ

 在日米海軍司令部(横須賀市)は28日、横須賀基地を拠点とする原子力空母を、現在の「ロナルド・レーガン」から同型艦の「ジョージ・ワシントン」へ2024年後半に交代すると発表した。レーガンの改修や、艦船の海外展開の期間を10年以内と定めた米国防権限法などが交代の理由という。ワシントンの横須賀配備は2回目。
 同司令部などによると、ワシントンは08年から15年まで横須賀に配備。17年から米国で燃料棒の交換や艦橋新造などの大規模更新工事を行っており、23年中に完了する見通し。
 両艦とも同じニミッツ級で乗組員数や大きさなどの規模は変わらず、岩国基地(山口県)と厚木基地(大和、綾瀬市)に常駐する艦載機部隊は引き継がれる。
[神奈川新聞 2023年4月28日より]