[報告]
フィールドワーク
〜キャンプ座間周辺の遺跡、座間の湧水 と歴史を楽しく知ろう〜
2010年8月28日(日)実施
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歓迎しない会では、キャンプ座間とその周辺の自然や遺跡についての知識を深める活動にも取り組んできました。基地内部で施設建設工事などが予定される場合、遺跡や自然を守ることも重要な闘いになります。今回はフィールドワークとして、「座間市生涯学習宅配便」を利用し、専門家による案内を受けながらキャンプ座間周辺の遺跡、歴史、座間の湧水などを観察しました。案内人は、座間市生涯学習課の小林光男主査と梅田稔課長です。
まず、当日のコースの概略は、次のようになります。
@(小田急線)相武台前駅(出発)→A行幸道路→B富士山公園→Cキャンプ座間正門前→D相模原隧道(トンネル)→E平和坂→F平和の小径→G番神水→H湧水と歴史の里→I龍源院→J心岩寺(スルーポイント)→K梨の木坂横穴墓群→L(小田急線)座間駅(ゴ−ル)
以下、写真及び配布資料により、フィールドワークの様子をコース順に紹介します。
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@相武台前駅…この駅は、1927(昭和2)年の小田急線の開通とともに設置された駅で、最初の駅名は「座間駅」、1937(昭和12)年に陸軍士官学校が東京の市ヶ谷から移転してきてからは「士官学校前駅」に、やがて1941(昭和16)年には「相武台前駅」に改称されています。
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相武台前駅で集合
午前9時30分集合
早速、駅周辺の説明
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相武台前駅から見た外の様子
高いビルの手前、中央の白い建物が小田急の変電設備で、
座間市最古の鉄筋コンクリートの建物とのことです。
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A行幸道路…1937(昭和12)年の陸軍士官学校の開校に伴い、当時の国鉄の駅があった原町田駅から天皇が陸軍士官学校へ行幸するための道が急ピッチで整備されました。そのためこの道を「行幸道路」と言うようになりました。現在は主要地方道町田厚木線(51号線)です。
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相武台前駅からキャンプ座間へ行幸道路を進む
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B富士山公園…この公園の頂上にはかつて浅間神社がありましたが、明治時代のはじめに廃され、現在は座間神社に合祀されています。その後、陸軍士官学校の用地となり、遥拝盤がおかれました。戦後、米軍から返還され1972(昭和47)年に公園として整備されました。
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遙拝所跡の案内板
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遙拝所方位盤
周囲には東西南北や地名の文字が確認できた
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Cキャンプ座間正門…キャンプ座間の前身は陸軍士官学校で1937(昭和12)年に東京の市ヶ谷から移転してきました。それまでは「天神原」とよばれる桑園や麦作などが盛んに行なわれていた農地でした。
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陸軍士官学校当時の大講堂 |

現在はキャンプ座間内の劇場として使われている |
E平和坂…町田方面に抜ける県道が上の台地に上る坂でした。もともとは、六道の坂などと言われる坂道で、複数の道が合流する場所でしたが、急な坂道で上から来た荷物をたくさん載せた荷車が減速できなくて道のそばの溝にそのまま落ちてしまう事故が相次いだことなどから、1920(大正11)年に道路の拡幅整備が行なわれ、丁度、東京で行なわれた平和博覧会開催を記念して坂の名前を「平和坂」に改称しました。
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”平和坂”と刻まれた標識
もともとあった場所から移されたため道案内(原町田、厚木)の方角が逆になっている
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F平和の小径…番神水から平和坂に至る座間丘陵のふもとを通る四季の変化に富んだ小道で、斜面の林は様々な落葉樹が茂る雑木林で、また、西側に大山や丹沢の峰々を望むことができます。
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G番神水…日蓮上人が鎌倉の龍のロの法難の後、流刑地の佐渡に向かう途中、この地の刀鍛冶・鈴木弥太郎貞勝の願いを聞き、刀を鍛えるの適した良水を得るために「南無法蓮華経」を唱えながら杖でこの地を穿つと清水がこんこんと湧き出てきたことからこの地に湧水を守る「番神堂」(30柱の神々を祀るお堂)を設けたと伝えられています。ことから番神水といわれるようになりました。
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H湧水と歴史の里…1994(平成6)年から「鈴鹿・長宿区域街づくり協定」に基づいて地域の人々と市行政が協働で進めている整備事業のーつで藤沢街道や集落の中を流れる小川や湧水、神社仏閣や文化財などを巧みに取り込んだ街づくりが進められています。
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I龍源院…山号を水上山といい曹洞宗のお寺です。伝説では桜田姫の父親渋谷高間の開基といわれています。かつてここには1872(明治5)年の学制発布直前まで地域の子ども達が学ぶ風牛学舎がありました。
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K梨の木坂横穴墓群…市の指定重要文化財(史跡)で1号と2号があります。奥行きは約7.5m余りあり、横断面はカマボコ状、縦断面は徳利を切ったように入口が狭<一番奥の奥壁が高<なっており、一番高い所では、約2mあります。この中からは人骨のほかに、勾玉や切子玉などの装飾品が出土しています。この横穴の特徴は入口の石積みが丁度、古墳の入口に似ていることで、相模川中流域の特色とも言われています。
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L座間駅…1937(昭和2)年に小田急線が開通した時は、「新座間駅」、その後は「座間遊園駅」、「座間駅」と改称しています。「相武台前駅」もこの「座間駅」も地元の人たちの土地やお金の寄付で設けられたものです。
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暑い中、全員無事に座間駅に到着。案内の小林さんと梅田さんにお礼を言い、解散しました。参加された方、お疲れさまでした。参加できなかった方も次回の企画にご期待を。
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