発行日:2023年3月10日

キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を

歓迎しない会ニュース No.100

電子版



[報告]
2023.2.22

厚木基地、キャンプ座間の爆音被害解消を
相模原市に申入れ

 3月、4月の卒業式・入学式の時期を前に、米軍や自衛隊の航空機による爆音被害の解消を求め、厚木基地爆音防止期成同盟相模原支部、第五次厚木基地爆音訴訟原告団相模原支部及び歓迎しない会の連名にて、相模原市に対する申し入れを2月22日に行いました。
 例年、厚木基地周辺各市に対して申入れを行っていますが、相模原市では厚木基地の航空機だけでなく、キャンプ座間の米陸軍ヘリ、横田の米空軍ヘリやオスプレイも市内上空で訓練飛行を行っており、歓迎しない会としても特にそれらに対する申し入れを行いました。
 騒音記録計のデータ公表について65dB以上の記録を公表するよう求めましたが、固定翼機については70dB以上が県内での基準となっており、「困難」との市側の回答でした。
 神奈川県と各市による米軍、防衛省に対する要請が行われていることは評価できますが、基地周辺住民の被害をより軽減できるよう、取り組みの強化を期待したい。 (編)

2023 年2 月22 日

相模原市長 本村 賢太郎 殿
相模原市教育長 渡辺 志寿代 殿

厚木基地爆音防止期成同盟 相模原支部長 山村 充夫
第五次厚木基地爆音訴訟原告団 相模原支部長 金子豊貴男
キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を歓迎しない会 共同代表 金子豊貴男

厚木基地、キャンプ座間の爆音被害解消についての申し入れ

 新型コロナ対策や市民が健康で豊かに暮らせるまちづくりに向け、日々尽力されていることに感謝と敬意を表します。
 本市の南部地域の住民は、厚木基地の米軍や自衛隊機の航空機の爆音、キャンプ座間のヘリコプターの騒音に悩まされ、生活の様々な面で被害を受けております。長時間にわたる旋回訓練や夜間にまで及ぶヘリコプター訓練などでの騒音、墜落の恐怖は厳しい状況です。
 3月上旬から4 月上旬にかけては、小・中学校等の卒業式や入学式の時期であり、大切な学校行事が爆音によって一時中断する事態や、式典の進行に支障を及ぼすことは避けなければなりません。
 特に3 年にわたるコロナ禍による学校行事への影響は児童生徒への負担もひどく、その上、爆音や墜落の恐怖を与えることは断じて許されません。
 このような住民の被害や苦痛と不安、そして子供たちの大切な学校教育に支障を与える爆音被害を無くすため、次のことを申し入れます。貴職のなお一層のご努力を要請いたします。
  1. 爆音被害を解消するため、関係機関への働きかけなどをこれまで以上に取り組んでいただきたい。
    特に厚木基地、キャンプ座間の米軍へリコプター騒音、横田基地の米空軍機による相模原市内での訓練や市内上空通過による騒音被害について、米軍各司令部への申し入れを行ってください。厚木基地の自衛隊機の飛行についても海上自衛隊へ、飛行自粛を強く働きかけてください。
  2. 小・中学校等の卒業式や入学式などの学校教育に支障を及ぼす事態を無くすため、この時期の飛行自粛について国・防衛省や自衛隊、米各軍司令部へ強く働きかけていただきたい。
  3. 爆音対策として、市当局も努力されている「NHK受信料の助成措置」の実現について、引き続き積極的に働きかけを強めていただきたい。
  4. 騒音記録計の増設、飛行高度測定器の導入などを含め、飛行実態の調査と対策を要望します。騒音記録計については、65dB以上を公表するようにしてください。
  5. 日米共同訓練に伴い厚木基地が整備・補給場所として多く利用されています。これに伴い戦闘機やオスプレイの飛来が市民に騒音被害や、墜落の危険を与えています。
    危険なオスプレイの飛行・訓練を本市上空で行わないよう、国や米軍に申し入れるよう求めます。


[報告]

2023.2.3

相模原市米軍基地返還促進等市民協議会
市内米軍基地視察 3年ぶりに基地内へ

 コロナ禍で途絶えていた、市内米軍基地視察が行われ参加した。
 参加者は相模原市議会議員11名と相模台地区自治連役員1名、市基地対策課長及び職員で計 14名。午前9時に市チャーターのバスで市役所前を出発。9時40分に相模原住宅地区に入り、身分証を提示の上、全員に入門パスが渡され、基地内に。
 バスに乗ったまま相模原住宅基地(SHA)内を一周した。ウォータープラントエリアは通らなかった。三年前には工事中で今は完全に改修が終わっているにも関わらず、見せないというのはどういうことなのか。返還4事案のうちの一つで、相模原市としての重点返還要望地点に新しいプラントを建設したのを見せたくなかったのだろうか? バスの中の米軍側からの説明では、基地外周のフェンスの付け替え工事が半分以上終わり、残りわずかとなったとのこと。そのままバスを降りることもなく、キャンプ座間に向かう。
 基地の外へ出て、キャンプ座間の第7ゲートから基地内に入った。ここでも、入門のチェック、免許証の提示が行われた。
 基地内に入るとゴルフ場の外周道路を通って、サウスキャンプ(座間市域)の司令部、在日米陸軍基地管理本部(GARRISON JAPAN)が使っている建物(102ではない)の会議室へ。
 走行中のバスから見ると、ゴルフプレーヤは10組ほど確認できたが、全員、日本人と思われた。米軍人のゴルフプレーヤが勤務中にはいないのが当たり前だが、改めて、何のためのゴルフ場か、米軍にとって必要ないなら早く返せ!
 会議室で基地管理本部についてのブリィーフィング。歓迎挨拶はティモシー D.フラック広報室長。在日米軍全体の基地状況--では基地管理本部の要員は2220人とか、うち兵士は20人、1900人が日本人従業員、その他は軍属との説明を受けた。成田に向かうリムジンバスは現在1日1便とのことだった。今年は3月25日にキャンプ座間の桜まつりと紹介された。
 次に基地内の図書館に案内された。何十回もキャンプ座間の視察に参加しているが、図書館は初めて、蔵書数は26,000冊という。日本人の職員が勤務しており、丁寧に質問に答えてくれた。
 次に旧日本軍の天皇の防空壕へ、陸軍士官学校時代、卒業式に天皇が来るとの想定で戦時中に作っている。ここに入るのは3回目か? 頑丈なコンクリート造り、入り口から入って、内部を見てもう一つの入り口から外へ出た。
 昼食はコミュニティーセンターでハンバーガーセット、帰路も第7ゲートを使って出たので今回正門は全く使用しなかった。
 午後は市役所に戻って、市民会館の会議室で国立国会図書館調査及び立法考査局外交防衛課の福田毅調査員による日米地位協定に関する講演会、30人ほどの市民協の委員が参加した。
 なお、基地内での写真撮影、室内のみ許可だったのでバスの車窓からの撮影は出来なかった。
(金子豊貴男、共同代表・相模原市議)


キャンプ座間内図書館の様子


[報告]

2023.2.8

座間市基地返還等市民連絡協議会
キャンプ座間視察
 

 前回は2019年、当時はまだ「基地返還促進等市民連絡協議会」であったキャンプ座間視察が、4年ぶりに行われました。今回は初視察の協議会メンバーも少なく無いことなどから米軍基地への理解を深めるとの目的のもと、司令部ではなく米軍基地管理本部の説明、広報活動の現場、ユースセンターなどを巡る見学ツアー的なものでした。『良き隣人』としての基地の存在を精一杯示していたのでしょうけれど、基地機能の本質をはぐらかされた感の残る視察でした。
 前述の協議会の名称変更時の議論に際し「基地返還促進より基地との共存共栄、基地の有効活用を」といった意見が、議員のみならず市民からも多く聞かれる変化を感じました。現在座間市議会では、一度無くした基地政策(旧基地対策)特別委員会を再び設置しようという動きがあります。用心深く慎重に議論しなければならないと考えます。
 安全保障関連3文書の決定によるこの国の防衛政策の大転換は、キャンプ座間の存在とも密接に関係し、市政運営に無関係ではないとの声をもっと上げていかなければならない、今回の基地視察は私にとってそんな思いを強くする機会となりました。本当の善き隣人となる為に今すべきことを。
(安海のぞみ、座間市議) 



在日米陸軍基地管理本部の説明資料
 


キャンプ座間内ユースセンターの様子

PFAS汚染問題 2023年度 座間市の取組みについて

 座間市内の地下水や河川から有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、座間市は新年度予算に検査のための費用を盛り込みました。市内6カ所の地下水・湧水中のPFAS検査費用として117万円、鳩川平和橋下流流入排水路付近の検査に198万円が計上されています。地下水も鳩川も、2021年に汚染が発覚してから県や市が継続して調査を行っており、2023年度は鳩川に関して新たに検査地点を増やすということです。
 平和橋下流流入排水路はキャンプ座間や座間消防署付近まで続いています。上流であるキャンプ座間付近からの雨水や、公共下水道に接続されていない事業所や住宅から出る浄化槽で処理された汚水・生活排水が雨水管に流れ込み、県道や市道の下を通り、それが出口である流入排水路に出てきます。2021年2月に県が初めて同地点でPFASの検査を行ったときには、暫定目標値である1リットルあたり50ナノグラム(50ng/L)を超える85ng/Lが検出されました。22年度には市が同地点の調査を行い、暫定目標値の3.6倍となる180ng/Lを検出しました。
 これを受けて市は座間市地下水採取審査委員会に意見を聞き、23年度、流入排水路から上流までの7~10地点の検査を行い、分布状況の把握をすることにしました。具体的な検査場所や時期については、今後の同委員会で決定する予定とのことです。
 相模原市はすでにキャンプ座間や補給廠、相模原ハウジングの排水を今年1月に調査し、結果は暫定目標値を下回ったとの報道もありました。座間においても、汚染は米軍由来なのか、そうではないのかの確認のためにも、詳細な調査をすることは原因究明に向けた前進と捉えます。相模原市や他自治体、県・国とも連携しながら原因究明に向けた取り組みをすすめ、市民の健康や環境を守っていくことを強く求めていきます。
(長瀬未紗、共同代表・座間市議)



鳩川平和橋下流 流入排水路